デリアの特徴は繊細さと女性らしい柔らかさが特徴のピアノ、そしてピアノに比べどこか幼さの残るヴォーカリゼーションの共存にある。この絶妙なバランスがJAZZ/CLASSICの高貴さとMPBのキャッチーさを実に絶妙に繋いでいるのだ。前作以上に「POP」面を聴かせてくれるモスカとの"Um outro olhar"、美しすぎるバンドリンとシンプルなパーカッションの序盤からロック・ビートでアグレッシブなピアノ・ソロを披露する"Cor de sol(Loro)"、ヴァイオリンを迎えた室内楽的な"Palhaco"、そして恩師が10弦ギターを弾きまくるサンバ・トラック"Saudacoes"など、いずれも興味深いトラックだ。