【特集】1stアルバム「The Grievous Cry」発売記念CRUCIFIED最新インタビュー!

  • HARDROCK & HEAVYMETAL
  • 注目ニュース

2021.10.07

  • x
  • facebook
  • LINE

  • メール


CRUCIFEDは2003年にギタリストのKohhei Iinoを中心に結成されたスラッシュ・メタル・バンドである。ライヴハウスを中心とした活動の他に、音源としては2枚のミニアルバムと、韓国のMETHODらとスプリット・アルバム「At The Kill」をリリースした。

驚くことに2021年で結成18年というキャリアがあるものの、これまでフルアルバムのリリースがされてこなかった。しかしその沈黙を破り、ついにそのリリースがアナウンスされた。

早速聴いてみると、彼らが謳っていたスラッシュ・メタルだけに留まらないエクストリームでメロディアスな楽曲群が耳に飛び込んできた。

その驚きと共に、弦楽器隊の3人であるKohhei Iino(Vo, Gt)、Hitoshi Kojima(Gt)、Tadayuki Okubo(Ba)にインタビューを試みた。

――キャリア18年にして初のフルアルバムです。まずはおめでとうございます。

Kohhei Iino(以下K)ありがとうございます。

――スラッシュ・メタル・ファンには満足してもらえそうな作品となりましたね。でもなぜこれまでフルアルバムを制作してこなかったのですか。

K:色んな理由があるけど、メンバーを固定できなかったことが大きいかな。メンバーが固定されないとフルを作る流れになれなくて。

――過去のミニアルバム2枚はどちらもメンバーが異なりますが、スプリットから初めて同じメンバーでの作品発表となっています。これがフルアルバムを作る流れになれたと。

K:でもメンバーが固定されたらされたで、逆に中途半端なものを出せなくなったんですよ(苦笑)。

――コロナで活動が停滞してしまうバンドが多い中、完成まで漕ぎ着けたじゃないですか。

K:曲の多くは2019年くらいには揃っていたし、実はレコーディングも進んでたんです。さすがに2020年はコロナで完全にストップしたけれど、色んな人の助けもあってね。

Tadayuki Okubo(以下T):それでもレコーディング開始からリリースまで2年以上かかったけど。

――過去のミニアルバムからはオールドスクールなスラッシュ・メタルを聴くことができました。一方、新譜はスラッシュが土台にありつつそれに留まらない楽曲も多いですね。作曲はギターのお二人でされているとか。

K:根はオールドスクールだけど、そもそもそれをやろうってバンドでもなくて、新しい音楽も好きなんです。でも育った音楽がスラッシュだから、生まれる曲はそれらがミックスされた感じになるのかな。

Hitoshi Kojima(以下H):自分もCRUCIFIEDがオールドスクールだとは思っていないですね。作曲の際、Kohheiが作るものと雰囲気が被らないよう初期の段階から意識してるんですよ。

――西欧的なヘヴィさとメロディックさを感じさせる“Misery”や、トライバルなリズムアプローチのある“Light And Shadow”があったりと、正統派なスラッシュが見え隠れしつつも新しい試みが感じられます。

K:聴かせどころのあるリフとかメロディとか盛り込んで作っていたら、“Misery”のようなメロウな曲が生まれたんです。作曲しているときは自分に酔ってるから(笑)。

――特に驚いたのが“The Shining Path”です。ハードバラードかと思いきや突如ブラストビートが盛り込まれたりと、かなり特異な存在感を放っています。

H:この曲は自分がメインに書き上げたんですが、確かに異色ですよね。でもバンドとしてのアイデンティティや軸はズラしていません。Kohheiのギターリフと自分のフレーズを完全に切り分けるスタイルが、上手く消化出来できた曲だと思います。

――リフやメロディが叙情的ですよね。

H:ヨーロッパの幾つかのメタルフェスでプレイしたことがあるんだけど、地平線に太陽が沈んでいく様子がすごく印象的だったんです。その時に産まれたリフなんですよ。

――その他、スウェディッシュデスの雰囲気がある表題曲の“Grievous Cry”、2バス全開のスラッシーな“Cries Of The Dead”や“The Stairs To Glory”など、初のフルアルバムでこれだけの楽曲を作り、時間もかけてきたのですから苦労もあったんじゃないですか。

K:そうですね、特にヴォーカルレコーディングは大変でしたね。何テイクもやってると、どれが良いか分からなくなってくるんで。それに、アルバムを完成させてからリリースまで持っていく過程も苦労しました。慣れない作業だし、そこまで人付き合いが得意じゃないから(笑)。

H:Kohheiは本当に大変だったよね(笑)。

K:でも苦労した分、満足してます。

――ソロもかなり作り込まれた印象を受けました。これはなかなかの作業だったのではないですか。

H:ソロに関してはREC当日にフレーズを変えたり、アドリブに変えたり…色々と試しましたね。録り終わって「ヨシ!」ってなっても、時間が経つとイマイチに思えてしまって…。それを何度も繰り返しちゃいました。誰もが経験したことあるとは思うのですが。

――ベースはどうでしたか。

T:曲の形はある程度完成していたから、細かなアレンジを詰めるぐらいで産みの苦しみはなかったです。ただ、さっきも言ったように完成に2年以上かかったから、最初に録った曲は2年前の自分のプレイなわけで、それを冷静に聴くというのが難しかったですね。

――改めて新譜を振り返って、いかがですか。

K:良いバンドは世の中たくさんいるけど、CRUCIFIEDのメロディラインは独特だと思いますし、他にはない形ができたと思います。今のメンバーで作った曲がほとんどだから、バンドそのものを感じてもらえるんじゃないかな。

T:CRUCIFIEDの色んな表情を見てもらえるアルバムだよな。

H:過去のミニと聴き比べても、曲はバラエティに富んでいるよね。

T:核となるデスやスラッシュ的な部分はもちろんだけど、ジャンルだけでは語れない魅力をアルバムから感じて欲しいです。

H:そうそう。路線変更とかではなく、バンドとしても個々としても色々なカラーが打ち出せてる。だけど最終的にはちゃんとCRUCIFIEDになってんだよね(笑)。

T:無駄に歳はとってないぜってことだ。

――今後の展望を教えてください。

K:この状況下だけど少しずつライヴを再開していきます。たくさんオファーも受けたいし、色んな所にも行きたいですね。年が明けたら楽曲制作もしたいし、次のアルバムの計画もしていくかも。ま、やりたいようにやります(笑)。

CRUCIFIED - "The Grievous Cry" Official Trailer


アーティスト:CRUCIFIED (クルシファイド)
タイトル:The Grievous Cry(ザ・グリーヴァス・クライ)
発売日: 2021年10月20日(水)
レーベル: Repentless (リペントレス)
規格番号:RETS-0026
定価:税抜価格2,700円 / 税込価格2,970円 

[収録曲]
01. Grievous Cry
02. Cries Of The Dead
03. World Of Nil
04. Misery
05. Shout At The Soul
06. The Shining Path
07. The Stairs To Glory
08. Light And Shadow
09. Vicious Circle
10. Around

CRUCIFIED are
Kohhei Iino - Vocal,Guitar
Hitoshi Kojima - Guitar
Tadayuki Okubo - Bass
Leone Wakiya - Drums