INFORMATION | デトロイトハウス・レジェンドRICK WADEスペシャル・インタビュー!
リリースの遅れていたHARMONIE PARKからの12"も入荷したばかり、デトロイトハウス・レジェンドRICK WADE(以下R)のスペシャル・インタビューをお届けします!

■まずあなたのバックボーンについて伺いたいのですが、幼少の時はどんな音楽を聴いていましたか?
R : 俺の両親はとても信仰深くて、小さい頃はよく教会に連れて行かれたよ。確かに教会音楽は素晴らしいものだが好きじゃなかった。当時はシカゴから1時間ほどにある郊外の町に住んでいたから、シカゴのローカルなテレビやラジオをチェックすることが出来たんだ。両親が寝静まるのを待ち、母親の古いトランジスタ・ラジオを自分の部屋へ持ち込むんだ。そして親にばれないように小さなボリュームで「WBMXミックスショー」(注1)を聴いていたよ。俺が学生の頃にはもう親は非宗教的な音楽を聴いていようと気にしなかった。そのころからDJに興味があったからミックスショーでかかるレコードを買い始めたんだ。
■ 自身で楽曲製作をはじめるきっかけや、あなたのレーベルについて教えてくれますか?
R : 1990年前後だったかな、俺はデトロイトやウィンザーのローカルなクラブでベースやゲットーテックと呼ばれるダンスミュージックのDJをしていたんだ。同時に俺は”RECORD TIME”(注2)というレコードショップのアシスタントマネージャーをしながら、ラジオDJもこなしていたよ。その頃はハウスがとても人気があって、俺はラジオ用にハウスのDJもしていたけど、ミックスするうちに「足らないメロディーやトラック」があることに気が付き満足できなくなったんだ。とにかく「もっとこういった曲があればいいミックスが出来る」って強い確信があった。だから最初はリリースする為ではなく自分自身のミックスショーの為の曲作りをして、それをプレイしていたんだ。俺のミックスショーがオンエアされた一週間後、そのプレイを聴いた Dan Bell(注3)が「その曲をリリースするべきだ」って連絡をしてくれてね。彼の強い説得もあって俺とDanはHarmonie Parkレーベルを立ち上げ「Late Night Basix Vol.1」をリリースしたんだ。DanはDBXとしてAccelerateが世界的にブレイクし始めた頃で忙しく、俺は一人で全てをこなさなくてはならなくなった。そして次の作品をMike Huckabyに依頼したんだ。Danの忙しさを俺とハック(Mike Huckaby)は知っていたからその時から彼の助けを求めることは無かった、Danには自分のレーベルに集中して欲しかったんだ。今ではDanと疎遠になってしまったが彼には今でも感謝の気持ちでいっぱいなんだ。
■ではHARMINIE PARKレーベルの今後の予定は?
R : 一番近いものだとWhistle Bumpを引用した「The Vinyl Refresher」という12インチをHarmonie Parkからリリースする。その後にはレーベルのベスト盤をCDでリリースするんだ。そのCDには俺やTheo Parrish, Mike Huckabyの初CD化音源や未発表音源も含めるつもりだ。来年にはハックとの共同プロデュースも考えているよ。
■あなたの過去の作品によく使われる「Angly」(「怒り」「腹立たしい」「憤慨」など)の意味について教えてくれますか?
R : これは1つの意味を指しているわけではなくて、いろんな時に得られるインスピレーションなんだ。セオとハックはこの意味を理解しているよ。あの街で感じられる全ての痛みや悲しみ、怒りや不満を俺は音楽製作に向けて発しているんだ。

■新しいアルバムがYOREレーベル(注4)からリリースされると聞きましたが。
R : 08年の春までに「The Good, the Bad and the Deep」というアルバムをアナログでリリースする予定がある。今までの作品の中で最も満足できた作品のひとつであることは間違いないし、同時にさっき述べたような多くの俺の気持ちが反映させられているんだ。リスナーの感情やイマジネーション、様々なリズムの境界が無い深い作品なんだ。
■最近親交の深いデトロイトのアーチストはいますか?
R : デトロイトにいる殆どのアーチストと連絡を取り合っているよ。さっき述べたMike HuckabyやTheo Parrish, Keith Worthyとも仲がいいんだ。彼等とプライベートで会うときは音楽やビジネスについての話をすることは無いし、家族についてや、別の話題で話し合うことが多いんだ。もちろん冗談も言い合うしね。
■最近のデトロイトの音楽シーンをどのように感じますか?
R : デトロイトのハウスシーンについて言えば、新しいアーチスト達がしのぎを削りライバルとして、いい競い合いをしているように感じるよ。しかし多くの場合その競い合う場はデトロイトではないんだ。数年前から様々な問題によって、自分自身で物事を考えられなくなっているのかもしれない。デトロイトのテクノについてはハックに聞いてみたい話だな。
■最後に日本のリスナーへのメッセージをいただけますか?
R : 俺はまだ日本へは行ったことは無いが昔から足を運びたいと思っていた唯一の場所なんだ。日本のアニメーションや秋葉原には興味を持ているよ。何より世界的に見ても様々な技術において最前線に位置していて、かつ伝統と多くの遺産に囲まれた他には無い国だからね。
(注1) 80年代、多くのクラシックを生み出し、シーンを発展させるきっかけを作った先鋭的ラジオプログラム。DJはJack Master Funk, Frankie Knuckles, Hot Mix5クルーなど多数。deephousepageでも聴くことが出来る。
(注2) デトロイトのアーチストであれば知らないものはいない老舗レコードショップ。90年代のメイン・ダンスミュージックバイヤーはMike Huckaby。今現在も営業中。
(注3) =Daniel Bell, DBX. デトロイト出身の白人プロデューサー。ブリープ~アシッドなミニマルテクノの基礎を築いた1人。かつてPlus 8レーベルからRichie Hawtinと共に作品をリリースしている。
(注4) ドイツの新興レーベル。主催はAndy Vaz. Rick Wadeの他にTodd SinesやTerrence Dixonなどデトロイト勢がシングルをリリースしている。
(2008.1.4)
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