DJ NOBU “Creep Into Shadows-The Midnight D Edits” インタビュー
最新MIX CD「Creep Into Shadows-The Midnight D Edits」を発売したばかりのDJ NOBUのスペシャル・インタビューをお届けします!
(NOBU) 生2つ、それから金目とスズキ、握りで。食う?
(Y) はい、じゃあもう一貫ずつ。それからシシャモ焼きを。
(NOBU)今度ね、Move Dとやることになったんだよ。

(Y)へぇ~どこでですか?
(NOBU)デカダン(DECADENT DELUXE)とキースフラッグで。すげーお世話になってるとこ。あれ知ってる? Workshopっていうレーベルから出ているやつ。これすげーいいよ。生魚なんでも好き?
(Y)何でも食えますね、白身系が好きですねー。はまちお願いします。
(NOBU)俺も白身好き、あと貝とか。最近どういうの売れてんの?
(Y)やっぱVillalobosとか。最近出たJay Hazeも売れてましたね。
(NOBU)やっぱ、あーいうの売れるんだ、やっぱかっこいいもんね。
(Y)もう(アルバムの)マスタリング終わってるんですか?
(NOBU)終わってない終わってない。4月が曲の締め切りでそれからだから。
(Y)じゃあまだ曲も全部固まってない感じですか?
(NOBU)そうだね、今は曲の完成度を上げてる感じ。MIX-CDみたいにして出したいんだけどさぁ、でもそれだと「オリジナルアルバム」感が出ないかなー、とかそういうことも考えてるんだけど。
(Y)うん。
(NOBU)でもやっぱサラっと聴かせたいしね。
(Y)そうですね。じゃあ(曲を)全部つなげていくんですか?部分的に?
(NOBU)部分的に。4つ打ちのとこは全部つないじゃってもいいかなって。
(NOBU)すいません、司牡丹ください。グラス2つで。

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(Y)NOBUさんてDISCOGSってサイト見ます?
(NOBU)いや、全然見ないけど。
(Y)あのサイトって今、カタログ調べるだけじゃなくってレコードの売買が出来るんですけど。2CB(*注1)ってレーベルたまたま見てたら、今UKで50ポンド(1万円前後)もしてて。
(NOBU)え?!そんなすんの?
(Y)一般的なレコードは至って普通の価格なんですけどね、2CBはUKで値上がりしてるみたいで。まぁそれにしても正直(フィルが亡くなって)びっくりしましたね。
(NOBU)そうだよねぇー、年末近いくらいだったよね。
(Y)オレもずっと疎遠になっていたから、いつか連絡取り合いたいな手気持ちはずっとあったんだけど、なかなかきっかけが無いとそういう風にもならなくて。 NOBUさんが曲作り始めたのって2CBの頃が最初ですか?
(NOBU)もうちょっと前かな?
(Y)その頃作っていた曲っていわゆる「No Future」(*注2)とか当時呼ばれてたじゃないですか。ああいう感じの音ですか?
(NOBU)いや、そんなこと無いかな、逆に今度出すアルバムに近いかも。結局理解されなかったんだよね、当時って。昔やってたことを今もやってるだけのことかもしれない。
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(NOBU)食べんのゆっくりだよね。
(Y)そうですね、チビチビで。あんま酒飲めないくせに(笑)
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(NOBU)どうなの最近周りは?
(Y)俺の回りもだいぶ落ちついちゃってますよ。俺も忙しかったりして昔に比べればパーティから離れてる部分もあるし。でもNOBUさん見てるとそういう意味ではぜんぜん変わんないですね。現役だし。
(NOBU)逆に俺の周りは若いやつが落ち着くの早いよ、遊びに来てもいい意味でガツガツしてるヤツも少ないし。FTも客が入れ替わってきてる。最近自分自身をどんどん突き詰めているから、周りで合う人が本当に減っちゃってきてて。それが悩みかも。
(Y)最近(NOBUさんと)合うなって思う人って?
(NOBU)CMTとハルカ君ってさ、山形でスゲーやつがいるんだよ。まだ24なんだけど、あれはすごい。俺も刺激受けられるもん。
(Y)感性が他の人と全然違うんですか?
(NOBU)俺と似てる部分もあるし、本人独特のものも持ってるからさ。
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(Y)FTをはじめたきっかけってなんだったんですか?
(NOBU)昔、(SUBHEADの)フィルと俺が一緒にやってた時期があって、でも結局やめちゃって。1999年位かな。2000年の夏に千葉でいろんなやつらがパーティをバンバンやり始めてたんだけど、「こうじゃないでしょ、俺の方がおもしろいこと出来ますよ」って。自分のプライドがそれを許さなかったっていうのがあって。(FTの) 1回目来てたでしょ?
(Y)行きましたね、結婚式場借りてやったやつ。当時働いてた(ディスクユニオン)千葉店の同僚と車で。一発目のあれって今思い返すと”変”でしたよ、あれはあれで凄かったしカルチャーショックでしたよ。
(NOBU)いやぁ~あれは”変”だったでしょ、俺もあんま意味わかってなかったけど、あの空気感て今は無いもんね。あの”場”の空気もあるし。隣はマンションなのに、いきなりあんなとこでやっちゃって。やっぱレイヴカルチャー的なものにすごく影響受けていたから、みんなその場所を探していたし、いざドアを開けてみたら「あ、これ面白いじゃん」みたいなものをね、ワクワクするようなものを作りたかったし。俺の後輩経由で結婚式場の社長が「NOBUさんはライヴとかやってるみたいだし、ここでもパーティーできるんじゃないの?」って。箱代も安かったし。
(Y)なんか、パーティーって今までクラブしか行った事無かったし、結婚式場のイメージって着くまで沸かなかったんですよ。中に入ったら建物の中暗くてああいう音がかかって、でもウェディングドレスとタキシード着た夫婦の写真とか普通に壁に飾ったままじゃないですか(笑)
(NOBU)ああいう場所って今ホントにないよねー。ああいうとこでまたやりたいって思うし。TAM(注3)とかもそうだしさー。あれはあれで凄かっなって思うもん。
(Y)あれってまた次のステップの頃ですよね。
(NOBU)TAMでやる頃って完成されてからだったね。
(Y)あそこも口コミである程度人が集まる状況でやってたと思うんですけど、フロアはいつもどおり真っ暗でストロボ一個でブースしか明りが無いような。お客さんのノリもヤバかったですよね。
(NOBU)異常だよね。
(Y)あの回りの環境も含めてゲットーだなって、よく例えられると思うんですけどね。
(NOBU)ああいう場所欲しいよね。夏とかにそういうのやりたいし。やっぱ変な場所でやるっていうことに快感を覚えるからね。
(Y)ははは(笑) バロウズも今思うと変でしたね、今思うと雰囲気が。FTとは別で木曜、帯でやってたじゃないですか。
(NOBU)あの時とかも面白かったもんね、一緒にやったりして。でも結局みんな平日遊ばなくなっちゃったからさー。まぁ仕事も大変だし、今3時間だけ寝て肉体労働とかキツイじゃん。で、今後はスタジオでやろうかなって。
(Y)どっか場所あるんですか?
(NOBU)周りが借りてるスタジオがあるんだけど、まぁパーティーを平日やろうかなって。音も出せるし。
(Y)プライベートで身内な感じですか?
(NOBU)うん、来られるやつは来るって感じで。うちから歩いて10分くらいなんだよね、そこ。まったく苦情こないし、そこカラオケボックスが潰れたとこだからさー、FTの感覚がそこには残ってる。
(Y)あーいいですね。
(NOBU)そういうような場所で音楽作ってるから。ageHaで今回のCDを宇川君に渡したときにさ「これコンテナ?コンテナ?」とか言ってすげー喜んで(笑)「そう、コンテナ、コンテナ」って(笑)コンテナから生まれた感じなんですよ。

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(Y)今そういえばあの廃ビル(注4)ってどうなってるんですか?
(NOBU)あーあれもう今完全に無い。
(Y)取り壊しになっちゃったんですか?
(NOBU)そう、もうまっさら。取り壊しでもう無いんだよね。
(Y)あそこもヤバかったですよね、おれ、あの時がFTの一度目のピークなんですよ。
(NOBU)そりゃそうだよ、俺もあれが(1度目の)ピーク!結婚式場と揉めて使えなくなっての一発目があそこでしょ。場所が無いって探して見つかったのがあそこだったから。
(Y)昼間ビルの中、みんなで掃除してましたよね。
(NOBU)うん、やってたね。
(Y)中に入るとでもまだ埃臭くて、壁とか剥き出しな感じでキャバレーか何かの鏡がそのままだったり。とにかく人も凄く多くて、でも換気も全然無くてタバコの火もまったくつかない状況で、しかも壁は水滴まみれで(笑)
(NOBU)今あんなとこでパーティーやったらヤバいよ、みんな風邪引いちゃうでしょ。
(Y)俺もヒドかったですよ、翌日。
(NOBU)ヒドかったよ、鼻の穴とかみんな真っ黒だったし(笑)風邪引いたりもしてたりしたし。今だったらみんなもっといいとこでやろうよっていう事になっちゃうと思うけど。
(Y)フロアの上の階にはよくわかんない部屋があって、ぶっ倒れてるヤツとかもいて。あの建物(周りは民家)音漏れも凄かったし。
(NOBU)明け方警察来ちゃったしね。ユニオンぐらいまで音が行ってたからね、アレはヒドいよね。バロウズの最後の時もさー、ストラグルのライヴ始まって音の漏れが凄かったもん、凄すぎた。
(Y)千葉で働く前って都内のパーティーで遊ぶことが多くて、割とみんなおとなしく踊ってるようなのしか知らなかったら。アレを味わっちゃったから「コレはヤバい」って。
その後、話が脱線。飲み屋。ご当地ウマいもの、ラッキーピエロの話とか・・・
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(Y)だいぶ話が脱線しちゃいましたね(笑)話を戻しましょう。じゃあ、今回のCDの音源になっているレーベルMoods & Groovesを主催しているマイク・グラントを呼んだきっかけとか聞かせてくれますか?
(NOBU)MOVEMENTであいつが会場をウロウロしながらフライヤー配ってて。
(Y) へぇー会場で会ったんですか。
(NOBU)なんか知んないけど「俺のパーティー来いよ」って誘ってくれて。話して仲良くなって、実際行ったらDJも凄かったし。当時の感覚でいうとああいういいレーベルって無かったし。
(Y)じゃあそれで千葉に呼ぼうってなったんですか?
(NOBU)そう、ちょうどもMoodsのレーベル発足の5周年のタイミングで。
(Y)その時はTAMでしたね。
(NOBU)次につながったしね。でも今そういう手ごろな人がいないんだよね。
(Y)ギャラが高いとか?もし関係なかったら呼びたい人いますか?
(NOBU)FTだったら?Thomas Fehlmanは最近異常にハマってるんだよなー、あの音世界はやっぱり凄いじゃん、天才だよね。女の子とかに聴いて欲しいよね、もし聴いてたらセンスもいいなって思うし。あとHenrick Schwarzも呼びたい時期があったね、流れちゃったけど。
(Y)いいですね、その辺りも。
(NOBU)あと他いるかなー、最近外タレの聴いてショックを受けるようなのに出会ってないからなー。あ、そういえば横浜で呼んでた、あれ凄かったらしいじゃん。あれ誰だっけ、Bill(Hardy)が来られない変わりに来てた。
(Y)あ、Jamieですね。
(NOBU)行った?
(Y)行きましたよ。
(NOBU)何かけてたの?
(Y)基本的にはディスコ、クラシックス。少しだけシカゴハウスはさむ位で。全体的に安定感ありましたね。
(NOBU)聴きたかったんだよね。
(Y)あそこのロケーションも面白いですよね、千葉に近いなって。
(NOBU)そうそうそう。
(Y)そういえばJamieとかその辺のつながりでRahaanっていうのがいるんですけど。
(NOBU)おぉーRahaan大好き。
(Y)あいつ無茶苦茶ヤバいんですよ、シカゴ行った時に会ってパーティも行ってきたんですけど、住人がいないアパートみたいなとこにシステム持ち込んで、ヤバい状態の黒人ばっか集まってて。超ゲットーな感じで。
(NOBU)あの感覚いいよね。
(Y)いい意味で荒くて男っぽいですよね。
(NOBU)でさー、きっちりあのゾーンに持っていくじゃん。
(Y) 千葉に合いますよねーあの音は。そうそう、Rahaanの話を浅沼さんにしたことがあって、ちょうどTheoのインタビュー終えて帰ってきた頃で。「Theo周辺もRahaanの話をしてましたよ」って。シカゴとデトロイトって街は違ってもやっぱりそういう話になるんだなって。
(NOBU)俺が一番困るのはRahaanにしてもVillalobosにしてもさー、「感覚」として聴いているとこは一緒なわけじゃん。
(Y)いっしょですね、「何か」があるか無いか、なんですよね。
(NOBU)それをさーうまく表現したいよね。
(Y)仮にネットで聴けるミックスだけでも「わかってるなー」て伝わりますよね。ああいう人の音を体験するとことで音の価値って変わりますよ。
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(Y)今回のMIX-CDにあたって、選曲の基準って何だったんですか?
(NOBU)それは単純に自分でいじりやすい音。
(Y)エディットを前提に選んだんですか?
(NOBU)最初はしなくって、ただミックスを作ったんだけど全然良くなくって。それでエディットをはじめて。
(Y)エディットの方法って、エデットを先にするんですか?それともミックスしたものをエディットするんですか?
(NOBU)先に曲をエディットしてつなげていく感じ。聴いた?
(Y)聴きましたよ、仕事中に聴いても鳴りがヤバいなって、脳内に埋もれてる何かがシュワーって出てきましたし(笑)
(NOBU)はははは(笑)いい意味でMoodsの雰囲気が無くなっっちゃってると思うんだよね。
(Y)凄かったのが音の余韻とか。あれってわかってる人しか作れないなって。
(NOBU)あれは苦労するよ、普通につないで作っても面白くないもん。
(Y)作るときこだわった点とかあるんですか?
(NOBU)やっぱ、いかに俺らしさを出せるかって感じでしょ。ディープハウスのレーベルなんだけど、どれだけ自分の音に近づけるかってことじゃないかな。ダサいMIX-CDとか多いじゃん、こういう音をやる人っていないから使命感的なものはやっぱりあるよね。俺がやらないと誰もやらないじゃんって。それに、もしただのミックスだけして出したら俺を知っている人は誰も買わないと思うんだよね。
(Y)そうですね。
(NOBU)「感覚を楽しむ」ってデカい事だと思うんだよね、絶対に。そこを考えた結果、音を自分の感覚に近づけていいものができたし。自分がかっこいいって思えないと納得できないしリリースしたくないし。自分に嘘はつけないから。
(Y)楽しんでもらいポイントもその辺ですね。
(NOBU)そう、Omar-SとかM.Pittmanとか、ああいうデトロイトの感覚にした感じなんだよね、Moodsの音を使って自分の音にして。
(Y)“No Way Back”と雰囲気だいぶ違いますね、今回の。
(NOBU)あの時はだいぶ選曲的に譲歩した部分もあったんだけど、周りの人に聞くと誰もそんなこと思ってなかったみたいで。でもそれって大事だなって。
(Y)今回の方がドープですね。
(NOBU)“機能的”でしょ。
4/2 千葉にて。インタビュー Y=島田嘉孝
注1 SUBHEAD(PhilとJason)が主催していたUKのテクノレーベル。
注2 90年代後期に確立されていた音のスタイルのひとつ。Cristian VogelやJamie Lidellなど。
注3 ネオン煌く裏通りにあるレストランの名前。貸しきって1Fをバー、2Fをフロアに。Terrence Parker, Mike Grant, Luke Solomonもここでプレイ。結構広いのにいつもキャパシティーオーバー。
注4 ディスクユニオン千葉店から約20メートル先にあったビル。
(2008.4.8)
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