2026.01.01 ラテン・ブラジル・ワールドミュージック 特集・お知らせ

ディスクユニオンが選ぶ年間ベスト・アルバム大賞 2025 ASIA <新録>

※全ジャンルまとめはこちら!
※年末ぎりぎりまでアイテムを追加してまいります。

ASIA <新録>



[総評] 今年のディスクユニオンを彩ったアジアン・ミュージックは、ジャンル横断の豊かさと、ローカル・カルチャーの深みを再発見させるラインナップでした。一昔前のアジアン・ミュージックというと、"辺境音楽"とかそういったワードで強調されることも多かったですし、アジアというくくりが特別な意味を持っていましたが、今では単なるワールド枠を超え多様な文脈で再評価されてきていると思います。今年注目されたアーティスト・作品を取り上げると、その背景のひとつにアジアがあるアーティストも多数いた印象です。例えばモンゴル出身のENJIはミュンヘンに拠点を置いて活動しており、3作目のアルバムは自身のルーツからの脱却と伝統の再訪というテーマでした。現行サイケとの共鳴をみせたオランダのインドネシア系移民Nusatantra Beat、ネオ・モーラム・サイケを体現したタイのMakaraもここには入れていませんが今年を振り返るうえで語らないわけにはいかないです。またアフロ・ビートやラテン・ミュージックなどとの融合を図ったアメリカやカナダで活動する香港出身のGia Fuやタイ出身のSalinもかなり注目を集めました。ジャンルは幅広いですが、その中で自身のルーツを探求したアルバムを中心に今回は選ばさせていただきました。



[一言]一味去年とは違うのは、今年のベスト10に選ばさせてもらったタイトルのほとんどはどれも直接お話をして仕入れさせていただいたものという点。その中でうまくいかなかったもの、実現しなかったものももちろんありましたが、それでもこのだけの作品を取りそろえることができました。そしてその結果、多くの感謝の声をいただけたのはバイヤー冥利に尽きる限りです。来年もまた皆様にわくわくしてもらえるような作品を取り揃えていきたいと思います。[ラテン・ワールドWEB&通販担当 TT ]



▼TOP 10 ※順不同

〈各店のバイヤーズチョイスコメント〉


▼Top10 Album Asian Music 2025▼

■SALIN / サリン『RAMMANA』


タイをルーツに持つ打楽器奏者/作曲家、サリンによるこの1stフルアルバムは、間違いなく今年一の傑作!アフロビートのM2「Ma'at」から、スピリチュアルなジャズ「Painted Lady」など多彩な楽曲を収録していますが、基本的にはサリンのドラム/パーカッションを聴かせるような構成。アフロビートやイサーン音楽、ジャズなどあらゆる音楽の要素を包含していながらも、そのどれもが跳ね除け合うことなく絶妙に調和しています。当たり前のようだけど、当たり前じゃないです。 (池袋店:鈴木)

タイ出身ドラマーの傑作がリリース!アフロ・ビート、ファンク、ソウルにタイの伝統音楽の要素が交わり唯一無二な世界観を作り上げております。なんといってもグルーヴ感が最高!踊りたくなります!幅広い音楽ファンに聴いていただきたいです!!(池袋店:柴田)

去年、彼女の嬉しそうに演奏する映像を見た際、音源がフィジカルで出ていないのかと悲しんだのを覚えております。アフロビート特有のうねるグルーヴを完全に乗りこなし歌うようなドラミングをぜひ聴いて欲しいです。彼女のルーツであるタイ東北イサーン地方の伝統音楽をアフロビートに落とし込んだ心も踊る作品。大きな音で浴びたい!(中野店:黒須 遊)


■LEAH DOU / リア・ドウ『IN THE AIR / 空中飛人』

まるで、飛行機や空中ブランコに乗っているかのよう、アルバムを通しては大きな上昇下降、それぞれの楽曲では小さな心の上下運動を味わえて面白い!本作は、空中での浮遊感を通じて、地に足がつかない心の状態や人と人のつながりの脆さなどを暗示したコンセプチュアルな一作。アルバム全体に漂うのは、青と白、そして時折灰色に染まる空模様で、飛行機、雲、太陽、禿鷲といった空のモチーフが、楽曲ごとに異なる感情を醸し出しています。曲名も面白く、浮遊する心情、揺れる感覚、旋回、待機、落下、着地、そういった一瞬一瞬が、曲名と歌詞にも反映されている。一曲目「飛ぶよ」、二曲目「雲」をくぐって、三曲目「太陽が昇って」、5曲目「可哀そうな存在」では、飛行機などで飛び回り疲れ切った存在の心情(本人自身の心情)を描く、売れっ子になって忙しいリア・ドウの気分も味わえる、続く、雨が降った後の光が差し込むさまを歌った6曲目、そして、最後に「Lift Off」で再度未来に飛び立ち締めくくる。このような飛行機の上昇・下降という流れが全体ではありつつ、一曲一曲にも細かなブランコのような起伏があって、素敵で繊細な構成だなといつ聞いても感動します。 (商品部アジア担当:TT)


■JEON JIN HEE / チョン・ジンヒ『雨後 UUHU』

2023年作『Without Anyone Knowing』やソロピアノ曲集『Breathing』シリーズで日本国内でも注目を集めた韓国のピアニスト/SSW、Jeon Jin Hee。先日はディスクユニオン御茶ノ水店でもインストアライブを開催させていただきました。そんな彼女の2025年新作は、青葉市子も手掛けるアレンジャー、梅林太郎によるストリングスを添えた作品に。フォークアルバムといえる前作と比べると、本作はよりクラシカルな作品となりました。抑制のきいたミニマルなピアノのメロディは、坂本龍一のソロピアノ作品を彷彿とさせます。このアルバムをリリース後、彼女は何度かストリングス・セクションを交えたライブを行っていますが、もしそんなライブが日本でも実現したら...なんてことを考えてしまいますね。いつかそんな未来が来るように、ぜひ日本の音楽ファンの方々により広く聴かれていってほしいと思います。(池袋店:道産子)


■ENNO CHENG / 鄭宜農『MOON PHASES (圓缺)』

個人的今年ベストアルバム。台湾のSSW、Enno Chengの新作は月の満ち欠けをテーマに、人間関係の浮き沈みなどを描いた一作。アルバムコンセプトへの一貫性やこだわりを強く感じたため、即彼女にアポを取りインタビューを実施。もっと知られてもいい作品だと思う!(商品部アジア担当:TT)

■DISKORIA / ディスコリア『INTONESIA』

ついに来ましたDiskoriaのフルアルバム!アジア圏でも一番フィジカル化が望まれていたと思いますが、運よく取り扱うことができました。商品コメントにも書きましたがスタッフ一押しは「90年代の久保田麻琴ワークスによるMellyanaやSandiiのきらびやかさ」×「シーラ・マジッドの不朽の大名曲ことSinaran」を掛け合わせたかのようなハウス・チューン「Kilauan」。(商品部アジア担当:TT)


■PANTURAS / パントゥラス『ガルラ・トロピカリア』

今年のフジロックでは大型台風級の大活躍!!!!帯ラCDには解説が付属するのですが、長年インドネシアに在住しバンドともかかわりのある方による愛情たっぷりで素晴らしい解説&なんと本作参加アーティストからのコメントもついちゃいます!(商品部アジア担当:TT)


■WOO HUIJUN / ウ・ヒジュン『PUMPING OF HEART IS』

※まだ弊社では入荷していませんが、ベスト10から外すわけにはいくまいということで無理やり入れさせてください。

空中泥棒、イ・ラン、あたりのアヴァン・フォーク傑作と並んで聞いていただきたい!ベーシストとして活動していたWoo Hui Jun(Kim Oki Fucking MadnessやCadejoへのセッション参加や、Meaningful Stoneが参加したスペインでのショーケースKorean Spotlightにはベーシストとして参加するなど)、そんな経歴もありぶっといサウンドからアルバムは幕を開け、自然体のままに生々しい歌声を響かせる。アルバムは、diskunionでも紹介してきたような、オム(omm..)、イ・テフン(Cadejo)、キム・ナウン(元Parasol)といった凄腕インディーミュージシャンも参加している。各所で話題になっているがこれは間違いなく今年のコリアンインディを代表する一作。(商品部アジア担当:TT)



 ▼2025 Asian Music▼


■LES KHMERS / クマイルス『ラジオ・メコン』

やばすぎです。ぜひライヴを観ていただきたいですね。メンバーの皆様のたたずまい、演奏力……。いったい前世でどんな徳を積んだらこんな最高のバンドが組めるんだ!(吉祥寺店:山田)


■V.A. / 『MUSIC FROM THE MOUNTAIN PEOPLE OF VIETNAM』

ベトナム中部高原の音楽遺産。2003年から2023年にかけて音楽学者ヴィンチェンツォ・デッラ・ラッタが現地で行ったフィールド・レコーディング。比較的最近の録音ながらも、別の地域に住んでいた遠い昔の先祖から突然きれいな音声が送られてきた!みたいなえも言えぬ聴体験。本当に夢みたいな美しさです。(ラテン・ワールドWEB&通販担当:オバケ)


■TRANG / チャン『TRONG』

ギリギリ年末に入ってきたベトナムのSSWチャンによる新作、恥ずかしながら彼女の作品は今作から初めて聴きましたが凄く良い内容でした。弾き語り系のSSWかと思っていましたがジャズボーカル風の曲や、ボサノヴァ、サンバを取り入れた楽曲もありかなり多様な音楽性が取り入れられていてとても楽しめました。ブラジルの近年のSSWものを追っている方にもオススメです、(新宿ラテン・ブラジル・ワールド館:齋藤)


■SUMIN & SLOM / スミン & スロム『ミニシリーズ』

現行K-POPの様々なアーティストに楽曲提供やプロデュースで携わってきたスミンとスロムによるコラボ作がめでたく国内盤に!MVも制作された「THE GONLAN SONG」を筆頭にキャッチーなフレーズとミニマルで洗練されたサウンドの楽曲が多数収録されており、2020年と比較的近年にリリースされた作品ながらも既に韓国R&Bの傑作として高い評価を受けているようです。他にもゆらいでいるような不思議なビートが心地よい「MIRAGE」や、短いながらも前半と後半で曲調がガラッと変わる「TRAP」なども個人的に好きな曲です。10曲(国内盤はボーナストラック有)収録ながら一曲ごとが短く非常に聴きやすいのもいいです。(新宿ラテン・ブラジル・ワールド館:齋藤)


■MAKARA / マカラ『NGONG NGONG』

Lemme Seeの、『Top 10 Best Thai Albums of 2025』に選ばれていました。日本でのフリーセッションライブ良かったです。今作もベスト10に入れたかった・・・(商品部アジア担当:TT)


■LENA (VIETNAM) / レナ『LEMONADE』

MyMy、SooBin、ALI HOANG DUONGなど、今年はVietnam R&Bが個人的にアツかったです!本作は、マレーシア~中華圏で活躍するJoyce Chu四葉草/朱主愛を好きだった私にぶっ刺さる内容でした。こってこてのヲタを量産しそうな気しかしません。(商品部アジア担当:TT)


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