佐野元春のトリビュート・アルバム 30年の時を経て初のアナログレコードとしてリリース!
佐野元春のトリビュート・アルバム 30年の時を経て初のアナログレコードとしてリリース!

佐野元春のトリビュート・アルバム『BORDER - A Tribute to Motoharu Sano -』
30年の時を経て初のアナログ盤としてリリース!
1996年に発売された佐野元春のトリビュート・アルバム『BORDER - A Tribute to Motoharu Sano -』。佐野元春が1980年代以降に築き上げたロック/ポップスの革新性を、後続世代のアーティストたちがそれぞれの解釈で再構築するというコンセプトのもと制作された作品である。このアルバムが、1996年のリリースから30年の時を経て、初のアナログ盤としてリリースされる。
■アナログ盤リリースにあたって、佐野元春からのコメント
1996年、次世代のバンドが僕の歌に新しい風景を見せてくれた『BORDER』。30年の時を越え、アナログ盤として再び針が落ちることをうれしく思います。ぜひあの自由な響きを、今の耳で楽しんでください。
佐野元春
参加ミュージシャンは、ジャンルやスタイルの異なる多彩な10組。THE GROOVERS、川村かおり、GREAT3、HAL FROM APOLLO '69、Dr.StrangeLove、佐藤奈々子、b-flower、PLAGUES、Oh! penelope、HEATWAVEといった、世代という"BORDER"と、レーベルという"BORDER"を越えたアーティストが一堂に会した。
本作は佐野元春の古くからの盟友でもある佐藤奈々子のプロデュースによるもの。彼女がこのアルバムを企画したのは、「佐野が一貫して歌い続けてきた"美しい痛み"を、若いフォロワーたちへつなげたい」という使命感からだったという。佐藤奈々子は佐野元春の初期からの理解者であり、彼女が佐野につけたニックネーム"M. LION"は、アルバムのキャッチコピーにも使われている。
「虹の上しか歩いちゃいけない M.ライオンが教えてくれた」
これも彼女自身が書いた言葉だ。このキャッチコピーは、佐野元春の作品に通底する詩的感性と精神性を象徴するとともに、トリビュートという形式を超え、佐野の音楽世界への敬意と、その精神を次の世代へつなごうとする意志を示している。
佐野元春の作詞・作曲による楽曲に各アーティストが独自の編曲と解釈を施し、原曲の魅力を保ちながら新たな表情を引き出していることが、本作の大きな特徴だ。
THE GROOVERSによる「ニューエイジ」は、原曲の疾走感を骨太でラフなロックサウンドへと変換。川村かおりの「悲しきレイディオ」は、川村のエモーショナルなボーカルが楽曲の切なさを際立たせている。GREAT3の「サンチャイルドは僕の友達」は洗練されたギターポップとして構築され、HAL FROM APOLLO '69による「SUNDAY MORNING BLUE」は、エレクトリックな質感のアレンジによって新たな表情を加えている。また、Dr.StrangeLoveによる「ストレンジ・デイズ」は、バンドの持つオルタナティブな色彩が強く反映されたアレンジに。佐藤奈々子の「99ブルース」は、ブルースというジャンルにとらわれない、クールで都会的なセンスが光る。b-flowerの「約束の橋」は、叙情的なサウンドによって原曲が表現する希望と哀愁を繊細に浮かび上がらせ、PLAGUESの「空よりも高く」は、ギターサウンドによるアレンジで楽曲のスケール感をダイナミックに増幅させている。
そしてアルバムの流れを締めくくる終盤の2曲、「情けない週末」(Oh! penelope)と「君を連れてゆく」(HEATWAVE)。なかでもHEATWAVEによる「君を連れてゆく」は、9分を超えるアレンジで原曲の持つスピリットと旅情感を壮大に表現し、全10曲の掉尾を飾っている。
当時、佐野元春自身も『ハートランドからの手紙 #97』で本作について、他者による再解釈を歓迎しつつ、自身の音楽が新たな命を得ることへの喜びを語っていた。『BORDER』は単なるオマージュではなく、佐野元春の音楽が日本のロック/ポップスに与えた影響の広がりを可視化するとともに、彼の創作がいかに多くのアーティストにとって指針となってきたかを示す貴重な記録でもあった。
作品のリリースから30年。元号や流行のみならず、音楽を聴く環境も大きく変わった2026年に、改めてアナログ盤で『BORDER』に触れ、佐野元春の楽曲が持つ、時代やジャンルを越えて響く普遍性と強固な世界観を堪能してほしい。
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