ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーふたりによるヴィオラとサンプラーの極上エクスペリメンタル
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のAJ NillesとTom Schneiderのふたりによるヴィオラとサンプラーによるエクスペリメンタル・ミュージックの対話。意図的に限定されたシンプルな作曲方法から生まれる簡潔さと、シンプルが故の難解さを併せ持つ問題作。
ふたりの音楽家が、作曲・即興・解釈という従来の区分を曖昧にしていくプロセスを追求した作品。
AJ Nillesの演奏する絶えず変容していくヴィオラの弓が弦をこする質感と、サンプラーのエレクトロニクスを伴奏や対照的な要素として扱うのではなく、Schneiderはアコースティックな演奏の内奥へと入り込むための手段としてサンプラーを操る。
器楽の伝統と電子音楽が、対立する概念として機能することをやめた場所に存在している。両者はむしろ、ひとつの音楽的思考が異なる形で現れたものとなる。音を完成された物体としてではなく、音の身振りが消え去った後もなお、その可能性を広げ続ける、生きた素材として捉える。
卓越した技巧でもテクノロジーの革新性でもなく、ふたりの深い音楽的融合を見事に収めた作品であり、レフトフィールドのある種の極致ともいえる一作。
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