MOZART: OPERA ARIAS (SACD) / モーツァルト: オペラ・アリア集 (SACD)

LUCIA POPP ルチア・ポップ

限定生産 / SACDハイブリッド

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4,000円(税込)

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レーベル
エソテリック (ESOTERIC)
国(Country)
JPN
フォーマット
SACD
規格番号
ESSW90278
通販番号
1008673744
発売日
2023年06月18日
EAN
4907034224920

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商品詳細情報

エソテリック特約店のみの限定販売
限定生産 / SACDハイブリッド
※入荷数には限りがあります。
※当アルバムの公式発売日は2023年6月17日(土)ですが、WEBからの発送は入荷日以降となります。
※制作元完売の際は何卒ご容赦ください。

これぞモーツァルト・オペラ・アリアの理想郷

瑞々しく、気品溢れるルチア・ポップの全盛期を刻んだ名盤、

初Super Audio CDハイブリッド化。



■20世紀後半を代表するモーツァルト歌手ルチア・ポップ

20世紀はモーツァルト作品の復活の100年でもありました。ごく限られた人気作品のみが繰り返し取り上げられる状況から、伝記情報の整理、作品全集の整備・出版と普及によって、モーツァルトの全体像や多様な作品が大きくクローズアップされ、それに伴って演奏様式も変化してきました。モーツァルトに相応しい、感情を込めながらも古典的な規範に則った演奏が主流になり、特に第2次大戦以降は過剰なロマンティシズムを排した、よりクリーンな演奏が指向されるようになりました。オペラや声楽曲における歌唱もその傾向を反映し、恣意的な表現に流されず歌のフォルムを明確に保った歌手が台頭してきました。1963年にデビューしたルチア・ポップ(1939.11.12~1993.11.16)は、文字通りこうした戦後世代を代表するソプラノ歌手で、20世紀後半のモーツァルトのオペラ上演には欠かせない存在でした。

■コロラトゥーラからリリック・ソプラノへ深化していくポップ

スロヴァキアのブラティスラヴァ近郊に生まれ、当初はブラティスラヴァ・アカデミーで演劇を学んでいましたが、モリエールの戯曲「町人貴族」で歌う役で出演した際にその美声が注目され、本格的に声楽を学び始めました。1963年、24歳の時にブラティスラヴァ歌劇場での『魔笛』の「夜の女王」役でデビューを果たし、同年にウィーン国立歌劇場と契約し、それをきっかけに欧米各地の歌劇場やザルツブルク音楽祭をはじめとする各地の音楽祭へ次々と出演し、『後宮からの誘拐』ブロントヒェン、『仮面舞踏会』オスカル、『コジ・ファン・トゥッテ』デスピーナ、『魔弾の射手』エンヒェンなどを歌い、コロラトゥーラ・ソプラノとしてその名声を確立させました。録音面での活躍も鮮烈で、デビューの翌年の1964年に、クレンペラー指揮の『魔笛』全曲盤録音(EMI)に「夜の女王」役で抜擢され、さらにショルティ指揮で話題を蒔いていた『ニーベルングの指環』全曲の第3弾となった『神々の黄昏』の録音(デッカ)にもヴォークリンデ役で加わって、その実力を広くアピールすることになりました。1960年代後半からは持ち前の艶やかで深みと張りのある声、感情豊かで気品のある表情、多彩な表現力を高め、リリック・ソプラノ役にシフトしてさらにその本領を発揮し、『フィガロの結婚』スザンナ、『ドン・ジョヴァンニ』ツェルリーナ、『ばらの騎士』ゾフィー、『アラベラ』ズデンカ、『リゴレット』ジルダなどの当たり役を続々と手がけていきます。その中でもモーツァルトのオペラは常にポップのレパートリーの中心的な位置にあり、1970年代には同じ『魔笛』でも夜の女王ではなくパミーナを、『後宮からの誘拐』でもブロントヒェンではなくコンスタンツェを手掛けるようになっています 。

■モーツァルト歌手ルチア・ポップの精髄を刻んだ1枚

さらにポップは1980年代に入ると、さらにその声や表現力を成熟させ、陰影の濃い多感な表現を聴かせるようになり、『こうもり』ではロザリンデ、『ばらの騎士』では侯爵夫人、『アラベラ』では題名役を歌うようになり、きめ細やかなディクションはシューベルトからベルクに至るリートの分野でも高い評価を獲得していきます。1983年に録音された当アルバムは、まさにそうした時期の、60年代~70年代を通じて高めてきた表現力の巧みさと気品あふれる声の魅力が存分に盛り込まれ、文字通り全盛期にあったポップの魅力を堪能させてくれる1枚で、初期の『羊飼いの王様』から『皇帝ティトゥスの慈悲』までの7曲のオペラから10曲のアリアが収められています。このアルバムで興味深いのは、ポップが当時当たり役としていたスザンナやコンスタンツェ、イリア、ヴィテリアのアリアでベスト・フォームの演奏が聴けるだけでなく、ケルビーノ、ドンナ・アンナ、ドンナ・エルヴィーラといったポップが実際の舞台では歌わなかった役柄のアリアが含まれていることでしょう。また『フィガロの結婚』の伯爵夫人は、1980年代半ばからポップが歌い始める役で、その先ぶれともいえるこの録音でも表現力の著しい深化を味わうことができます。ポップによるモーツァルトのアリア集はコンサート・アリア集から抜粋したものや全曲盤からコンピレーションしたものもありますが、彼女はこのアリア集を録音してからちょうど10年後の1993年に脳腫瘍で54歳という若さで亡くなったため、オリジナルのアリア集はこの83年録音盤のみが残されることになりました。その意味でもこの20世紀に輝かしい足跡を残したモーツァルト歌手ポップのエッセンスが盛り込まれた実に貴重なアルバムといえるでしょう。

■実に伸びやかに、艶っぽく響くポップの美声

録音はミュンヘンのバイエルン放送局の録音スタジオ1で行われました。1963年、ミュンヘン中央駅のそばにあるバイエルン放送局内に設けられたこのスタジオは、同放送局内にある3つのスタジオのうち最大のもので、3管編成のオーケストラや独唱・合唱を伴う歌劇・声楽曲の録音も可能な箱型の空間。バイエルン放送に所属するミュンヘン放送管弦楽団の録音制作はもっぱらここで行われていました(300名弱の客席を設けるとコンサート会場としても使用可能で、客を入れての公開放送・録音も頻繁に開催されています)。スタジオであるにもかかわらず、空間の容積が大きいこともあって豊かな残響があることでも知られ、このアルバムでもポップの美声が実に伸びやかに、艶っぽく響くさまが捉えられています。ドイツEMIエレクトローラとバイエルン放送の共同制作で、そのためプロデューサーの一人テオドール・ホルツィンガーとエンジニアのハンス・シュミットはバイエルン放送のスタッフが担っています。もう一人 のプロデューサー、ゲルト・ベルクとディレクターのクリストフリード ・ビッケンバッハはドイツEMIエレクトローラのスタッフで、特にベルクは1960年代から1990年代にかけてさまざまなクラシック録音をプロデュースした名プロデューサーでした。

発売以来今回が初めてのSuper Audio CD ハイブリッド化となります。Super Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。特にDSDマスタリングにあたっては、「Esoteric Mastering」を使用。入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。

(エソテリック株式会社)



【収録内容】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

オペラ・アリア集

歌劇《羊飼いの王様》 Il re pastore KV 208 から
[1] 彼女を愛そう、生涯変わらずに(第2幕、アミンタ)

歌劇《フィガロの結婚》 Le nozze di Figaro KV 492から
[2] 恋とはどんなものかしら(第2幕、ケルビーノ)
[3] とうとう嬉しい時が来た―早くおいで、美しい喜びよ(第4幕、スザンナ)
[4] 愛の神よ照覧あれ(第2幕、伯爵夫人)

歌劇《後宮からの逃走》 Le nozze di Figaro KV 492から
[5] 深い悲しみに―悲しみは私の運命となる(第2幕、コンスタンツェ)

歌劇《イドメネオ》 Idomeneo KV 366から
[6] 慣れ親しんだ孤独よ―そよ吹く風(第3幕、イリア)

歌劇《ドン・ジョヴァンニ》Don Giovanni KV 527から
[7] 何というふしだらな―あの恩知らずは約束を破って(第2幕、ドンナ・エルヴィーラ)
[8] いいえ違います―わたしはあなたのもの(第2幕、ドンナ・アンナ)

歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》 Cosi fan tutte KV 588から
[9] 岩のように動かずに(第1幕、フィオルディリージ)

歌劇《皇帝ティトゥスの慈悲》 La clemenza di Tito KV 621から
[10] もはや花も(第2幕、ヴィテリア)

【演奏者】
ルチア・ポップ(ソプラノ)
ミュンヘン放送管弦楽団
指揮: レナード・スラットキン

【録音】

1983年6月15日~19日、ミュンヘン、バイエルン放送局スタジオ/バイエルン放送局との共同制作


[初出]
 [LP]1C 067 1467871
 [CD]CDC 740192(1984年)
[日本盤初出]
 [LP]EAC 90200(1984年2月21日)CC38 3110(1984年4月21日)

[オリジナル・レコーディング]
 [レコーディング・プロデューサー]テオドール・ホルツィンガー、ゲルト・ベルク
 [レコーディング・ディレクター]クリストフリード・ビッケンバッハ
 [バランス・エンジニア]ハンス・シュミット

[Super Audio CDリマスタリング]
 [Super Audio CDリマスター]2023年3月 エソテリック・オーディオルーム、「Esoteric Mastering」システム
 [Super Audio CDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)
 [Super Audio CDリマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック株式会社)
 [テクニカル・マネージャー]加藤徹也(エソテリック株式会社)
 [解説]浅里公三、髙崎保男
 [企画・販売]エソテリック株式会社
 [企画・協力] 東京電化株式会社