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今最も良質で洗練されたブラジル音楽を奏でるデュオ、ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート。通算9作目となる最新作は、ブラジルを代表する作家ジョアン・ギマランイス・ホーザ(1908-1967)にオマージュを捧げた作品。
音楽と詩、サウンドと文学性をテーマにした作品作りは、彼らが以前より追求しているスタイル。過去の同趣の作品としては、ポルトガル語圏を代表する詩人フェルナンド・ペソア(1888-1935)からインスパイアされたアルバム「ドイス・エン・ペソア」のヒットも記憶に新しいところ。ジョアン・ジルベルトの系譜に位置する端正なMPBサウンドに加え、ブラジルの国民的歌手マリア・ヒタのサウンドの代名詞といえるピアニスト&ベーシスト、チアゴ・コスタにシルヴィーニョ・マズッカが全面参加して、二人の音楽性に新たな風景がもたらされている点にも注目。ブラジル音楽史に、また一つエバーグリーンが登場した。
RENATO MOTHA E PATRICIA LOBATO / ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート