2,305円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
サンバ・カリオカの礎を築き、早逝の伝説的作曲家ノエル・ホーザ(1910-1937)。2010年に、ノエルの生誕100周年を記念した、プロジェクト/コンパイルがリリースされたが、その真打ともいうべき素晴らしい1枚が登場。イヴァン・リンス、ジョイス、ゼリア・ダンカン、パウリーニョ・モスカ、ジョルジ・ヴェルシーロ、イザベラ・タヴィアーニの6人が、本作のために新録音カバーを披露。その名も、「ノエル・ホーザ:ヴィラ大学」である。
プロデューサーであるクレメンチ・マガリャエスは、現役最高のシンガーを集めて、ノエル・ホーザの名曲を録り下ろしたオマージュ・アルバムの制作を企画。2010年8月-9月に渡る計5日を擁し敢行されたレコーディングには、その意図に共感した6名のトップ・シンガーが参加し、それぞれ2曲ずつの収録という計12曲のスペシャル・コンテンツとなっている。
まずは女性陣。ソロ・アルバムでも独特の存在感を示す♀voイザベラ・タヴィアーニは、冒頭の「Palpite Infeliz」、そしてM5「Ultimo Desejo」を披露。特にM5では、かつてノエルの楽曲を取り上げたマリア・ベターニアを想起させる情感を込めた歌唱が印象深い。インパクトの強い低声♀vo.ゼリア・ダンカンは酒場での会話を綴った佳曲「Conversa de Botequim」、そして「Três Apitos」をシックに歌い上げている。もう一人の♀vo.は、ご存知ジョイス(モレーノ)。ノエルの代表曲「Feitiço da Vila」のカバーは感激必至のトラックだ。
そして男性アーティスト陣。MPBシーンを代表するトップ・シンガーとなったジョルジ・ヴェルシーロは、自信のシンガーとしてのバックグラウンドにも大きく作用したノエルの名旋律を披露。ポップな一面を抑制し、その天性の歌唱力で挑んだ名曲「Feitio de Oração」は白眉。叙情派のカリスマ・パウリーニョ・モスカは、佳曲「As Pastorinhas」、「Pierrô Apaixonado」をじっくり聞かせてくれる。そしてトリは、もちろんイヴァン・リンス。自身がノエルのカバー曲のみで綴った大ベストセラー・シリーズ「VIVA NOEL」から十余年。ノエルへの変わらぬ愛情が込められた貫禄の2曲は、傑作「Com Que Roupa? 」と、サンバ・カバーでも知られる「Onde Está a Honestidade? 」でラストを飾る。
6人6様に表現されたノエル・ホーザの愛すべきレパートリー。その功績が改めて浮き彫りになると同時に、MPBアーティストの心に、その存在が今もなおしっかりと宿っていることを窺い知ることができる。すべてのブラジル音楽ファン必携のプロジェクト・アルバムとして永遠の価値を持つ逸品だ。
V.A. (NOEL ROSA)