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★先日初来日し、東京交響楽団とブラームスの交響曲第1番やベートーヴェンの「皇帝」(スティーヴン・ハフ独奏)で日本デビューを果したマクシム・エメリャニチェフ。クルレンツィスのムジカエテルナの通奏低音奏者として、モーツァルトのダ・ポンテ・オペラ三部作録音で驚くべき才気を発揮して注目されました。しかし彼はモスクワ音楽院指揮科でロジェストヴェンスキーに師事、さらにクルレンツィスのもとで研鑽を重ねるなど、現在最高の訓練を受けたサラブレッド。イタリアのイル・ポモドーロを指揮し、イタリア・バロックの声楽作品などのディスクもリリースしていますが、今回は古典派、ロマン派のドイツ作品に挑戦しました。 ★ニジニ・ノヴゴロド交響楽団は、ロジェストヴェンスキーがモスクワで演奏を禁じられたシュニトケ作品を初演したり、ロストロポーヴィチが指揮者デビューしたことで知られる優秀団体。今回エメリャニチェフは、フル編成ではなく室内管弦楽団まで刈り込んで録音に臨みました。 ★彼はオーケストラの音響効果に非常な興味を持ち、客席でどう聴こえるか細心の注意を払って楽器を配置し、その微妙な向きまでこだわるオーディオ・マニアの一面もあります。単に音響のみならず、初演当時のオーケストラの編成まで丹念に調べ、当録音でも弦楽器をそれに則した数にしたとのこと。 ★まず驚かされるのはテンポの速さ。それが全く自然で推進力と生命力となっています。また小編成ながら音量も造形も大きく、まさに「21世紀のムラヴィンスキー」登場かと興奮させられます。クルレンツィスに勝るとも劣らぬ才能の発見と申せましょう。 (資料提供:キングインターナショナル) 【収録内容】 [1]ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」 [2]ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲Op.56a【演奏者】マクシム・エメリャニチェフ(指揮) ニジニ・ノヴゴロド・ソロイスツ室内管弦楽団,録音:2017年9月/ニジニ・ノヴゴロド
MAXIM EMELYANYCHEV / マクシム・エメリャニチェフ
ロシアのピアニスト、チェンバロ奏者、指揮者