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DISK UNION JAZZ ULTIMATE COLLECTION 2006
★★★ちっちゃな個人経営のレーベルから★★★
DOUBT MUSICってレーベルをご存知ですか？個人経営のちっちゃなレーベルです。このレーベルがなんだかいいんです。「なんだか」のなかに大切なものがつまってそうで。資本に関わって生きていくうえでの最低限の節だとか筋だとか。懐疑心と信頼感の間を揺れ動くような心持ちだとか。人間的な暖かみや屈託があるんです。こんなレーベルが届けてくれたアルタードステーツの新作です。つまらないわけがありません。心地の良い自己陶酔より、不器用な緊張感や強い自覚を選ぶ良質なハードボイルド小説をおもわせる内容になっています。「強くなければ生きていけない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」なんていったチャンドラーのあれです。もちろんこの人達、この周りにいる人達、音楽に深入りした世間一般にはたぶん褒められたとこのない普通のおっさん達だろうな、とは思います。でもやっぱりかっこいい!!

カッコいいです。音が色っぽいです。様々な音楽体験の記憶がぎっしりとつまった魅力的な一枚です。１曲目の芳垣さんのトランペットの音色にまずまいってしまいます。この人のトランペットの音は本当に魅力的です。ジャズが好きな方にはぜひ一度は触れていただきたい音です。もちろん本職のドラムも凄いのひとこと。内橋さんのギターの音色もブルース感覚にあふれたもので、ユーモアと色気に、惹かれてしまいます。ナスノミツルさんの柔らかなベース音がしっかりと土台をかため、緊張感と親しみのある世界観が１枚通して広がります。


内橋和久(g),ナスノミツル(b),芳垣安洋(ds,perc,tp)

お茶の水ジャズ館 堀川朋行