レイト60Sの激レア盤ダブル・サイダー"(VISION IN A) PLASTER SKY / TOYMAKER"で知られるUKポップ・サイケきってのオブスキュア・バンドWILD SILK。68年初頭にSHEL TALMY PRODUCTIONSと契約、以降UKではWILD SILK名義で3枚のシングルをリリース、USではBASIL名義でもう一枚、さらには70年代に入りCOTTON SOCKS名義でもKINKSカヴァーのシングル・リリースを残したロンドン北部ルートンのカルテット/クインテットですが、71年にはもうひとつの名義LITTLE BIG HORNを駆使してドイツのBELLAPHONにアート・ロックな激レア名品を残していました。
「リトルビッグホーンの戦い」から取ったバンド名や星条旗はためくアートワークそのままに、FACES/初期HUMBLE PIE等の流れを汲みながら米国カントリー/スワンプ・ロックの影響も反映しつつ、英国らしいボトムの効いたビートと骨太なサウンドを披露。BRINSLEY SCHWARZやHELP YOURSELF等にも通じる英国的なイナタさを全編で発揮しつつも、"I WISH I HAD THE WORDS"、"ANYTHING THAT TURNS YOU ON"等でのジャム的アンサンブルの妙などMANにも通じる演奏力やセンスが魅力的なアンダーグラウンド・ロックを展開。同時期にこちらもドイツで評価された英国アングラ・バンドSTEEL MILLやこちらもオランダ/ドイツからのリリースで知られる英ブルース/ハードCRAZY MABELらにも通じる、マニアックながらもブリティッシュ・ロック・ファンには堪らない味を発揮した快作です。