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カルー・コエーリョ。ギンガの遺伝子を受け継ぐ才能溢れる女流作曲家ギタリストが、最高のメンバーと作り上げた美しきジャズ・ブラジレイロ新作。
カルー・コエーリョは リオのカンポス・ドス・ゴイタカーゼス生まれのギタリスト作曲家。劇場のディレクターをつとめる母、教授をつとめる父のもと、幼い頃から音楽に接しギターを習得したという。リオデジャネイロ連邦大学に入学、現在では同大学で様々なコーディネートを行うなど、ブラジルの音楽文化に貢献している。リオの音楽シーンに深いかかわりを持つ彼女は、これまでにも新世代作曲家たちを中心に楽曲提供や共作を行ってきたが、彼女名義でリリースするCDはこれが初となる。
ギンガ、フィロー・マシャードといった先駆者に加え、マウロ・アギアール、ホドリゴ・メスキータといった次世代を代表する作曲家たち、さらにはニコラス・クラシッキ、ペドロ・モラエス、マルセロ・カルディ、フイ・アルヴィンなど名手をゲストに、そしてリオの音楽シーンに欠かせないジャズ楽団=エンリキ・バンドをアレンジに迎えて、満を持してのリリースとなった。ジャズ・サンバを中心に、フォックス・トロット、ヴァルサ、バイアォン、ミロンガなど多様なリズムをベース/ミックスした楽曲に、ギンガの影響を色濃く感じさせる巧みなアレンジ・ワークがどの曲も冴えに冴えている。
https://soundcloud.com/kalucoelho
なんといってもカルーが用意したキャンバスを自在に彩るエンリキ・バンドの巧みなホーン&リズム・アレンジが見事な#1,#3などが序盤の聴きどころ。フイ・アルヴィン(cl)、ルイス・バルセロス(bamdolin)、マルセロ・カルヂ(accordion)と綴るメロウなショーロ#2では自身のヴォーカルも披露。ペドロ・モライス(vo)との#4ではボサノヴァ以前に流行したスタイルであるフォックスを採用。ミュート・トランペットも用いつつ、古き良きブラジル音楽を再現している。ギンガ直系の美しくもロマンチシズムにあふれたハーモニーが見事なヴァルサ#5は、巧みな管・弦オケ・アレンジが聴き所。ブラジル音楽の真髄のひとつであり、現在の世界的潮流である「アンサンブル志向」とシンクロさせて聴いてみても実に興味深い。
バイアォン+ジャズな#6はニコラス・クラシッキ(violin)がゲスト。メロディ・ラインといいエグベルト・ジスモンチの"ロロ"を彷彿とさせる。同じギタリストであり時にはデュオとしても活動しているホドリゴ・メスキータとの共演#7はミロンガ、そして御大ギンガとのお互いを称えあうかのような共演#8は最大の聴きどころ。リズムとハーモニーにおいて類まれなる才能を発揮するフィロー・マシャードとのファンクネス溢れる#9は、すべての音楽ファンと共有したい素晴らしい演奏だ。高度な音楽性を持ちつつも全てのパートが活き活きと交歓するオープンな姿はブラジル音楽最良の形である。ジャズサンバ#10はラストを締めくくるに相応しい壮大なアンサンブル、そして楽曲である。
♀violao INST.+GUEST VOCAL
Feat. Filó Machado, Guinga, Rodrigo Mesquita, Nicholas Krassik, Pedro Moraes, Luis Barcelos, Marcelo Caldi, Rui Alvim
arr. Henrique Band
■ブラジル・インストゥルメンタル・ミュージック・ディスクガイド掲載品■
Mauro Aguiar やLili Araújo といった地道ながらも高い評価を得るアーティスト達と共作を重ねてきた女性ギタリスト/作曲家のデビュー作。ジャズ・サンバを中心に、フォックス・トロット、ヴァルサ、バイアォン、ミロンガなど多様なリズムをベース/ミックスした楽曲に、リオの音楽シーンに欠かせないHenrique Band を迎えた巧みなアレンジ・ワークがどの曲も冴えに冴えている。彼女が強い影響を受けたというGuinga 本人もゲスト参加しているが、それ以上に目立っているのがFiló Machado だろう。すぐに彼とわかるオリジナリティ溢れるハーモニーがアルバム全体に彩と活気を与えていてなんとも痛快。
(ディスクガイド・レビューより)
江利川侑介
KALU COELHO / カルー・コエーリョ