デューイ・レッドマンが1982年に残した、ECMにおける唯一のリーダー作。M6「DEWEY SQUARE」がチャーリー・パーカーの曲なのを除いて他は全てデューイのオリジナル曲。バップ風あり、バラードあり、ブルージーなものもありとバラエティに富んだ内容で、作曲面での高いポテンシャルもうかがわせます。ドラムに盟友エド・ブラックウェルを迎えてのワン・ホーン・カルテット作で、非常にストレートなジャズ・アルバムと言えるでしょう。オーネット・コールマンの『NEW YORK IS NOW』やキース・ジャレットのアメリカン・カルテット諸作から「正体不明の怪人」というようなイメージも強いデューイですが、このアルバムを聴けば彼がロマンチストでありメロディストであったことも実感できるでしょう。彼の明るくスケールの大きなトーンと、時に繊細で時に豪放なよく歌うフレージングはもっと多くのジャズファンに認められてしかるべき。まるでコルトレーンを思わせる美しい3拍子のバラードM2「LOVE IS」が素晴らしいです。
DEWEY REDMAN(ts), CHARLES EUBANKS(p), MARK HELIAS(b), ED BLACKWELL(ds)
