今回のテーマは、60年代ルーツ・サンバ復興から現在に至るまでに残されたサンバ佳曲を、豪華なゲスト・ミュージシャンを迎えてリメイクするという試み。バイーア出身のサンバ偉人ホッキ・フェレイラが作曲した"Oxossi"を、チェロの名手ジャキス・モレレンバウムと共演で聞かせるオープニングにはじまり、マリア・ヒタが名盤「SAMBA MEU」に収録したアルリンド・クルス作の名曲"O que é o amor"も素晴らしい。バーデン・パウエル&ヴィニシウス・ヂ・モラエスのコンビによる「アフロサンバ」の象徴的トラック"Samba da benção"(#13)を敬愛するベッチ・カルヴァーリョと快唱。#10ではバンドリン巧手アミルトン・ヂ・オランダをフィーチュア。他にもマリア・ベターニア(#6)、ゼカ・パゴヂーニョ(#8)とのコラボレート曲や、Nelson Rufino、Dungaなどサンバを培った歴史的作曲家の作品も取り上げた良曲満載。ラストは再びジャキス・モレレンバウムと、エスコーラ・ヂ・サンバの名門ポルテーラのバテリア(打楽器隊)が参加し、重厚かつ味わい深いサンバで幕を閉じる。
