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ヴィサージ結成前にスティーヴ・ストレンジがオーガナイズしたクラブ・パーティでは、ロキシー・ミュージックやデヴィッド・ボウイなどがプレイされ、奇抜でゴージャスなファッションを身にまとったフューチャリストと呼ばれる若者達が集った。そこに、ヒューマン・リーグやゲイリー・ニューマンに代表されるエレクトロ・ポップ勢が大きな影響を与え誕生したのが、後に時代の徒花とも揶揄されたニュー・ロマンティックと呼ばれるムーヴメントだ。やがてストレンジは、ニュー・ロマンティックにお似合いの音楽を模索し、グラム・ファッションとエレポップを融合したニュー・ロマンティック・ユニットを結成、Visial (ヴィジュアル) + Age (エイジ) = ヴィサージと命名する。
以前からストレンジと知り合いであった、ミッジ・ユーロ、リチャード・バージェス (ウルトラヴォックス…etc) が参加、シングルや12インチを発表した後、ニュー・ロマンティックのアンセム 「フェイド・トゥ・グレイ」 を含むデビュー・アルバム 『ヴィサージ』 (81年) をリリース。意味の無い歌詞をポップなメロディに乗せエレガントかつ耽美的なアレンジを施した、N.W. 史にひっそりと輝くエレクトロ・ファンク・アルバムが誕生した。ストレンジがボディ・ペイントで登場するプロモーション・ビデオの奇抜さなども手伝い、ニュー・ロマンティックの生みの親として華麗なデビューを果たしている。
さて、本作 『ジ・アンヴィル』 はファースト・アルバムの翌年、82年にリリースされたセカンド・アルバムである。ファースト・アルバム 『ヴィサージ』 とはうって変わり、モノ・トーンのジャケットが印象的。 アルバムの1曲目を飾るのは、ヴィサージを代表する… 否、エレクトロ・ポップを代表する名曲 ‘Damned Don't Cry’。内省的な歌詞が淋しげな雰囲気をかもし出す金字塔的作品で、淡々としたピアノと印象的なベース・ラインはどこまでも切ない。オリジナルLP通りノ ン・ストップ・ミックス調に繋げられ、硬派なベース・ラインとタイトなリズムがクール極まりない ‘Anvil (Night Club School)
’ ‘Move Up
’ へと続く。 以降もモノ・トーンの作品が続くが、ファンキーな ‘Night Train
’、ヴィサージ流ジャングル・ビート (?) ‘Wild Life
’、チル・アウト調な ‘Whispers
’ など、多彩なアレンジが魅力的。
次回作品でアシッド・ハウスを先取りするなど、アルバム毎でクラブ・ミュージックへの先見の目を披露するスティーヴ・ストレンジであるが、それ以降目立った活動が無いのが淋しい。
ボーナス・トラックには色色なダンス・ミックスを収録。ヴィサージのファーストEP ‘Tar’ とカップリング収録されていた ‘Frequency 7 [Dance Mix / Bonus Track]’ のダンス・ミックスを収録。メタル・パーカッション風 (?) が飛び出すアグレッシヴなアレンジはあっぱれ。あ、もちろん ‘Damned Don't Cry [Dance Mix / Bonus Track]
’ のダンス・ミックスも絶品だけど、曲長をちょっとだけ伸ばしたいわゆるエクステンデッド・ミックス。やっぱ、泣いちゃいますね。
VISAGE / ヴィサージ