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宇波拓の使う楽器は色々ある。ギター、バンジョー、さらにはウィーンの伝統楽器コントラ・ギター…、弦楽器を中心にその興味はつきないようだ。コンピューターの使用もその一つに数えられる。ところが、このコンピューターの使用方法が実にひねくれている。コンピューターにはスピーカーが接続されているが、これからは可聴できる音が聞こえてこない。宇波はこのスピーカーのコーン紙の上にいろいろなオブジェを乗せ、スピーカーを振動させることにより発せられる、オブジェの振動音を演奏に用いる。なんたる原始的な響き!! 例えば、ザビエール・シャルルも演奏に振動音を用いるが、その響きはシリアスでゾクゾクするカッコ良さがある。ところが宇波はいささかコミカルだ。「ポコ」 とか「チン!」 とか…。漫画的だと思う。しかし、これが深い沈黙に放たれると未知なる恐怖へのアイコンと変貌する。せまり来る何か…、正体のわからぬモノへの恐怖…。この作品でも、宇波の得たいの知れない「何か」 をあちらこちらで感じることが出来ると思う。
大推薦盤!!
ロック営業部 松原
TAKU UNAMI / 宇波拓