【山中明氏のコメント掲載!】《Jersika Records》からラトビア・ジャズの歴史的発掘音源3タイトルが発売!

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2024.07.25

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ソ連の音楽シーンに精通している山中明氏(『ソ連ファンク』の著者)による、推奨コメント!!!




※ソ連の音楽シーンは、ロシアを中心に、エストニア、ラトビア、リトアニア、ウクライナ等の西部(北ヨーロッパ~東欧)、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア等の南西部(南コーカサス)、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスの南部(中央アジア)、そしてソ連と密接な関係にあったモンゴル人民共和国と、大まかに分けることができる。


JERSIKA RECORDS

〇ラトビアの音源の貴重性、稀少性
エストニア、リトアニアと共に、バルト三国の一角として北ヨーロッパに位置するラトビア。
さかのぼること1940年、その後50年の長きに渡りソビエト連邦の占領下に置かれることとなるラトビアは、国家による音楽の統制という苦難の時代を経験している。
第2次世界大戦後のスターリン政権下においては、すべての音楽は検閲が行われ、特に自国で認可した音楽ではない西側諸国のジャズは、「退廃的音楽」とみなされ厳格に禁止されていた。
しかし、ラトビアの音楽シーンはそんな「鉄のカーテン」の外側も知っていた。フィンランドと隣接していたエストニアを中心に、バルト三国ではラジオの(違法)傍受等により、西側音楽と繋がる術を持っていたのである。
そうして醸成されたラトビアの音楽は、「統制」と「洗練」という二つの側面を兼ね備えており、広大な旧ソ連圏においてもとりわけ重要なシーンを築くこととなったのである。(山中明)


〇Jersika Recordsの作品のクオリティーの高さについて
2017年にラトビアの首都、リガにて設立されたJersika Recordsは、ジャズを専門的に取り扱う独立系のレコード・レーベル。自国ラトビアの音楽を世に広めるべく、新録から発掘音源まで多くの作品を手掛けてきたが、そのクオリティーには目を見張るものがある。
ラトビアTVスタジオのアーカイヴの歴史的発掘を始めとした、音源自体のクオリティーはもちろんのこと、その音質にも注目したい。リール・トゥ・リール録音とダイレクト・カットを用いた100%アナログ工程による制作を信条とし、フィジカルのリリースはレコードとテープのみに限定するという、強いこだわりもみせている。
また、装丁も非常に丁寧に仕上げられており、(アンテナの高い)レコード・コレクターから高い信頼を得ているのも納得のレーベルだろう。(山中明)




YURI VIKHAREV / Lost Latvian TV Studio Sessions 1967(LP)

Lost Latvian TV Studio Sessions 1967(LP)

YURI VIKHAREV

ラトビアTVスタジオのアーカイヴに残されていた、伝説的ジャズ・トリオの発掘音源集

JERSIKA / IMPORT / LP(レコード) / JRD005 / 1008870055 / 2024年07月25日

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ラトビアTVスタジオのアーカイヴに残されていた、伝説的ジャズ・トリオの発掘音源集。
1967年に録音された本音源は、ロシアのピアニスト兼ジャーナリストのYuri Vikharevと、ラトビアのダブルベース奏者のJuris Āķis、そしてドラマーのEinārs Raibaisのトリオによるプレイが収められている。
Juris ĀķisとEinārs Raibaisはラトビア・ジャズ・シーンの最重要人物の一人で、Yuri Vikharevはかの時代にジャーナリストを務め、アメリカの音楽誌「ダウン・ビート」の記事を書いていたことでも知られている。なお、その際の報酬はアメリカン・ジャズのレコード現物だったと、当時らしい逸話も残っている。
彼らの音源は今まで発表されることはなく、そのプレイ・スタイルは思い巡らすほかなかったが、本作によって初めてその一部が明るみになった。Miles Davis「So What」のカヴァーで幕を開ける本作には、類まれなるスキルによって紡がれる、美しくも猛々しいプレイが捉えられている。ラトビアン・ジャズの底知れぬ魅力をうかがい知るに足る、歴史的な一枚といえよう。(山中明)

RAIMONDS PAULS / Lost Latvian Radio Studio Sessions 1965/1966(LP)

Lost Latvian Radio Studio Sessions 1965/1966(LP)

RAIMONDS PAULS

非常に希少な1965~66年最初期発掘音源集

JERSIKA / IMPORT / LP(レコード) / JRA013 / 1008870057 / 2024年07月25日

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ここ日本でも「百万本のバラ」の作曲により名の知れた、ラトビアが誇る世界的コンポーザー、Raimonds Paulsの非常に希少な最初期発掘音源集。
貧しき労働者の家庭に生まれ育った彼は、父からの過度な期待を受け育ったが、そのたゆまぬ努力と類いまれなるスキルを手に、見る見るうちに頭角を現すこととなる。20才を迎える頃には自身のアンサンブルを率い、大きな人気を獲得。そして、1964年にLatvian Radio Light Music Orchestra(RLMO)のリーダーに就任し、さらなる音楽的進化を遂げている。
本作そんな彼の活動初期にあたる、1965~66年のピアノ・トリオ音源を収録している。当時レコードとして音源は残されておらず、今まで活動初期の音源の多くはベールに包まれていたが、今回オリジナル・マスター・テープの発掘により日の目を見ることとなった。


A面はカルテット編成、B面はトリオ編成となっており、Raimonds Paulsの美しいコンポージングをなぞるように、流麗で熟達したハードバップの名演が堪能できる。中でもテナーの名手、Alexander Pischikovのプレイはとりわけ素晴らしく、紛うことなきラトビアン・ジャズの歴史的発掘音源といえるであろう。(山中明)

2R + 2B / Live At The Tbilisi Jazz Festival 1978(LP)

Live At The Tbilisi Jazz Festival 1978(LP)

2R + 2B

1978年ジョージアの首都トビリシにて開催された歴史的ジャズ・フェスティバルでの発掘音源

JERSIKA / IMPORT / LP(レコード) / JRA026 / 1008870056 / 2024年07月25日

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Vagif Mustafa Zadehを筆頭に数多くの名演が披露された、ジョージアの首都トビリシにて開催された歴史的ジャズ・フェスティバル「TBILISI-78」。それらのライヴ音源は1980年にレコードとして残されたが、伝説的カルテット「2R+2B」の名演は埋もれたままとなっていた。
2R+2BはRaimonds Paulsと共にLatvian TV And Radio Variety Orchestraに参加し、10年に渡り指揮者を勤め上げたトランペッター兼コンポーザーのGunārs Rozenbergs、ラトビアを代表するサックス奏者のRaimonds Raubiško、そして、Raimonds Pauls率いるグループ「Modo」を支えた鉄壁のリズム隊、ドラマーのVladimirs BoldirevsとベーシストのBoriss Bannihsからなるカルテットで、それぞれの頭文字を取ったものだ。
今回発掘された音源には、フリー・ジャズの要素を取り入れたビ・バップの名演の数々が収められている。そして、本音源を耳にして実感することは、「鉄のカーテン」の内側において、かくも刺激的で先進的なジャズがプレイされていたという事実。
本作こそが、ラトビアのジャズ・マンたちのスキル、そして音楽性の高さを余すことなく捉えた歴史的発掘音源といえよう。(山中明)



山中明(ヤマナカ アキラ)
1979年生まれ。神奈川県出身。レコード・バイヤー&リサーチャー、ライター、漫画家。2003年より(株)ディスクユニオン所属。日本初のサイケデリック・ロック・ディスク・ガイド「PSYCHEDELIC MOODS ‐ Young Persons Guide To Psychedelic Music USA/CANADA Edition」編著。レコード文化の発展に寄与すべく、各種媒体にてコラムや漫画等執筆中。

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