ディスクユニオンが選ぶ年間ベスト・アルバム大賞 2021 BRASIL JAZZ/INST部門 <新録>
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BRASIL JAZZ/INST部門 <新録>
[総評]
当社のセールス+独断・偏見・商魂でセレクト! 一位は文句なしでアフロシンフォニカ。久々にブラジルらしい作品をリリースできましたが、ディスクユニオンのみならず他のCDショップでも大好評でした。次点は DOWNBEAT 誌でも高評価を獲得したアマーロ・フレイタス、そして革新性という意味では今年屈指のアントニオ・ネヴィスという FAR OUT からのリリースが続きました。日本人ミュージシャンたちと共に喜びあふれるパフォーマンスを披露したイチベレ、個人的に注目しているレーベル ROCINANTE からリリースされたマルセロ・ガルテールも甲乙つけがたい好作品。一方でキャリアのピークともいえる活躍を見せていたマエストロ・レチエレス・レイチの突然の訃報はシーンに暗い影を落としました。(新宿ラテンブラジル館 / 営業部 江利川)
▼TOP 10 ※上から 1位→10位
*** BUYER'S RECOMMEND ***
〇 AMARO FREITAS / SANKOFA
今年のマイベストピアノインスト賞! 通勤で聴きまくり、店頭でもかけまくりました! 店頭でかけると必ず今かかってるのなんですかと問い合わせ多数!リアクション◎!
こちらもアルバムのハイライト「Ayeye」と「Baquaqua」のライブMVがありますが演奏も画力も非常にパワフルですので是非ご覧ください! (ROCK in TOKYO 佐藤)
2018年を揺るがせた衝撃の名盤『Rasif』から3年、お待たせし過ぎたかもしれないアマロ・フレイタスの新譜は、いやはや待った甲斐がありました。「ピアノトリオっぽくないピアノトリオ」という特徴は踏襲しつつも、新作はR&Bやヒップホップのグルーヴを大胆に取り入れた「踊れるピアノトリオ」になっています。2曲目の「Ayeye」なんてクラブでかかっていても何の違和感もない完璧なダンスチューンですね。ジャケットもそれっぽいデザイン(一瞬カマシ・ワシントンの新譜かと思いました)なので、今は苦境に喘いでいる日本全国のDJのみなさんもクラブ再開の際はぜひ本作のLP盤をガンガンスピンしてほしいです。裏ジャケの三人のマスク姿が懐かしく思える日までは、とりあえずこのCDで、うちで踊りましょう。(吉祥寺ジャズ館 笹山)
〇 ANAT COHEN E MARCELLO GONCALVES / RECONVEXO
イスラエル出身、NY在住のクラリネット奏者 アナット・コーエンと、ブラジルのベテラン7弦ギタリスト、マルセロ・ゴンサルヴィス、この二人の共演作としては2作目となるアルバム。前作のモアシール・サントス集もとても素晴らしかったので、本作のフィジカル化を楽しみにしていた。ブラジルの新聞に掲載されたインタビューによると二人の出会いは約20年前、マルセロ・ゴンサルヴィスが所属していたショーロ・バンド "Rabo de Lagartixa" の頃という。アナット・コーエンの演奏がイスラエル風でもジャズ風でもなく、充分にブラジル音楽を咀嚼した上での表現だということも納得だ。今回の作品は、ギタリスト側がベースとなる楽譜を用意した上でほぼ即興のような形でレコーディングされたということだが、気持ちの通いあうミュージシャン同士の自宅スタジオでのセッションは、きっと演奏している側にとっても佳い時間であっただろう。聴いている間、とても心地よい気持ちにさせてくれるアルバムだ。なおジャケット写真は、インスタレーションを得意とする現代美術家エルネスト・ネトの作品。光に満ちた空間のイメージがとてもこの作品に似合っている。(営業部 藤本)
〇 ANTONIO ADOLFO / JOBIM FOREVER
アルバムのタイトルがすべてを物語っています。100%同意します。もう何万枚出たかわからないほどのジョビン曲集も同郷同アントニオのアドルフォが出すとなれば話は別。ブラジルを代表するベテランの音楽家がこんなにもシンプルであることが素晴らしい。いい曲はいい。何万回やっても。世界中のジャズミュージシャンが今も変わらず「困ったときのビートルズ。迷ったときのジョビン」を実践している理由は『ラバー・ソウル』とこのアルバムを聴けばわかります。いい曲はいい。誰がやってもってわけでもないけど。(吉祥寺ジャズ館 笹山)
〇 ANTONIO NEVES / A PEGADA AGORA E ESSA
アミルトン・ヂ・オランダ、レオ・ガンデルマン、グス・レヴィ、ジョアナ・ケイロスなどなど、気分はまるでBJL=ブラジリアン・ジャズ・リーグのオールスターゲーム。しかもキャプテンは全8曲でトロンボーンとドラムスの二刀流。まさか叩きながら吹いたわけではないでしょうが (バスドラくらいならいけるのかも)、この多彩でグルーヴィなリズム感覚はアントニオ・ネヴィスがドラマーとしても作曲家としてもオールスター級であることの証です。何度でも書きますが、名前は重要です。ロウレイロしかり、どうやらブラジルのアントニオはリズムの才能と楽器の才能という二物を天から与えられているようです (ビンタと政治でもいいですが)。ジャズでもサンバでもボサノヴァでもなく、そのすべてでもある混血の音楽。「アヴィシャイ・コーエンくらいでリズムの探求はもう終わった」と思っているジャズファンにこそ冒険していただきたい一枚です。(吉祥寺ジャズ館 笹山)
ボントロ好きにご朗報。ブラジル発「リオ新世代」tbプレイヤーによるインスト・ミュージックのニュー・スタンダード。ジャズの方法論をベースにカンドンブレ、ファンキ・カリオカ他、おらが国の粘っこいリズムに乗せて、虚脱感と緊張感が同時進行する音空間をローズやフルート、バスクラ他ラージなアンサンブルが練り歩く快作、現代的フォーマットに進化したワールドワイドなフリージャズと呼ばせてください。(営業部 川井)
〇 BENJAMIM TAUBKIN & RODRIGO BRAGANCA / SOBREVOO
本作のリリースは2020年だが弊社への入荷及び発売は2021年1月だったので年間ベストに含めさせていただきたい。だいたい年末ともなれば年始に購入したものの記憶は薄れてしまうものだが、このアルバム全体を貫く希望への祈りがこめられたような音の響きは、どこか自分の一部と共振するような感じがあり、忘れられない1枚となった。ギターとピアノの音色が響き合い、境界が消滅していく。幾重にも重なっているけれど重さはなく、たった2人とは思えない広がりを生み出している。(営業部 藤本)
〇 DANIEL SANTIAGO / SONG FOR TOMORROW
ダニエル・サンチアゴ2021年新作はな、なんとエリック・クラプトン参加! カート・ローゼンウィンケル、ペドロ・マルチンスがプロデュースと演奏で全面参加とスーパーギタリスト達が揃い踏み、夢の共演でございます! アルバムタイトル曲の「Song for Tomorrow」のMVではダニエル・サンチアゴ、カート・ローゼンウィンケル、ペドロ・マルチンス出演、ギター弾いたり、公園を駆け回りってはしゃぐ映像がレトロ感もありながら、楽曲と絶妙なマッチ感があっていいです! ジョシュア・レッドマン、アーロン・パークスも参加しています! こちらロックイントーキョーも一押しです! (ROCK in TOKYO 佐藤)
〇 FABIANO DO NASCIMENTO / YKYTU
ファビアーノドナシメントの作品が出るたびに、最高であるとレコメンドし続けていました。今作はSNSでも話題になっていましたがやっぱり最高です。 内容も最高ですが、内容とマッチしたジャケットも◎。一曲目のCuruminが好きすぎてランダムステップフィルター(ギターエフェクター)買いました。静謐ファンもギターファンもインストファンもCARMOファン必聴です。(ROCK in TOKYO 佐藤)
ジャケからして一体どんな音楽なんだろうと試しに聴いたらガッツリ好みやんけ! 緩やかなギターと優しく聴こえてくるスピリチュアルなメロディに完全ドハマり中! (営業部 安達)
〇 ITIBERE ZWARG / ORQUESTRA FAMILIA DO JAPAO
決してバキバキに合っているわけでも、めちゃめちゃすごい演奏というわけでもないけど、このオーケストラからは音楽をやることの歓びが感じられるのです。この美しさ、楽しさって何なんでしょうね。これを野外のフェスの現場で体験した人が本当に羨ましい。(JazzTOKYO 逆瀬川)
エルメート・バンドの要石として知られるイチベレですが、後進の指導にもその才能を発揮。一度WSに参加しましたが、その姿はまさに音楽愛の伝道師でした。そんなイチベレの包容力に包まれ一体感に溢れた日本人ミュージシャンたちの演奏、そしてイチベレ本人の高揚感がリアルに伝わるライブ。聴く方も幸せになれます。(営業部 藤本)
〇 オルケストラ・アフロシンフォニカ / オリン - ア・リングア・ドス・アンジョス
我が国で南米の音楽と聞いて真っ先にクラシックのオーケストラやジャズのビッグバンドを想像する方はあまりいないと思いますが、実はどちらも物凄く盛んで、クオリティも高いです。特筆すべきはクラシックとジャズとルーツミュージックのミックス (リミックスとも言えますが) にまったく抵抗がないことで、どのサイドのプレイヤーも見事な連携プレイを見せる川崎フロンターレの如きラージアンサンブル作品が目白押しです。近年のブラジルジャズサイドに絞っても、アントニオ・ロウレイロなどミナスの才能が集結した「奇数拍子を操るオーケストラ」ことミストラーダ・オルケスタ。ベネズエラのオーケストラとブラジルのジャズコンボをミックスさせたハファエル・マルチニ (新作が待ち遠しいです) 。ビッグバンドにヒップホップを持ち込んだロウレンソ・ヘベッチス。ついにオリジナルの交響曲まで書いてどこからどう聴いてもクラシックのアルバムを作ってしまったアンドレ・メマーリ。などなど、ほか多数過ぎるくらい多数です。その流れをくむオルケストラ・アフロシンフォニカの最大のチャームは「声」。声と楽器のシンフォニー。アフロポリリズムと聖歌隊の幸福なマリアージュ。我が国の学生音楽コンクールもいっそのこと合唱と吹奏楽をくっつけてパーカッションを入れてみては? (吉祥寺ジャズ館 笹山)
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