ディスクユニオンが選ぶ年間ベスト・アルバム大賞 2021 LATIN部門 <新録>
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LATIN 部門 <新録>
[総評]
堂々の一位はオクラ印よりリリースされたフレンテ・クンビエロの待望新作に!その耽美的な世界観をさらに洗練させたエル・ブオが2位、一見オーセンティックであるものの伝統音楽をとことん咀嚼した温故知新サウンドを掲示してみせたメリディアン&メディア・ルナのコラボ作が3位となりました。キューバものでは歪んだトレスと濃密なアンサンブルが最高にかっこいいオクテ、そしてサルサ/ラテンジャズではNYラテンの最重要キーマンであるダグ・ビーバースによるソウル~ヒップホップ的な感覚も光る傑作がランクイン。ラテン・ファンの度肝を抜いたチャングイ・ボックスも今年のハイライトと言えるでしょう。総じて、昨年に続き今年もオルタナティブな新世代が目立ったといえる2021年。オクラ印だけでなく、EL PALMAS MUSIC、BONGO JOEといったレーベルが紹介するコロンビアを中心とした新世代はとくに活況で、来年もこのあたりは特に注目していきたいところです。(新宿ラテンブラジル館/営業部 江利川)
▼TOP 10 ※上から 1位→10位
SALSA / LATIN JAZZ / CUBA / LATIN POP 部門
*** BUYER'S RECOMMEND ***
〇 DANIEL MANCERO / PALINDROMO
2021年によかったものを挙げるなら、正直なところデジタルでは10月にリリースされているCatbug『slapen onder een hunebed』がベストの1枚かと思うが、フィジカルは2022年発売なためこの場ではご紹介できない。ここで選んだDANIEL MANCERO『PALINDROMO』も同様で、2020年にデジタルではリリースされていたもののフィジカル化は2021年のため、1年越しにやっとご紹介できた作品にになる。エクアドル出身で、フランスのジャズ・シーンで活動するピアニストなのだが、クラシック的素養に裏打ちされた圧倒的演奏力や作曲能力はジャズのみならず多くのリスナーをジャンルの垣根を超え魅了するはずだ。また、昨今では珍しく、Apple MusicやSpotifyなどの配信サービスではアルバム全曲聴くことができないようになっている。インディペンデントなレーベルによる制作のため、おそらく在庫がなくなり次第で廃盤になる類の代物かと思うので、気になった方は弊社に在庫があるうちにぜひとも入手していただきたい。(営業部 宮本)
吉祥寺の専門館が入っているビルは1階オーディオ、2階ジャズ、3階クラシックという布陣ですが、普段は通り過ぎるだけの3階のお客様の足を2階に釘付けにしたのがこのアルバムです。3階の売上への若干の影響に関しては、遅ればせながらこの場を借りてお詫びいたします。一度も話したことがなかったクラシック党のお客様に「このピアニストは誰なの?」と聞かれるたび、連立政権の夢ふたたび、を実感した選挙前の今日この頃です。つまり、優れたピアニストにはジャズもクラシックもハラミちゃんもありません。黒人だらけのカインド・オブ・クルーになぜ白人のビル・エヴァンスを起用したのかと問われたマイルス・デイヴィスは、「エヴァンスくらいのピアノが弾ける奴なら、俺は肌の色が緑だろうと指が6本だろうと気にしないね」と答えたそうです。指はまあそうでしょうが、繰り返される「このピアニストは誰なの?」の問いにエプロンをした私が「ダニエルくらいのピアノが弾ける奴なら、俺はジャケの色が緑だろうとジャズフロアだろうと気にしないね」と答えたかどうかは、神のみぞ知る。(吉祥寺ジャズ館 笹山)
〇 DOUG BEAVERS / SOL
今年のサルサ新作トップ・オブ・トップを1枚選ぶとしたら、やっぱりコレだなぁ。耳を突く強烈なリズム&ブラスに、酔いしれるサボール感...。アレンジ、楽曲、構成、すべてがペルフェクタ! (営業部 杉本)
〇 EL GRAN COMBO / EN CUARENTENA
プエルトリコの名門エル・グラン・コンボが、サルサの力で世を潤すと立ち上がったとなれば、ファンは聞かずにはいられない。来年創立60周年を迎える伝統の技と心意気に感謝。(営業部 杉本)
〇 MIRYAM LATRECE / QUIERO CANTARTE
東京五輪男子サッカーの決勝がスペイン対ブラジルになったことに心と言葉を引き裂かれた唯一のスペイン人歌手と言ってもいいミリアンの歌うボサノヴァからは、とても素朴な、古き良きボサノヴァの香りがします(決勝が地上波で生中継されなかったのも「日本が敗退したから」という五輪憲章も真っ青の理由ではなく、彼女への配慮でしょう)。スペイン語で歌う2曲目と8曲目では転調と同時にテンポが倍速になったりという現代っ子らしい遊びを盛り込んでいますが、ポルトガル語で歌うジョビンの名曲にはボッサがノーヴァだった頃の空気を真空パックしたような、夏の終わりの気怠さが満ちています。以前にこの欄で紹介したアルゼンチンのカンデ・イ・パウロもスペイン語と英語のバイリンガルで、スペイン語で歌うバート・バカラックは未来と過去のマトリョーシカでした。モニカ・ゼッタールンドが初めてスウェーデン語でワルツ・フォー・デビーを歌ってからおよそ半世紀、『ストックホルムでワルツを』の続編は『マドリードでサウダージを』になるかもしれません。(吉祥寺ジャズ館 笹山)
〇 PEDRITO MARTINEZ / ACERTIJOS
キューバン・モダニズムをアーティスティックに体現する天才ペドリート・マルティネス。まさかのE.クラプトンとの共演収録には驚き。レジェンドを際立たせるサウンドはもちろん、アルバム全体としての完成度もすこぶる高い。(営業部 杉本)
〇 TARQUIM / A CUBA
バルセロナのアーティスト、タルキムがキューバ音楽にフォーカスを当てた傑作。キューバ音楽へのリスペクトがひしひしと感じられる素晴らしい1枚。全音楽ファンに聴いていただきたいです。 (渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 柴田)
〇 V.A. / CHANGUI: THE SOUND OF GUANTANAMO
ドキュメンタリー映画『Cu-Bop CUBA~New York music documentar』の制作などでも知られる二田さんによるチャングイの記事も面白かったです。(新宿ラテンブラジル館/営業部 江利川)
LATIN 新世代 部門
*** BUYER'S RECOMMEND ***
〇 EL DRAGON CRIOLLO / PASE LO QUE PASE
コロンビアの新世代を続々紹介するレーベル El Palmas Music。その中核をなすドラゴン・クリオージョの待望フルアルバム。80-90's初頭を意識したチープなアナログ・シンセとコロンビアをはじめとする中南米のリズムが融合。スピリチュアルでディープなスロウテクノ勢と違い、あくまで快楽的なダンスサウンドが最高。来年も El Palmas Music は要注目です!(新宿ラテンブラジル館 / 営業部 江利川)
〇 EL BUHO / NATURA SONORA
あえてカテゴライズをするなら南米バレアリック、スロウテクノと言った呼び方もされる英国出身のアーティストEL BUHO。ニコラ・クルースに続く存在として注目を集めるEL BUHOの通算3枚目となるノオリジナル・アルバムがこの「NATURA SONORA」だ。前作「CAMINO DE FLORES」を更にアップデートさせたオーガニックで深遠なサウンド、リサイクル原材料を使用した美しいパッケージングに至るまで、一貫したコンセプトで制作されたキャリア最高傑作と呼べる仕上がり。サブスクリプション・サービスの普及で減りつつある「物」「フィジカル」の存在価値を改めて感じさせてくれる素晴らしいアート作品。(新宿ラテン・ブラジル館 高橋)
〇 フレンテ・クンビエロ / セラ・ペルディーダ
トロピカルミュージックの牽引者マリオ・ガレアーノがコロンビアから放ったこの強力で中毒性を持った新たなるサウンドを日本のオクラ印が世界に発信!!ルーツと未来、コロンビアと日本、クンビアとダンスミュージック、幾重にも重なる奇跡のクロスオーバー!サラッと書きましたけど、これ日本のレーベルから世界に発信されるって凄いことですよ!!もう歴史的一枚、そういう意味でも2021年ベストです!! (新宿 ラテンブラジル館 岸本)
〇 NKUMBA SYSTEM / AMANECER DESPIERTAME, EL REY Y EL PEON
躍進が止まらないオクラ印よりまたまたすごい7吋がリリースされました! その名もンクンバ・システム!! ギタリストのギロは以前ロンペラージョに在籍し、さらにカメルーンのバンドでも活躍していたとか。アフロ・コロンビアだけでは括れない多様な音楽エッセンスに脱帽です! そして実は私事ではありますが、今回プロモーションミックスを担当させて頂きました! 是非チェックしてみてください! (新宿ラテンブラジル館 岸本)
〇 QUANTIC & NIDIA GONGORA / ALMAS CONECTADAS
クァンティック待望の新作はコロンビアの女性歌手ニディア・ゴンゴーラとの共作。ラテンサウンドに対して深い探求心を持ち、素晴らしい作品を世に送り続けるクァンティック。新作も最高なんです! ニディア・ゴンゴーラのどこか切なく、突き抜けるような歌声は素晴らしいとしか言いようがありません...。彼女が参加しているカナロン・デ・ティンビキというグループもすごくいいんですよね~。音楽的なバックボーンの違うミュージシャンたちが集まり、クァンティックならではのラテンサウンドになっていく。聞くたびに新しい発見があるようなそんな作品です。いやー、これは今年ベストアルバムといっても過言ではないでしょう! (渋谷ジャズ・レアグルーヴ館 柴田)
〇 V.A. / EL DRAGON CRIOLLO
最近とてつもなく気になっているEL DRAGON CRIOLLO!! ベネズエラのキラー曲ばかりを集めたコンプレーションも最高だったけど、今回のミックステープは私が今一番知りたかったチャンペータてんこもり!! その他にもテラピア、スパニッシュ・レゲエ、スークースなど気になっている方は要チェックです!! (新宿 ラテンブラジル館 岸本)
〇 V.A. / CLUB COCO
今話題の新世代オルタナ・ラテンをコンパクトに伝えてくれるココ・マリア監修の良コンピ。個人的にもこれを聴いて、彼らが伝統音楽を体得したうえで新しい音楽をクリエイトしていることがより理解できました。まずは Meridian Brothers y Grupo Renacimiento "Bomba Atomica"、そしてジョアン・ドナート・カバー La Redada "Calla Boca" をお試しあれ。(新宿ラテンブラジル館/営業部 江利川)
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