CD
予約
商品が発売になり次第発送
70年代半ばから80年代初頭にかけてフランス南西部の中心都市ボルドーを拠点に演奏活動を行ないながらも、当時作品をリリースする事なく解散を迎えた悲運のプログレ/ジャズ・ロックバンド:XALPH。彼らの活動後期にあたる1980年に、2枚組LPとしてリリースまで計画されながらも実現する事の無かった幻のアルバムの為にレコーディングされていた未発表スタジオ音源が、数々のZeuhl系の良作を再発/発掘してきたSoleil Zeuhlレーベルから'26年リリース!
XALPHのルーツとなるのは、1971年にYvan BlanloeilとJean-Pierre Daran(g/sax)の2人を中心として結成された音楽プロジェクト「LUCY DANS LE CIEL」。60年代のビート・ミュージックやFrank Zappaから影響された音楽性で当時のボルドーのポップシーンを牽引していた。1972年には地元ボルドーで開催されたMAGMAのサポートアクトを務めるなど着実に勢力を広げながらも、演劇志向が強くなっていたYvanとの方向性の相違によりLUCY DANS LE CIELを脱退したJean-Pierreが、新たにChristian Lassalle(key)・Francis Ferrer(g)・Andre Lesgouarres(drs)らと共に「AMELIE LA SECHE」なるグループを立ち上げる。このグループは数回のコンサートを経て間もなく「XALPH」と改名され、POTEMKINEやESKATON、CARMINAなど当時フランス各所で台頭してきたバンドと同様に、MAGMAより強く影響を受けたZeuhl系ジャズ・ロックバンドとしての道を歩む事となる。その活動初期にあたる1974年~1975年にかけてオープンリール・レコーダーにレコーディングされていたスタジオ・リハーサル音源は、長い歳月を経て2018年にMonster Melodies Recordsから『XALPH』のタイトルでLP限定タイトルとしてリリースされ、丁度Zeuhlとカンタベリー・ミュージックの交差点上に位置する様な、浮遊感と強度を併せ持った技巧派ジャズ・ロックサウンドで21世紀のリスナーに衝撃を与えた。その後、1976年2月後半のMAGMAのコンサートで数回前座を務めた記録が残されているなど、ボルドーを中心に着実なライブ活動を続けていたとみられるが、それと並行してメンバーの脱退/加入も盛んに実施されていた模様。活動後期にはJean-Pierre Daranを含む初期メンバーが全員抜け、後にUPPSALAへと合流するSerge Korjanevski(key)をリーダーに、女性ボーカリストを擁する総勢7人編成のバンドへと変貌を遂げている。そしてリハーサルやコンサートの機会が減少したことにより、1981年には半ば自然消滅的に解散を迎えたとの事。その解散から約6年後、1987年にMuseaレーベルからリリースされたMAGMA周辺/Zeuhl系アーティストのコンピレーション・アルバム『ENNEADE』に後期XALPHの楽曲"Gya-Tei"の抜粋が収録され、この音源が長らく彼らにとって唯一の公式音源となっていた。
冒頭に記した通り、本作にはSerge Korjanevskiが指揮を執っていた活動後期の編成によるスタジオ・レコーディングが収録されているが、このテープは元々当時のギタリストPatrick Briand(レコーディング/ミキシングも担当していた)の弟が保管していたもので、そのテープを譲り受けたJack Tocah(当時のベーシスト)、そしてSoleil Zeuhlによってテープの修復やクリーニング、ポストプロダクションが行われ、当時のアナログ録音ならではの質感を残しながら、音楽の細部を聴き取りやすい形へと整えられている。収録曲は2018年発売のLPにも収録されていた"Gya Tei"を除き全て初登場となる音源で、幾つかの非公式な音源/映像でしか確認出来なかった彼らの全貌を解き明かす重要なアーカイブとなっている。サウンド自体は前期XALPHの「Zeuhl×カンタベリー的ジャズ・ロック」を大まかに継承しつつも、ツイン・キーボードを主軸に構築されたアレンジとなった事で、新たにWEATHER REPORT・TONY WILLIAMS LIFETIME影響下のフュージョン/クロスオーバー要素がプラスされ、より曲の展開と構築性を重んじた音楽性となっている。女声スキャットを前面に押し出した"Exorde"・"Gya Tei"といった楽曲などでは、同じく1980年にアルバムデビューを果たしているESKATONやABUS DANGEREUXの作品を彷彿とさせる場面も存在。先にSoleil ZeuhlレーベルからリリースされたCARMINAの発掘盤と共に、当時のMAGMA、そして関連アーティストが与えた影響が窺い知れる、フレンチ・プログレシーンの歴史を補完する重要作!