Disc1にはSteve Kretzmer/James Strain作曲の新曲のみで構成された'23年スタジオアルバム『THE STRAINGE CASE OF STEVE』、Disc2には70年代に録音されたデモ音源にJamesがオーバーダブを施して完成されたセミアーカイブシリーズ'Redux'のvol.1/2の2作品を、新たにリミックス/一部ボーカル追加の上まとめて収録した『DUX IN A ROW』をそれぞれ収録。
分厚く重ねられたキーボード/オルガンを筆頭に楽器の音色自体は紛れもなくカンタベリー・ミュージック的といえるチャーミングなものでありながら、'線'というよりも'点'と'点'が無数に配置された様な、断片的なメロディーライン/フレーズを多用した複雑怪奇な曲構成で独自の立ち位置/世界観を形成してきたRASCAL REPORTERS。そのサウンドを現在の宅録環境や現行エレクトロニカ/IDMサウンドとのクロスオーバーによって更に充実させた新作『THE STRAINGE CASE~』は、まさしく2023年のアヴァン・ロックシーンを代表するといっても過言ではない程のユニークかつハイクオリティーな内容!!実際Cuneiform Recordsと自身のbandcampを通じてリリースされた『THE STRAINGE CASE~』の全世界100枚限定のフィジカルCDが即完売となった事実を受けて急遽本作のリリースが企画されたという経緯もあるなど、耳の肥えたリスナーからの反応も上々。米カンタベリーシーンの重鎮Dave Newhouse、かのUNIVERS ZEROやECLECTIC MAYBE BANDでその存在感を示すGuy Seger、LE GRAND SBAMでその驚異的なボーカリゼーションを聞かせてくれたJessica Martin Maresco、イタリアの現行カンタベリー・ミュージックシーンを代表するバンド:HOMUNCULUS RESのDario D'Allessando(ジャケット・アートも担当)など豪華レコメン系アーティストもゲストとして本作に華を添えております。
対して『DUX IN A ROW』は、前述の通りJamesの手によって新たに蘇った70年代のデモ音源を収録した'Redux'シリーズ2作品を更にリミックスの上、楽器パート/James McDermottのボーカルを追加した'Redux'シリーズの決定版となります。予測不可能な展開と2人のSteveの卓越したメロディー/ポップセンスがふんだんに詰め込まれた大曲"Cashew Medley""Hubert Greenery Peck"など、当時のデュオの驚異的な創造性には感服させられます。前記したイタリア産バンドHOMUNCULUS RESの2ndアルバムに提供された"Egg Soup"の完全版も収録されており、HOMUNCULUS RESファンも見逃せないリリース!現在系のRASCAL REPORTERSの総決算であると同時に、未来のRASCAL REPORTERSの新たな指針となる強力作!
