『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』には、エルヴィスとミュージシャンがスタジオ内で生演奏しながら、のちに発売するための主要楽曲やパフォーマンスを録音している姿をとらえた82曲のオリジナル録音が手付かずの状態で収録されている。これらの貴重なセッションは、エルヴィス最後のナッシュヴィル録音を時系列でとらえている。1971年のナッシュヴィルにおけるスタジオ録音の一部は、オーケストラやヴォーカルのオーヴァーダブを施したものが季節商品の『初めてのクリスマス(Elvis Sings the Wonderful World of Christmas)』(1971年)、グラミー賞を受賞したゴスペル・アルバム『至上の愛(He Touched Me)』(1972年)、『エルヴィス・ナウ』(1972年)、『フール(Elvis)』(1973年)に収録された。
ディスク1:「ザ・カントリー/フォーク・サイド」(イワン・マッコール、ゴードン・ライトフット、クリス・クリストファーソン、バフィー・セントメリー、ボブ・ディランによる楽曲がフィーチャーされた、エルヴィスの未実現に終わったプロジェクト)、「ザ・ピアノ・レコーディングズ」(エルヴィスが生声でアイヴォリー・ジョー・ハンターの曲を自身のピアノ弾き語りで歌うもの)、「ザ・ポップ・サイド」(「パドレ」、「恋は愚かというけれど[Fools Rush In Where Angels Fear To Tread]」、「マイ・ウェイ」、「アイム・リーヴィン」)の4パートに分類された計18曲を収録。
ディスク3:「ジョニー・B・グッド」や「レディ・マドンナ」の即興パフォーマンス、ボブ・ディランの「くよくよするなよ[Don't Think Twice, It's Alright]」の壮大なテイク、「ひとりぼっちの夜[Help Me Make It Through The Night]」、「朝の雨[Early Morning Rain]」の新鮮な解釈など、ディスク1のカントリー・ポップのレパートリーにロックンロールの風味を加えた計19曲を収録。