DYLAN自身も出演した73年サム・ペキンパー監督による西部劇映画"ビリー・ザ・キッド/21才の生涯"のサウンドトラック盤にして、70年の『NEW MORNING』以来実に3年ぶりとなった自身12作目のスタジオ・アルバム。のちのERIC CLAPTONやGUNS N' ROSESのカヴァーでも有名な名曲中の名曲"KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR (天国への扉)"のオリジナル・ヴァージョンはこちらに収録されています。
死に直面した保安官ベイカーを描いた"KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR"はもちろんのこと、物思いにふける"CATALINA THEME (WORKING FOR THE LAW)"にまさしく七面鳥のようにフィドルが活発に動き回る"TURKEY CHASE"、シンプルに美しく響く"BUNKHOUSE THEME"といった作品の大半を構成するインストルメンタルに、シンプルな歌詞を添えDYLANのヴォーカルも映える3曲の"BILLY"シリーズなどなど、物語のディテールやキャラクターも浮かび上がる全10トラック。
レコーディングは映画の舞台ニューメキシコ州フォート・サムナーを意識してメキシコ・シティとバーバンクで行われ、DYLANとBRUCE LANGHORNEのロウなアコースティック・エッジにBOOKER T. JONESの緊張しつつもリラックスしたベース・ライン、JOLLY ROGERのダウン・ホームなバンジョーにRUSS KUNKELが重ねるボンゴと、カントリーにフォーク、ブルースといったアメリカン・ルーツをベースにメキシコ風味も織り交ぜたオールドタイム・ポップ・フレーヴァーが全編に充満する名作に仕上がっています。ほかドラマーJIM KELTNERにフィドラーBYRON BERLINE、BYRDレジェンドROGER MCGUINNらが参加。