【コラム】ユニオン散歩 - スタッフチョイス (CLUB/DANCE/ELECTRONIC)

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2022.04.12

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ディスクユニオンのスタッフが個人的なオススメを紹介するコラム 第九回。

クラブミュージック、ダンスミュージックの視点で、購入したレコード、中古盤屋で発見したレアな一枚、友達から譲り受けた想い出ワックス、お金に困って売ってしまったあの一枚、あるいはデジタルで購入した音源などをセレクトしていきます。


Mira Calix
One on One

(2LP)

Warp初期から活動し同レーベルと契約した初の女性アーティスト、ミラ・カリックスが52歳という若さで亡くなってしまった。
彼女のデビューアルバムを聴いた時の衝撃は今でも忘れられません。
僕の中でWarpにカッコいいというイメージを抱くようになったのは、オウテカやエイフェックス・ツイン、そして彼女の作品によるものが大きかったように思います。
毎作品ワクワクさせてくれるアーティストでした。

(新宿ジャズ館 長門)








RAIN
Rainism

(CD)

こんなところに!?
韓国の国民的スターRAINの代表曲が、もろにELECTROなのでご紹介。
このリズムは、、、、
JUAN ATKINSのMETROPLEXから出ていてもおかしくないような、本格的FUTURISTIC SPACEYトラック。
無駄にコマーシャルな部分がない分、音が映えていてかっこいいです。

(下北沢クラブミュージックショップ 高橋)








CHARLES WEBSTER
DECISION TIME

(LP/CD)

90年代初期から様々な名義で活動してきたCHARLES WEBSTER。シカゴディープハウスに傾倒していた当時のPEACEFROGからリリースされたデビューアルバムは、同じUKのHERBERTと比較されるほど高い評価をメディアやリスナーから集めていた記憶。
本作をリリースするまでの約20年の間に、ダブステップのシーンから現れたBURIALがCHARLES WEBSTERの別名義 PRESENCEの1999年のアルバム「ALL SYSTEMS GONE」からの影響を受けたと公言しており、実際本作の"Second Spell"に参加している。

また全曲ミュージシャンをフィーチャーしており、初期MASSIVE ATTACK作品でもおなじみのUKのシンガー SHARA NELSON、CHARLES WEBSTERが拠点とする南アフリカのアーティスト THANDI DRAAI、80年代から活動する同じく南アフリカのシンガーSIPHO MABUSE、過去CHARLES WEBSTER作品にも参加したベテランシンガー TERRA DEVA、GILLES PETERSONの Worlwide Festival Talent Search で見いだされたディーヴァEMILIE CHICK。そしてPRINCE、MADONNA、LENNY KRAVITZ、坂本龍一らとコラボしてきたシンガー/詩人であるINGRID CHAVEZ。

HERBERTやLARRY HEARDのような強い世界観とディープハウスのスタイルをより研ぎ澄ます素晴らしいアルバムです。

(営業部 猪股)








NICOLA CONTE & GIANLUCA PETRELLA
PEOPLE NEED PEOPLE

(LP/CD)

JAZZ/CROSSOVER/LOUNGEのパイオニア、イタリアのベテランアーティストのNICOLA CONTEによる2021年リリース、現時点の最新アルバム。トロンボーン奏者でNICOLA CONTE作品に長年参加してきたGIANLUCA OETRELLAとのコラボアルバムで、現行のオーガニックなハウスミュージックと直接リンクする内容で、聴けば聴くほど楽曲の仕上がり、アルバムの完成度にうなる素晴らしい内容です。

ヴォーカリストをフィーチャーしたアルバム表題曲で味わえるUKジャズとハウスのナチュラルな融合、スピリチュアルジャズがアフロビートで展開する曲名ズバリな"Nigeria"、12インチカットでJOE CLAUSSELLがリミックスする"Inner Light"でのアフロコズミックなトライバルハウス、2019年の「FREE YOUR MIND EP」に収録されたスピリチュアル・アフロジャズ"Imani River"などを収録。

(営業部 猪股)








FUNCTION
EXISTENZ

(LP)

つい最近出たばかりという印象でしたが'19年リリースなのでゆうに2年以上経っているLPな訳ですが自分的にはまだまだ全然消化できていない感じです。
とにかく体幹が強くてアシッディーでダビーで非の打ち所がない、自分的には完全体テクノといえばこれという感じです。あまりにも完璧だったためにリリース直後は謎にそわそわしていたのですが改まって聞いているとまだそわそわしている(気がする)。

印象的なのはこのLPのインスピレーションが80年代のアメリカのケーブルテレビからきているというという点で、時代的にはFUNCTIONの子供時代の記憶なのかと思います。今と違ってざらついたテレビ画面とかどこかチープな匂いがするところとアナログサウンドがばっちり重なっていて、その辺も含め妄想のしがいがあるイマジネーション加速サウンドという感じです。

しかし何故か現場やフロアでは聞いた思い出がないので誰に頼まれたわけではないけど普及運動をしようかな。特に好きなのはD2の"Kurzstrecke"です。

(営業部 鈴木)








董苓, 莊魯迅
現代猛士

(LP)

John Rocca、Chaka Kahn、Hot Streak…ハウス前夜のパラダイス・ガラージ・クラシックを恥ずかしげない曖昧英語とチープなサウンドで夢想した、デッドストック救出の朗報が届いたばかりの80年代後期中国産ディスコ・カヴァー激珍盤。とはいえ名シンセ奏者の何文彪といった名前もしっかりと刻まれていて、単におふざけではなく、同時期の天安門広場前とは別の場所、違うベクトルで唱えられた民主化運動の一端なのではと思えなくもない逸品です。

(営業部 岸下)






NEUE GRAFIK
PRIS EP

(12")

初めてこの曲に出会ったのは、2018年ぐらいのred bull music festivalでした。You Tubeでこの曲を聴くと、今でも当時の楽しかった記憶が鮮明に思い出します。 ここ数年フリマサイトなどで探していますが、なかなか見つかりません。いつか手に入れて見せます!!

(新宿クラシック館 野末)








GREEN VELVET
DESTINATION UNKNOWN EP

(12")

90年代中期のテクノシーンに圧倒的な存在感と影響力を誇った シカゴハウスの怪人、CAJMEREことGREEN VELVET。自身のレーベル RELIEFからリリースした VELVET TRACKSとPREACHER MAN、PORTAMENTO TRACKSは当時のフロアでかかりまくっておりました。
今作は、その後ファーストアルバムをリリースするまでに発表されたヒットEP。
耳に残るマッドなヴォーカル"Land Of The Lost"(リミックスEPもあり、そちらもキラー)、留守番電話のメッセージをサンプリングした"Answering Machine"もマッドでファンキーなジャックトラックスなのですが、表題曲"Destination Unknown"を特に推し!
ミニマル、バネのような金属音シンセが徐々にフロアを跳ねまくるマッドすぎるトラック!

(営業部 猪股)









MATIAS AGUAYO
EL CAMARON REMIXES (FT. RICARDO VILLALOBOS)

(12")

チリ出身の個性が強すぎる2名による、これまた個性がにじみ出る1枚!
2013年のアルバム「VISITOR」収録曲の新バージョンということですが、原曲の南米トロピカーナなトライバル・パーカッションと一度聞いたら頭に残る呪術感のあるヴォーカルで強みがすごい。
そしてミニマル大将RICARDO VILLALOBNOSによるリミックスは、BPM上げてドライブ感を増量しつつ原曲のヴォーカルと変則性はキープ。最近のリカルド・ワークスの中でも最高の部類ではないでしょうか。

(営業部 猪股)








TSUNAKI KADOWAKI
Obscure Anime & Game Ambient, New Age, Electronica & Minimalism

(PLAYLIST)

ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイドの著者、門脇綱生氏によるプレイリストで、タイトルの通り、いわゆるアニソンやゲームミュージックの中からアンビエントやニューエイジ、エレクトロニカ、オブスキュアな楽曲をセレクトしたものです。起きている間、ほぼ何かしら音楽を聴いているのでは?というほどの探究っぷりに驚くばかり(某有名DJのK氏は、家でポータブルのターンテーブルを持ち歩いて常にレコードを聴いているという、嘘のような噂を聞いたことがあり、こちらも凄いです)。

大ヒットアニメ作品のサントラから,アニメ劇伴を手掛けるおなじみの作曲家、著名声優による楽曲、説明不要の御大 細野さんまで、ニューエイジ/アンビエント視点での楽曲が厳選された、間違いなしのプレイリスト。
現在、新たなディスクガイドを準備中とのことで、こちらもとても楽しみです。

(営業部 猪股)











Underworld
Born Slippy (Alma & Mater Edit)

(12")


圧倒的クラシックス”Born Slippy”のハウスエディット。
ハウス~ニューディスコ・シーンを牽引し続けるGerd Jansonが2018年のセットのフィナーレで選曲していたことで知りました。原曲の派手な部分を削ぎ落し、ゆっくり展開していくエディットに仕上がっていますが、クラシックスらしい盛り上がりも見せる大名曲です。

(新宿ソウル・ダンスミュージックショップ 坂本)