【ハード・ロック/ヘヴィ・メタル】いますぐ聴いてほしい オールジャンル 2023 | ディスクユニオンのスタッフが一年の中で印象に残った作品を紹介 | 2ページ

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2023.11.15

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いますぐ聴いてほしい オールジャンル2023 - ハード・ロック/ヘヴィ・メタル
いますぐ聴いてほしい オールジャンル2023 - ハード・ロック/ヘヴィ・メタル


■いますぐ聴いてほしい オールジャンル2023 - ハード・ロック/ヘヴィ・メタル


アーティストタイトルフォーマットレビュー
TENHI / VALKAMATENHIVALKAMACD96年より活動するフィンランドのフォーク/ネオクラシカル・バンドTenhiの12年振りとなる23年6th。母国語の歌や節回しはおとぎ話や伝承を聞かせるかのトーン。妖精が弦や鍵盤を跳ねる様に水面を揺らし、土を踏むアコースティック、ピアノの合奏。そうした土俗の風合い、滴る哀と藍、清らかで濃い血の色を染料にした暗清色の芸術品。主導者Tyko Saarikkoの言葉「私たちの音楽は常に時代を超えた現実からの逃避でした」にはニューエイジ・ミュージックとの霊感を深める。
( 新宿ヘヴィメタル館 / 井出翼 )
BELL WITCH / FUTURE'S SHADOW PART 1 THE CLANDESTINE GATEBELL WITCHFUTURE'S SHADOW PART 1 THE CLANDESTINE GATECD“永遠のループ”を主題にニーチェの永劫回帰へと諦観するのか、神学的な時間概念さえ否定する1曲83分。USドゥームデュオBell Witchによる『Future's Shadow』と題した三連画の第一章。フューネラル⇔ドローンの両界が干渉する音はテーマと融和性が高い。大々的にオルガンを導入、刻一刻と黙示録を記すドラムの運び、6弦ベースの幽妙な波動とソロ演奏はラッパの吹鳴にも似て尊大だ。尚、第三章の終わりが本作の始まりと重なり理論上ループ再生されるとの事。
( 新宿ヘヴィメタル館 / 井出翼 )
DODHEIMSGARD / BLACK MEDIUM CURRENTDODHEIMSGARDBLACK MEDIUM CURRENTCDノルウェーのアヴァンギャルド・ブラック御大23年6th。本作は主導師VicotnikがリードVo.も担い、皺を刻む深き息づかいが叙事詩的なオペラに乗る。前作のエクスペリメントな作風をよりポスブラの拡張と懐かしく新しい電子音や奇妙なコードを以てスペーシーに結像、虹色に乱反射する前衛アートの域へ。どこかThe CureやMuseを想起したり3「Interstellar Nexus」の題をとれば、星間の軌道に流されるまま、月の暗黒面に向かい好奇心と未知の深さの中で宇宙の孤独を知るのだろう。
( 新宿ヘヴィメタル館 / 井出翼 )
SATYRICON / SATYRICON & MUNCHSATYRICONSATYRICON & MUNCHCDノルウェーのブラック・メタル・バンドSatyriconのSatyrが22年にオスロのムンク美術館での展示会用に執筆した1曲56分の音楽作品。エドヴァルド・ムンクの作品を装丁にした名作『Deep Calleth Upon Deep』(2017)から構想されたコラボが実現化。闇に浮かぶ弦音やモーグを主体に聴き手の想像力と読解力を試すインスト表現は、画家が題にした「生命のフリーズ」「不安」「叫び」「絶望」「メランコリー」そして「死の接吻」といったテーマを音色に落とし込んだ病床の室内楽。
( 新宿ヘヴィメタル館 / 井出翼 )
GRETA VAN FLEET / STARCATCHERGRETA VAN FLEETSTARCATCHERCDロックの神様に愛された現代のピュア・クラシック・ロック。70年代の神話的な恍惚と加速する現代の光陰。田園風景とステージの見晴らし、現実の延長にある非現実。栄光と虚栄、宇宙と夢中。そして飛行船とボヘミアンへの憧れ。そうしたバンドの哲学や美学を転がしたロックサウンドは夢心地。作題にはサリンジャー『The Catcher in the Rye』(ライ麦畑でつかまえて)もあるとの事で、在りし日に憶えたジュブナイルの火が握った手の中で白光する。
( 新宿ヘヴィメタル館 / 井出翼 )
KHANATE / TO BE CRUELKHANATETO BE CRUELCDKHANATEが帰って来た。血が騒ぐ。『残酷になること』を題にした3曲61分の狂える時感覚は刻一刻締まる万力のプレッシャーで静寂までが重苦しい。相変わらず胸糞悪い歌詞が吐かれる叫喚地獄。例えばこの作品に充溢する赤黒い感情を音楽(芸術)以外で発現し、そのままぶつけていたら世にも於曾ましい惨劇が広がるかもしれない。だからこそ合法、表形の自由、ただ赦されているというのか、音楽の中でならどこまでも残酷になれるのだと。
( 新宿ヘヴィメタル館 / 井出翼 )
EDU FALASCHI エドゥ・ファラスキ / ELDORADO / エルドラドEDU FALASCHI エドゥ・ファラスキELDORADO / エルドラドCD前作に続き、エドゥ(やANGRA)に求めらている要素が全て完璧に詰まった快作!!バラエティー豊かかつ高品質なメロディック・パワー・メタル、大満足です!!
( 新宿ヘヴィメタル館 / 村上 誠 )
CHAOS CONTROL ケイオス・コントロール / The Legacy Within / ザ・レガシー・ウィズインCHAOS CONTROL ケイオス・コントロールThe Legacy Within / ザ・レガシー・ウィズインCD昨年衝撃の復活作『Call Of The Abyss』も素晴らしいパワー・メタル全開でしたが、今作、更に磨き抜かれたメロディ、リフ、楽曲、全方位に進化、 摩天楼オペラの響 (Ds)様参加、Rosana:miho (Ba)様参加、 SilexのYoungChoon Cho様メイン・ヴォーカル、 NORTHTALE、TRAUMERのGuilherme Hirose (Vo)様も3曲ゲスト参加 と豪華ゲスト満載、隙が無さすぎる最高具合!! 早くも届いたこの名盤に悶えつつ拳を掲げるしかありません!!
( 新宿ヘヴィメタル館 / 村上 誠 )
INCANTATION インカンテーション / UNHOLY DEIFICATIONINCANTATION インカンテーションUNHOLY DEIFICATIONCDUSデスメタル・レジェンドの23年作最新作、これが見事に地獄のデスメタル全開!!まごうことなきズッルズルの暗黒デスメタル100%です!!
( 新宿ヘヴィメタル館 / 村上 誠 )
SACRED OUTCRY / TOWERS OF GOLDSACRED OUTCRYTOWERS OF GOLDCD2000年台初頭のメロパワブームの中でも、抜きんでた歌唱力とヴィジュアルイメージで我々メロスパーの脳裏に一際強烈な印象を残した、LOST HORIZONのヴォーカリスト、Daniel Heiman。バンドの活動は停まって久しく、その間も各種プロジェクト等に時折参加していたものの、正直なところ楽曲面で優れた作品にはあまり恵まれず、その歌唱力を十二分に堪能できるものはほぼありませんでした(個人の見解です)。しかし、まだ2作目というこのギリシャの新しいバンドの創り出す楽曲/世界観は、往時のロスト・ホライズンを思わせるほどに濃厚で、ダニエルの魅力をさらに引き出すというマジカルな1枚となっております。ロスト・ホライズンの衝撃のデビューから20数年、、、奇跡の、真のカムバック作を聴かない手はありません!!
( お茶の水ハード&ヘヴィ館 / 池田泰智 )
エクスモータス / ネクロフォニーエクスモータスネクロフォニーCDUS産テクニカル/ネオクラシカル・メロディック・デス・メタル・バンドの6thアルバム。相変わらずのネオクラシカル・フレーズを弾き倒し、メロディアスに疾走しまくります!ARSISやBLOODSHOT DAWN等のテクニカル・メロディック・デス・メタル・ファンは必聴作!!デス・ヴォイスに抵抗がなければYngwie Malmsteen等のネオクラシカル・メタル好きにもおススメです!!
( お茶の水ハード&ヘヴィ館 / 前中奏磨 )
MENTAL CRUELTY / ZWIELICHTMENTAL CRUELTYZWIELICHTCDドイツのシンフォニック/ブラッケンド・デスコア・バンド、Century Media移籍作となる'23年4thフル。前作まではUnique Leader Recordsに所属し、けしからん程に凶暴なスラミング・デスコア・サウンドをぶちまけていましたが、新Voを迎えた本作ではブルータリティはそのままに、シンフォニックなシンセワークが生み出すスケール感とメロディ要素を大幅に強化してきました。さながら大ブレイクを果たしたLORNA SHOREを彷彿とさせる、残忍ながらも説得力抜群なサウンドがとにかく気持ち良すぎます。LORNA SHOREのWill Ramos氏(Vo)に勝るとも劣らない強烈なガテラルやトンネルスロートなど、引き出しの多すぎる圧巻のヴォーカルワークも聴きどころです。正直この路線の方が従来の100倍かっこいいですね。
( お茶の水ハード&ヘヴィ館 / 倉橋俊介 )
MYSTIC STORM / FROM THE ANCIENT CHAOSMYSTIC STORMFROM THE ANCIENT CHAOSCDロシア、サンクトペテルブルク出身のフィメールVoスラッシュ、21年自主リリース1stアルバムのHigh Roller再発盤('23)。完全にSARCOFAGO影響下なルックスから想像される通りの、女性Voながらダミ声吐き捨てに80'sハイトーンも飛び出すメタルパンク要素も感じるブラック/スラッシュ・サウンドで、ロシア語でオラオラまくし立てるようなヴォーカル(普通に歌ったりもする)が、もー最高!!前のめりなスピードチューンからダークでムーディな楽曲で展開して、最後はUS女性VoスラッシュDétenteのカバーで締め!うーん渋いですね~
( 新宿ヘヴィメタル館 / 大塚真一 )
CASTLEUMBRA / Nammu TammtuCASTLEUMBRANammu TammtuCDメキシコ地下シーンのカリスマAntimo率いるラヴクラフト崇拝死亡金属、前作リリースから11年を経て満を持しての1stフル。蠢く重低音と陰鬱なメロディーに彩られた暗黒の音世界が古代の神々を顕現させる、正真正銘完璧なデス・メタル。Antimoの最上級ロウ・グロウル、ほんと痺れます。
( お茶の水ハード&ヘヴィ館 / 時田 淳 )
PESTIGORE / ROTTEN BOWEL OF PESTIGOREPESTIGOREROTTEN BOWEL OF PESTIGORECDearly90'sフィンランド・デスメタルのコンプリート・デモ集。初期GRAVEを彷彿とさせる、暗く湿った地底から轟く低音サウンドとズルズルのロウ・ビート、どん底のグロウルによる凶悪ステンチ・サウンドが恐ろしく渋い。Low&Raw派のダイハード・デス・ヘッズは絶対必携のカルト・シックネス・デスメタル。再発仕事ではこれとAFFLICTEDが最高でした。
( お茶の水ハード&ヘヴィ館 / 時田 淳 )
Haint / At The EndHaintAt The EndCDあの素晴らしいTHOUSAND EYESの最新作"Betrayer"(2022)で強靭なドラムを披露したYu-ToとDEATH I AMのKazとタッグを組んで制作された1stアルバム。 デス・メタル、メロディック・デス、メタル・コアといったエクストリーム・メタルを主軸としながらも、ポップでパンキッシュなものなど多種多様のスタイルの曲が収録されているが、特筆すべきはその豊かなバラエティに関わらず散漫さを感じさせない、個々の楽曲の完成度の高さとアレンジの妙だろう。 また、豪華アーティスト陣による客演が曲のクオリティを更なるものに高めていることも見逃せない。 強力作!!
( 千葉店 / 工藤聡 )
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