2016.02.24
2016年3月9日に新作EP「ROMANATION」がリリースとなるFOXPILL CULT。
2015年は、1月にアルバム「邪宗門」、8月にミニアルバム「蠅になろう」をリリース。
2016年もさらなる大躍進が予想される。
発売が待ちきれないアナタのために、レーベル×アーティストインタビューを前編・後編に分けてお届け!
リリースまであとわずか!
彼らからますます目が離せない!!!
INTERVIEW(前編) <後編はこちら>
FOXPILL CULT
・西邑卓哲
・Shinpei Morishige
・プエル
・Boo(サポート)
INTERVIEW
・藤本達也(ROMANATION/ディスクユニオン)
ARTIST PHOTO
・荒川れいこ(zoisite)
――――今回はメンバーチェンジがありましたが、現在の編成となったいきさつを教えてください。
西邑卓哲(以下:西邑) このバンドがFOXPILL CULTという名前になった頃にShinpei Morishige(以下:Morishige)と出会ったんです。
当時は彼も違うバンドにいて、友達でありライバルでもあったけど、近くにいてくれて相談もできる仲間であり信頼のおけるミュージシャンでもあり…。
Morishige 実は意外にも対バンしたことはないんだけど、元々僕がPLASTICZOOMSにいた時からケビンちゃん(西邑)が機材を貸してくれたり、その頃からお互いがお互いの活動を意識していた部分はあったと思います。
西邑 僕は舞台の音楽監督と劇中歌の作曲もやっているんですけど、ある時に「虚飾集団廻天百眼」のバックバンドをFOXPILL CULTが務めるという機会があって、モリッシー(Morishige)も主催者に呼ばれていて…。
そこで初めて共演という形で同じステージに立って。そこからも長かったですね。
Morishige 直接のきっかけとしては、僕はバンドをやめて音楽活動的にはリタイアしていた時があったんです。その時にケビンちゃんが声をかけてくれて。
「邪宗門」(アルバム:2015年1月発売)で2曲弾かせてもらって。音楽から逃げていた時期に僕を叩き起こしてくれて。そこから全部が廻りだしましたね。
西邑 「邪宗門」の1曲目のオープニングには自分の中で特別な思い入れがあって…。意味のある物を…。その時にセミリタイアしていたモリッシーに弾いてもらおうと考えました。
それから「蠅になろう」(ミニアルバム:2015年8月発売)の時の自主企画にもゲストで出演してもらって…。その時はその場の一回限りのつもりだったはずが(笑)
それと、実はバンドとして活動が続けられなくなりそうな窮地に陥った時期もあったんですけど、その時に彼にアドバイスをもらったり何度も助けてもらったりという事もあり…。
紆余曲折あって、最終的には正式メンバーとして参加してもらうことになりました。
――――Booさんは?
西邑 8月22日の四谷OUTBREAKでのライブの時に、ちょっと無茶なことをやろうという企画があって、みんなでパーカッションを…。顔がない(バンド)の甲斐君と、Boo君にも参加してもらって本格的なインダストリアルをやろうというね。
プエル Booちゃんとはその時が初めてだったよね。
――――YOUTUBEにもその日のライブの模様の一部があがっていますね。
Morishige そう、最後に甲斐くんが火薬でド―ンと火つけをやって、機材のコンセントにまで火がついちゃって!俺が一生懸命火消しして(笑)
プエル あの時からしばらく西邑さんライブで上裸だったよね。上裸期。
――――上裸期!!(笑)
西邑 パーカッションを増やそうという考えがあって、Boo君はもともとDxUxS(バンド)っていう自分の活動場所を持っていて。
曲も作れて、歌も歌えて、リミックスもできて…。
プエル 踊れて。
西邑 そう、踊れて。
Boo (え?!)
西邑 8月に共演したときも良いライブができて、ずっとパーカッションとして誘っていてというのはあって…。
Boo ある日、人づてに「ドラム叩ける?」って確認がきて、(来たか…。遂に)って。
FOXPILL CULTとはDxUxSの時に対バンもしていて、元々好きなバンドだったので抵抗はなかったですね。
――――皆さんを紹介したいので、現在の活動に直結するような影響を受けたアーティスト/アルバムを挙げてください。
Morishige たくさんあるんだけど今回の作品のバイブスに近いのは、New Orderの新作「Music Completeと、Depeche Modeの1984年の「Some Great Reward」というアルバム。
とくにNew OrderはPeter Savilleのアートワークを含めて気に入っていて、アーティストフォト、ミュージックビデオ等、すべてのFOXPILL CULTの撮影の現場で同じデザインの缶バッジを装着しています(笑)
どちらのアルバムも、鍵盤の使い方、音色とか…。自分に限っては、今回はあえてルーツであるニュー・ウェーヴ要素をそのままぶち込むっていうか、逆にメンバーが僕の要素をうまく引き出してくれて、結果的にストレートに表現できた作品になったかなと思います。
西邑 僕の場合は、作品からは意外に思われるかもしれないけど、Cypress Hillの「Black Sunday」(1993年アルバム発売:ヒップホップグループ)ですね。
サウンド方向性、サイケだったり、いろんなものを聴けるきっかけとなったり…Cypress Hillがいろいろな意味で自分の基準になりました。
あとはSyd Barrett期のPink Floydとか、映画「ゴジラ」の曲で有名な現代作曲家の伊福部昭とか、J・A・シーザー。
J・A・シーザーは音楽的にもPink Floydと共通する部分があったり、舞台の曲も手がけているし…。あとイギリスのJapanとか。
今回は自分のルーツを再確認しながら作っていた部分もありました。
――――FOXPILL CULTのコンポーザー/メロディメイカーの西邑さんとしてはどのあたりの影響があるんですか?
西邑 それはすごく最近考えていて、なんでこんなふうになるんだろうと考えて…。、テレビから流れてくる音楽とか。
Morishige ケビンちゃんの家のテレビは壊れていてピックを刺さないと見れないよね。
西邑 そうそう最近はアンテナも繋がっていないから。
――――テレビの話のくだりは嘘じゃないですか!(笑)
西邑 昔から好き嫌いを別にして、耳に入ってくる曲を分析するという癖があって、そういう経験が活きているのかもしれないです。
あと昔、母親がずっと甲斐バンド聞いていて…。幼少期の記憶を辿ると、家で甲斐バンドと中森明菜とTM NETWORKばかりが流れていて。
他には、廻天百眼への曲提供の時に童謡を研究してそこからフォークミュージックに行って…。それらの経験が今の歌メロ作りに表れているんだと思います。
――――プエルさんは?
西邑 すごい広いよね。バンドを追いかけるよりは、音そのものを追いかけるっていうか。
俺達が知らないものをいっぱい知っているし。バンド名が読めないやつとか。
プエル そう俺もジャケットで覚えていて、読めない(笑)最近はエチオピアとかアフリカ北部の砂漠のブルースとか。
西邑 俺に砂漠のブルースを教えてくれるときに文化的背景とか映画とかで、教えてくれるからすごくわかりやすい。
プエル 働いたことのあるエチオピア料理屋で音楽を教えてもらってとか、CDを探す時もワールドミュージックの棚から探す時が多いですね。
実はロックらしい8ビートとかがあまり得意でないんで。
――――新作は異国の…色々な世界の音楽の情景が見えるような要素もありますね。
西邑 そこがプエルの世界観とリンクする部分でもありますね。
プエル 最初に買ったCDはジャズバイオリンのCD、何だっけな…。Weather Reportのカバーが入っていたり…。そういったものを聴いていました。
小林径の「Routine Jazz」も決定打で、The J.B.sが入っていたり、FUNKっぽいやつのリズム…Femi Kutiなんかのリミックスが先に自分の中に入ってきて。
あと中2の時に買ったEgo-Wrappinの「Night Food」も聴いて…そこら辺からホーンセクションへの憧れもあって。
――――今後はホーンセクションを取り入れる可能性も?
西邑 うん、やりたい、それはずっと初期からやりたいと思っています。
ということでFOXPILL CULTでやっていることとは全然違うかもしれないんだけど、例えば最初から全員でパーカッションを叩いてみたり。
MOTOWNのStevie Wonderがライブでドラムソロを叩いていたり、Marvin Gayeも。
――――Marvin Gayeはキャリアの最初はMOTOWNのドラマーでしたね。
西邑 そうそう!そのせいもあってか、皆ボーカルのリズムもものすごく良い。
(FOXPILL CULTは)音楽性が違ってもそういう部分で影響を受けています。
――――毎回ブラックミュージックっぽい曲もやっていますね。
西邑 大前提としてそういった音への憧れも強いし、本来のニュー・ウェーヴ自体も実はブラックミュージック要素が強いジャンルでもありますしね。
ニュー・ウェーヴの場合はリズムパターンが違うことや、大衆化したことでどんどん変化していって結果的に面白いものが生まれた、という感じもあって。
――――サウンドそのものをなぞるというよりは、方法論のような部分に影響を受けているということですか?
西邑 はい。僕たちは一過性で終わる安易なものはやりたくなくて。
例えば、今あえてメイクして活動しているんだけど、こういったシーンでブラックミュージックをやることやニュー・ウェーヴの幅の広さみたいな部分を表現していくことはやっていきたいなと思っていて。
アルバムにそういった曲を1曲を入れるのは当たり前だと思っています。
――――Booさんは?
Boo 僕はNapalm Death、Extreme Noise Terrorとかブラスとビートを使っているようなハードコアが好きだったんですけど、Judy And Maryも好きで。
Morishige はじめて聞いた!(笑)
Boo ライブハウスでPAをやっていた時期があって、そのときの経験からいろんな音楽に対して好意を持つようになって、今自分のバンドのDxUxSはゴシックインダストリアルな感じなんだけど、EDMもJ-POPも好きで…。
やっている音楽はSuicide CommandoとかAlien Vampiresなんかからの影響を受けていて…という感じです。何でも好きだけど、結果的にはGothicのシーンがきっかけでFOXPILL CULTと知り合ったという感じですね。
――――なるほど!
西邑 俺たちは全員アウトプットが大事だと思っていて。聴いている音楽が違っていても、それぞれのメンバーがアウトプットしてくる音がお互いに好きだから。
瞬時には理解できないことももちろんあるんだけど、信頼があるから、任せられるという感じです。
――――先行でMVも公開されましたね!
西邑 はい。
FOXPILL CULT - ROMANATION 【MV】
――――「ROMANATION」のMVはどういったコンセプトなんですか?
西邑 1月にライブで大阪に行ったんだけど、そのままの流れで京都の山に籠ってロケをやりました。
ライブの疲れもあってか、謎なシーンをいっぱい撮ってしまって…。
Morishige その辺で寝そべっていたり、9割くらいは何に使うんだ!っていうシーンばかりだったよね(笑)
西邑 移動中に僕が絵コンテ描いて。あとその撮影では「肉ベンチ」っていうFOXPILL CULTの第5のメンバーといえる程のアイテムがあって。
もう壊れてしまったんだけど。
Morishige 殉職・・・†
西邑 映像の内容の話をすると、それが異世界への鍵であって、そこからあのギラギラした世界に繋がるっていうコンセプトがあって…。
プエル 友達にでっかいカニの爪っていわれたんだけど。
――――今回はレーベル名、アルバムタイトル、曲名が全て「ROMANATION」ですね。
西邑 はい。僕たちはこれまでは本当にCRASSを参考にしているといっても過言ではないくらいのDIYで活動をやってきていて。
録音もミックスもマスタリングもビデオもひたすら全部自分たちでやっていたんです。
今回、初めてバンドの外部の人と関わるという状況の変化もあって、ここで一歩大きく自分たちが踏み出さないといけないっていうのがあって。
そういう意思がわかるもの、上の世代、下の世代のミュージシャンにも良い場所が作れるように、どこに行っても…。
造語なんですけど「ROMA(放牧民)+ROMAN(浪漫)+NATION(国)」という意味が込められていますね。
――――新しいMVも制作途中と聞きましたが、どんな感じになりそうですか?
プエル 筋肉痛になりました。
西邑 アバンギャルドポップの真骨頂、タイトル曲「ROMANATION」ともうひとつのこの曲があって今のFOXPILL CULTという感じですね。
Morishige 俺が外の立場から見ていたときからずっと好きだったFOXPILL CULTらしさが最も出ていると思います。
――――それは公開が楽しみですね。
次回は気になるEP「ROMANATION」収録曲について深く語ってもらいます。
現在制作途中の新MVもお届けできるはず!!お楽しみに!!
後編に続く↓
<NEW EP>
アーティスト : FOXPILL CULT
タイトル : ROMANATION
発売日 : 2016/03/09
フォーマット : CD
レーベル : ROMANATION
価格 : 1,800円 + 税
<Tracklist>
1.ROMANATION
2.レストランド
3.場依存/怪人
4.デカダンス
5.眼が釈迦
6.KARMIC RECORDER
7.音のない太陽
★ディスクユニオンオリジナル特典”CD-R”付き★
「mirror」(※初のセルフカバー集!!)
収録曲
1.「光学異性体」(虚飾集団廻天百眼)
2.「DEAD TIME」(FOXPiLL)
3.「グルグル」(FOXPILL CULTプエル版)
数に限りがございますのでお早めに!
<Link>
FOXPILL CULT オフィシャルサイト
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