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自転車を愛するミュージシャン、デヴィッド・バーンの《バイシクル・ダイアリーズ》待望の邦訳
- 鹿島出版会 / JPN / BOOK / 4306094543 / 1009252222 / 2026年08月12日
新品在庫取寄せ 4日~7日後に発送【日本語版に寄せて】先日七十四歳の誕生日を迎えたが、いまもどこへ行くにも自転車に乗っている。ちょうどライブツアーの最中で、数か月後には日本に行く。ぼくらはツアーに折りたたみ自転車を持っていって、訪れる街を自転車で探検することにしている。気持ちがいいし、刺激になるし、正気を保つ助けにもなる。前回日本に行ったときは東京を走り回った。わりと走りやすい街だったが、歩道を走ってくるママチャリの「グランマさん」には要注意だった。誰がいても止まってくれないのだ!コロナ禍の間はアパートに閉じこもって、大量のドローイングを描いていた。これはのちに一冊の本になった(AHistory of the World (in Dingbats):Drawings & Words, Phaidon Press, 2022)。最初のロックダウン期間が明けると、友だちやバンドのメンバーと落ちあって長めのサイクリングに出かけるようになった。車はほとんど走っておらず、タイムズスクエアはゴーストタウンになっていて、途方に暮れた旅行者が数人いるだけだった。どこにいても鳥のさえずりが聞こえてきた。ぼくらは街のあらゆる地区を自転車でめぐった。屋外にいればソーシャルディスタンスも保つことができた。パンデミックが収まってきて、屋外席での飲食が再開されはじめた頃、夜にグリニッジ・ヴィレッジを走っていると、何か聞こえてくるのに気がついた。聞き覚えがあるのに、何の音かすぐにはわからない。自転車を降りて、耳を澄ませて、ようやくわかった。人の声だ。人が人と語りあう声、それも大勢の声が、レストランの屋外席から聞こえてくる。ぼくは思った。どれほど違いを抱えていようと、世界の政治や社会がどれほど目茶苦茶になっていようと、人は人と一緒にいることが大好きなのだ。それこそがぼくらという存在なのだ。それは疑う余地がないように思えた。歩くより速く、鉄道より遅く、歩行者より少しだけ高いその視点が、世界を見渡すぼくのパノラマの窓になった。自転車から広がる思考の軌跡――デヴィッド・バーン《バイシクル・ダイアリーズ》待望の邦訳!元トーキング・ヘッズ、現在ソロアーティストとして活躍するデヴィッド・バーンは、自転車を愛するミュージシャンとして知られる。彼はツアーで世界の都市をめぐる際に、折りたたみ式自転車を持ち込んだ。ペダルを漕ぐことでしか進めないシンプルな二輪の乗り物から見えてくる都市の表情が、旅人としてその地に降り立った著者の思考を絶え間なく刺激する。とめどなく広がる思考の軌跡は、街の人びととの交流や表現活動に触発されながら、目に映る風景をありのままに描き出す。そこには、自らの内省が織り込まれるとともに、社会、政治、経済、歴史、格差問題など、都市の抱える課題も見え隠れしている。00年代にいち早く、徒歩でも車でもない自転車移動の視点から綴られたこの稀有な都市論は、デヴィッド・バーンならではのユニークな洞察と先見性によって、昨今の自転車政策の課題を浮かび上がらせる。それは都市景観の証言としていまなお色あせることなく、むしろ生き生きと、社会や人びとの生き方と関係したカウンター・カルチャーとしての「自転車」を位置づける。「そう、こうした街のほとんどでは、ぼくは大体ただの通りすがりにすぎなかった。だからそこでぼくに見えていたものがそもそも浅い、限られたもの、どこまでも個別的なものだといわれればその通りだ。この本でぼくが都市について書いている多くのことは、街を鏡にした一種の自己観察みたいなものともみなせるだろう。しかし同時に、わずかなあいだ滞在する旅人が、些細なものや表に現れた具体的な事柄を読み解くときには、もっと大きな全体像や、その街がひそかに抱える思惑のようなものが、ほとんど自然に浮かび上がってくることもあるとぼくは思っている。経済は店先に、歴史は建物の玄関口に姿を現すはずだ。顕微鏡を近づければ近づけるほど、不思議と視野が広がっていくこともあるのだ。」 (はじめにより)目次日本語版刊行に寄せて序文―この先の移動はじめに第1章 アメリカの都市 第2章 ベルリン 第3章 イスタンブール 第4章 ブエノスアイレス 第5章 マニラ 第6章 シドニー 第7章 ロンドン 第8章 サンフランシスコ 第9章 ニューヨーク エピローグ―これからの移動のかたち訳者あとがき 著者プロフィールデヴィッド・バーン (デヴィッド バーン) (著)DAVID BYRNE デヴィッド・バーン1952年英スコットランド生まれ。ニューヨーク在住。1974年に「トーキング・ヘッズ」を結成。87年、坂本龍一らと共作した映画『ラストエンペラー』のサウンドトラックでアカデミー賞作曲賞を共同受賞。91年のバンド解散後はソロ作品をリリースする一方、南米やカリブ地域を旅し、自身のレーベル「ルアカ・バップ」やネットラジオを通じて各地の音楽を積極的に紹介。2018年のアルバム『アメリカン・ユートピア』はブロードウェイで舞台化され、スパイク・リー監督による映画も制作された。最新アルバムは『WHO IS THE SKY?』(2025年)。著書に野中もも訳『音楽のはたらき』(イースト・プレス、2023年)ほか。非営利メディア『REASONS TO BE CHEERFUL』を主宰するなど社会問題にも積極的に発信する。自転車を愛するミュージシャンとして知られ、80年代から世界各地を自転車で巡り、ニューヨーク市の自転車インフラ整備にも関わってきた。東辻賢治郎 (トウツジ ケンジロウ) (訳)東辻賢治郎 (とうつじ・けんじろう)翻訳家。建築・都市史研究、地図製作にも携わる。著書に『地図とその分身たち』(講談社、2024年)、翻訳書にハリー・F・マルグレイヴ『近代建築理論全史1673-1968』(丸善出版、2016年)、レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』(左右社、2017年)、レスリー・カーン『フェミニスト・シティ』(晶文社、2022年)、ジョディ・ローゼン『自転車 人類を変えた発明の200年』(左右社、2025年)ほか。サイズ:四六変型判ページ数:416¥3,300 (税込)カートに商品が追加されました カートを見る -
ときに社会を色濃く映しだし、国や境界、時代を越えて親しまれる音楽そして人びとの営みを、現地に精通した研究者、ライター、音楽家が紹介する都市エッセイ。
- 鹿島出版会 / JPN / BOOK / 4306094529 / 1009103326 / 2025年10月08日
売切 注文不可音楽は都市と人びとの移動の歴史とともにある。ジャンルとジャンルの“混じりあい”が音楽の面白さを生んできた。人やものが集まる都市で、異質な文化が溶けあい発展してきたポピュラーミュージック。その背景には、音楽が生みだされる舞台装置としての都市がある。ときに社会を色濃く映しだし、国や境界、時代を越えて親しまれる音楽そして人びとの営みを、現地に精通した研究者、ライター、音楽家が紹介する都市エッセイ。【目次】本書に登場する都市と音楽/人と音楽の移動はじめに 伊藤嘉章第1章 土地に根づく都市とともに芽吹く音 石橋 純1 ブエノスアイレス タンゴとフォルクローレ、音楽を愛する街 谷本雅世[コラム]アルゼンチンといえば牛肉2 リマ 〝ハラナ〟 音楽と笑いのある祝祭の場 水口良樹3 ブダペスト 時代の響きを紡ぐロマ楽師たち 横井雅子4 那覇 時を超える琉球のしらべ 久万田 晋5 サンパウロ サンバとリズムの伝承 加藤 勲[コラム]ニーマイヤーの曲線に住まう第2章 故郷を胸にルーツを奏でる 伊藤嘉章1 ワシントンハイツ カリブ音楽流れるドミニカ人街 石橋 純2 イースト・ロンドン 大都会に息づくベンガルの響き 栗田知宏[コラム]文学作品からみるベンガーリー移民3 ベルリン ベルリンから鳴り響くトルコ音楽の調べ 増田真吾4 ベンガルール 先端都市に響くコロニアルな音風景 井上貴子インタビュー 宮田信 境界を越え混淆を生きるバリオのビート第3章 海のむこうから祝宴のリズム、去来する旋律 石橋純1 パナマシティ カリブ文化の混淆が生んだレゲトン 伊藤嘉章[コラム]プエルトリコの最新の音楽潮流2 ブリストル イギリスの港湾都市から轟く重低音 1TA(Bim One Production)3 ナント 映画監督ジャック・ドゥミの港町 廣瀬 純4 イスタンブル・バラト地区 セファルディのうたが聴こえる 長塚織人5 ビーゴ ガリシア人の魂の音楽 高橋めぐみ[コラム]ガリシアから世界に旅立った「エンパナーダ」第4章 時空を越えて共振する周縁の力 伊藤嘉章1 メンフィス ロックンロール旋風のはじまり 佐藤良明2 ニューヨーク ジャズの深化とヒップホップの誕生 伊藤嘉章[コラム]音楽の発展とテクノロジー3 ソウル K‐POPという欲望の震源地 李東俊4 アビジャン アビジャンを揺らすレゲエとラップ 鈴木裕之[コラム]ワールドミュージックへのワンステップインタビュー mitokon 「アマピアノ」――ダンスフロアのその先へおわりに 石橋純¥2,640 (税込)ご注文できません
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