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このCDの一曲目をブラインド・フォールド・テストに出題したとする。こんな答はどうだろう?「ビル・エヴァンスがその最晩年、開発されたばかりのデジタル録音システムのテストを依頼され、そのために弾いた未発表演奏」。はずれ。エヴァンスは'80年代初頭に他界し、終生デジタル録音を経験することはなかった(それは却って幸福なことだったかも知れないが)。そして彼の不在を埋めるかのように様々なピアニストがエヴァンス風の演奏を聴かせるようになった。
'85年、オランダのLIMETREEレーベルから登場した“CRINKLE’S GARDEN”というLPは中でも極めつけでエヴァンス好きの渇きをいやしたりしたものだが、そのピアニストこそアーノルド・クロス、この演奏の主なのだ。生前のエヴァンスが弟子を持ったとか、崇拝者を侍らせたという話は寡聞にして知らない。そうだとすれば「エヴァンス派」とは言葉の遊びだ。しかし、リズムの表面を滑るようなノリ、ブロック・コード、和声感覚・・・・・・あまりにもその影は深い。ただ、それを亜流と呼んでしまうには敬愛や憧憬が込められすぎているような気がするのだ。????といずれもエヴァンスの決定的名演が存在する選曲だが、クロスはオリジナリティに淫してその面影を破壊したりはしなかった。むしろ自分の理想を体現し、夢に近づこうとしたかのようだ。皆さんがここで触れる音楽は優しく美しい。おそらくそれはセピアに変わろうとする追憶を押し止めようとする想いの産物なのだ。(Text by 北見 柊)
■Arnold Klos(p), Henk Haverhoek(b), John Engels(ds)
ソングリスト
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1.Nardis
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2.Little Niles
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3.Whisper Not
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4.Love for Sale
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5.Polka Dots and Moonbeams
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6.Confirmation
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7.Django
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8.Old Folks
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9.You'd be so nice to come home to
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10.Come Rain or Come Shine
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11.A Little Expertise
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12.Autumn in new York
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13.Sweet And Lovely
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14.Laura
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