【コラム・オンラインレビュー】 MY CHOICE! (JAPANESE ROCK・POPS/INDIES、昭和歌謡) #18

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2023.03.08

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JAPANESE ROCK・POPS / INDIES、昭和歌謡
ディスクユニオンのショップスタッフ/ショップバイヤーによる
"何でもあり"のコラム・レビュー企画!


OFF COURSE / オフコース / 1982・6・30 武道館コンサート40th Anniversary

タイトル: Off Course 1982・6・30 武道館コンサート40th Anniversary
アーティスト: OFF COURSE
URL: https://diskunion.net/jp/ct/detail/1008473258

2022年、オフコース武道館コンサート40周年企画として、CD化された「Off Course 1982・6・30 武道館コンサート40th Anniversary」。
未だ伝説として語り継がれるツアーファイナル、武道館連続10日間公演。
「さよなら」「Yes-No」などのヒット曲も収録。
今まで沢山聴いてきた曲も、ライヴ・アルバムで聴くとひと味違うのも、ライヴ・アルバムの醍醐味ですよね。
何度聴いても「一億の夜を越えて〜のがすなチャンスを」の流れがとてもカッコイイです。
この時代のライヴ音源にありがちな、あまり音が綺麗では無かったり、観客の歓声でほとんど演奏が聴こえない...というような事も無いので、綺麗な音で楽しめます!
やはりライヴ・アルバムを聴くと、コンサートに行きたい欲が増します。
もしタイムトラベルできるのならば、このコンサートに行って実際に生で聴きたいなと思う素晴らしいライヴ・アルバムです!

昭和歌謡館・小林

ディスクユニオン昭和歌謡館
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-28-4 三峰ビルBF
https://diskunion.net/shop/ct/showa_kayou



TABLET JUN / タブレット純 / タブレット純のローヤルレコード聖地純礼

タイトル:タブレット純のローヤルレコード聖地純礼
アーティスト:タブレット純
URL:https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008582426

高校時代に新宿・紀伊国屋書店のコミック売り場で初めて青林堂コーナーを見つけた時の衝撃は忘れません。

今まで地元の本屋では見たことがなかった作品で1棚埋められていて、サイズはほぼ一致しているものの背表紙デザインに統一感がなく、またどの表紙の絵にも力があり、気になる読みたいマンガが増えた喜びとともに、背伸びして未知の世界に初めて触れた時のような少しの恐怖感を感じたと思います。
それは、小中学生時代に駄菓子屋、胡散臭いコスモスのガチャガチャ、ゲームセンターなどを初めて経験した時に近い感じです。

その時は時間かけて吟味して、月刊ガロの水木しげる特集号と(一番読みやすそうな)とり・みきを買って帰り、そこに書かれた広告や青林堂出版物リストからどんどん沼にハマりました。
その後、文庫化された川崎ゆきお『猟奇王』を読んだ時に、あとがきに川崎ゆきおが「ここまでたどり着いたらマニアックなマンガの追求のゴール地点です」的な事を書いていて、変な達成感に浸った思い出があります。

CD・レコードショップ店員として、この時に私が味わった衝撃を1人でも多くの人に与える店づくりをしたいというのは常に意識していて、日本のロック・インディーズ館に居た頃は、URCやナゴム、アルケミー、灰野敬二などを初めて来た方の目に触れるように展示したりしていました。
昭和歌謡館でその異質なオーラを放っている品物は何だろう?と考えたときにその1つの答えがローヤルレコードとローオンレコードだと思います。

どちらも60~70年代に大量にレコードを発売した独立系自主制作レコード会社で、とにかくジャケットから放つ妖気が凄い(気になった方は、ローヤルで一番売れたという椿まみ「月の世界でランデブー」を画像検索してください)。

そのうちローオンレコードはまとまったCDもリリースされ全貌が少し明らかになったのですが、ローヤルレコードは謎のままでした。
このローヤルレコードの謎の解明という偉業に、タブレット純が挑んだのが本著。
※『聖地純礼』はこれでシリーズ3冊目なのですが、GS・ムードコーラスと前2冊はジャンルだったところ、突然今回は1レコード会社で驚いたのですが、ローヤルレコードはそれで1ジャンル。と言われればそうだなぁと変に納得させらます。

業界に人脈があるのかと思いきやまったくゼロから関係者探しからスタートし、わらしべ長者的に紹介してもらう事でいくつもの貴重な証言を得ていくというドキュメンタリー性もあり、また、芸人の顔も持つタブレット純の文章が大変面白く、ローヤルレコードの事を全然知らなくてもきっと楽しめる内容です。

ぜひこの本を手に取っていただき、裏昭和歌謡の魅力に触れてほしいです。
そして、この本が売れて続編に繋がったら最高です。


ディスクユニオン昭和歌謡館 篠木

ディスクユニオン昭和歌謡館
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-28-4 三峰ビルBF
https://diskunion.net/shop/ct/showa_kayou




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