【特集】ブラジル音楽通信~6月のブラジル音楽ニュースまとめ~ ガブリエル・ミリエッチLP化、セウ新作などなど

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2024.07.02

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先月から始めた「ブラジル音楽通信」、7月号をお届けします。

まずは来日公演の情報から!




INFORMATION




ブラジル音楽界の異才、ヒカルド・バセラールが来日を発表!

https://www.tupiniquim.net/



ブラジル音楽界が誇る作曲家/ピアニスト/プロデューサー/マルチ奏者、ヒカルド・バセラールが7月に来日公演を行うことを発表しました。昨年にリリースされたホベルト・メネスカルヂオゴ・モンゾとのコラボ作『Nós e o Mar』は、日本のブラジル音楽ファンの間でも大きな話題を集めましたね。また、今年にはフラヴィオ・ヴェントゥリーニとのコラボ・シングル『Telepatia』をリリースしています(同タイトルに収録されているフラヴィオの未発表曲「Lareira」は特に素晴らしいクオリティです)。そんな彼が今回巡るのは、東京、浜松、福岡、鎌倉の4カ所。加えて、7月20日/21日に東京・代々木公園イベント広場で開催予定の在日ブラジル商工会議所主催、第17回ブラジル&ラテンフェスティバルへの出演も決定しています。

https://festivalbrasil.jp/ja/






ジルベルト・ジル、実に16年ぶり(!)の来日公演を開催!

https://www.gilbertogil2024.jp/


2008年に行われたブラジルとの国交100年を記念しての全国ツアーから16年。久々の来日公演を開催予定のジルベルト・ジルですが、京都公演だけでなく東京公演、そして高崎公演の実施も決定しました!ツアータイトルは、自身の曲のタイトルから拝借しズバリ「Aquele Abraço Tour」。ジルのワールド・ツアー50周年を記念してのツアーであり、バンドメンバーはGilsons含めすべてジル一家という豪華な編成となっています。先週82歳の誕生日を迎えたジルベルト・ジルが未だに来日公演を行ってくれることは奇跡と言っていいかもしれません。この機会をお見逃しなく!


京都公演

2024926日(木)

ロームシアター京都メインホール

開場 18:00 / 開演 19:00

チケット
・イープラス
https://eplus.jp/sf/detail/4128490001-P0030001

 

東京公演

2024927日(金)

東京・めぐろパーシモンホール 大ホール

17:30開場/18:30開演

チケット

イープラス

ローチケ [Lコード=73911]

チケットぴあ [Pコード=272-976]

 

高崎音楽祭

2024929日(日)

高崎芸術劇場大劇場

17:00会場、18:00開演

チケット

高崎劇場メンバーズ

高崎市文化施設

 ローソンチケット (Lコード:76301)

 ・    チケットぴあ (Pコード:274-792)

 

 




Amaro Freitas Trio が Blue Note Tokyo に登場! NEWアルバム『Y’Y』を引っ提げ今年2度目の来日!

先日の来日公演も大盛況だったアマーロ・フレイタス。なんと10月に今年2度目の来日公演が決定しました!今回はなんとトリオ編成での来日で、会場はBLUE NOTE TOKYO。USの豪華ジャズミュージシャンが参加した最新作『Y'Y』を引っ提げてのツアーとのことですが、バンドメンバーは未定。前作『Sankofa』のようなピアノトリオ編成を基本としていたアルバムのツアーであればともかく、『Y'Y』の世界をどのような形で披露してくれるのでしょうか。楽しみです。







RELEASE INFORMATION





ガブリエル・ミリエッチ『UM』 オ・テルノ、ブルーノ・ベルリ周辺で活動するSSWの極上1ST('23)が世界初レコード化!




サンパウロのSSW/マルチ奏者のガブリエル・ミリエッチの1stアルバム『Um』(2023)が待望のLP化。O Ternoブルーノ・ベルリセッサルイーザ・リアン、そしてソユズの作品でも活躍していたマルチ奏者による待望の1stアルバムで、木漏れ日が差し込ような柔らかな感覚に満ちた優美な一枚となっています。ブラジルのアーティストの中では、昨年の年間ベストでもかなり選ばれていた印象のある一枚だっただけに嬉しいニュースです。そしてなんとこのレコードは日本盤。今回レコード化を手がけたのは、京都のRECORD SHOP GGさんです。ぜひこちらのWEBサイト、Instagramもチェックしてみてください!






セウ『NOVELA』21世紀MPBを代表するアーティストが切り拓いた新境地。5年ぶり、6枚目のスタジオ・アルバム『NOVELA』がCD/LPでリリース!



https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/123088


21世紀MPBを代表するアーティストの一人、セウの5年ぶり、6枚目のスタジオ・アルバム『NOVELA』(2024)がCD/LPでリリースされることとなりました。ロサンゼルスのLinear Labs Studioで録音された本作は、エイドリアン・ヤング「JAZZ IS DEAD」の全面的なサポートのもと、ソウル/ファンク色濃いアルバムに仕上がっています。もともと伝統的なMPBにエクスペリメンタルな要素を折衷させる作風が特徴のアーティストでしたが、US色濃いサウンド・プロダクションが施された本作はもはやMPBと呼んでいいのかわかりません。しかし、MPBでもソウルでもない、セウ独自の世界が展開されていることは間違いありません。要注目です!






ANTONIO ZAMBUJO & YAMANDU COSTA『PRENDA MINHA』夢の共演作!




同じポルトガル語圏(ルゾフォニア圏)に属する二人のアーティスト二人の夢の共演。ポルトガルで最も人気なアーティストと呼んでいいでしょう、アントニオ・ザンブージョと、ブラジル音楽マニアの間では確固たる人気を集めるギタリスト、ヤマンドゥ・コスタとの共演盤『PRENDA MINHA』がリリースされました。ブラジル独立200周年を祝うコンサートでの共演をきっかけに生まれた企画だそうです。現在、アントニオ・ザンブージョの他の作品や現代ファドを代表するSSW、テレジーニャ・ランデイロのアルバムも入荷しています。そちらも是非チェックしてみてください!








続いては大きめのリイシュー/リプレスを3種類ご紹介。まずはジョアン・ドナート『DONATO ELETRICO』。エレクトロ・ドナート特有のメロウネスはそのままにさらなる実験精神をまぶした名作ですが、2020年にブラジルでリリースされたレコードはすぐさま売切れに。しかしなんとこのたびポルトガル盤でのリイシューが決定しました。通常盤と限定カラー盤の2種類を現在ご予約受付中です!

そしてベベ―トのソロ1stアルバム『Bebeto』が約20年ぶりのリイシュー。ブラジル盤でのリイシューは初です。ルイス・エサ、そしてラエルシオ・ヂ・フレイタスのローズ・ピアノの音色が美しい70年代MPBを代表する傑作アルバムで、オリジナル盤は数万円は下らない超レアアイテム。私自身待望のリイシューだったんですが、昨今の円安事情と兼ねてからのブラジル盤の高いコストが絡み売価が1万円を超えてしまいました...。ただ、欲しい方はいくら払ってでも欲しいタイトルかと思いますので、数量限定で取り扱いさせて頂きます。また、マルコス・ヴァーリによる70年代の名作『Previsão do Tempo』もブラジル盤でリプレスが決定しました。アジムス・ワークスを代表するブラジリアン・レアグルーヴの最高峰といえる内容の本作、リイシューは久々です。ご予約お待ちしております。







【ご予約】待望!マリーザ・モンチのアルバム5タイトルがレコードでリプレス!





先日の来日公演も大きな話題となったマリーザ・モンチのスタジオ・アルバム5タイトルがレコードで待望のリプレス。来日公演時にはレコードの在庫がなかったので、「待ってました!」という人も多いのではないでしょうか。ぜひこの機会にお買い求めください!





RELEASE INFORMATION(現状配信のみ)




Paira『EP01』 ミナス出身の新人デュオがBalaclava RecordsからデビューEPを発表!



テルノ・ヘイムーンズなどのリリースで知られるサンパウロのインディー・レーベル、Balaclava Recordsから登場したミナス出身の新人デュオ、PairaがデビューEP『EP01』を発表しました。いわゆるMPBファンの好みとは逸れるかもしれませんが、エモーショナルなインディー・ロックをベースにドラムンベースを取り入れたスリリングなサウンドはあまりにも魅力的。このEPは日本のオルタナティブ・ロック~インディー・ロックファンの間でもかなり人気で、彼らが影響を受けたアーティストとしてナンバーガールの名を挙げたことで瞬く間に話題になったようです。






Quartabê『Repescagem』



「ヴァングアルダ・パウリスタ」シーンを代表するアーティスト、アヒーゴ・バルナベーのバックバンドであるクアルタベーモアシール・サントスドリヴァル・カイミのあまりにも前衛的すぎるカバー・シリーズ2作でレッスン(Lição)を終えた彼らは、再びドリヴァル・カイミへの再解釈へ挑み、新作EP『Repescagem』(2024, RISCO)をリリースしました。客演として、サンパウロ前衛シーンの中核的存在(というかもはやレジェンド)であるナー・オゼッチと、同シーンと関わりの深いマルチナーリアがヴォーカルで参加しています。ラストの「Quem vem pra beira do mar」を除けば、やはりドリヴァル・カイミの姿はほとんど見えず、秩序と無秩序の隙間を縫うようなエクスペリメンタルなジャズアルバムとなっています。





シコ・ベルナルデス、5年ぶりの新作アルバム『Outros Fios』をリリース!より彩り豊かな飛躍作!



チン・ベルナルデスの弟」という触れ込みでデビューを飾ったSSW、シコ・ベルナルデスが5年ぶりのスタジオ・アルバム『Outros Fios』をリリースしました。ニック・ドレイクムーンズの作風を思わせるフォークアルバムだった前作『Chico Bernardes』と比べると、サウンドはかなり変化しています。彼特有の内省的なムードはそのままに、エレクトロニクスや管弦楽を取り入れ、パーソナルでありながら拡がりのある一枚となりました。まだリリース直後であまり聴かれていない印象がありますが、今後より注目を集めることは間違いないでしょう。






また、ミルトン・ナシメントエスペランサ・スポルディングの企画アルバム『MILTON + ESPERANZA』から新たに先行曲「Um Vento Passou (para Paul Simon)」が発表されました。マルシオ・ボルジェス作詞、ミルトン作曲のこの曲では、タイトル通りポール・サイモンが参加していることはもちろん、シャバカ・ハッチングスが尺八で参加し、オルケストラ・オウロ・プレットがストリングス・アレンジを手がけています。森の奥深くへ歩みを進めているかのような、「幽玄」という形容がふさわしいミスティックな楽曲となっています。リリースが楽しみですね。








NEW RELEASE FROM DISKUNION



最後に、今月のリリースまとめです。今月は、リニケル『INDIGO BORBOLETA AZUL』アナ・フランゴ・エレトリコ『LITTLE ERECTRIC CHICKEN HEART』(UK盤)O Terno『ATRAS/ALEM 』(US盤)など、現代MPBシーンの若手ミュージシャンの近年作が大きなリリースとなりました。アナ・フランゴ・エレトリコの通常盤LP/CDは、遅ればせながら本日入荷しました。また、マリーザ・モンチ『PORTAS』もまもなく入荷予定です。今しばらくお待ちください!





6月の新入荷リスト

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