【ワールド・ミュージック】いますぐ聴いてほしい オールジャンル 2020 | ディスクユニオンのスタッフが一年の中で印象に残った作品を紹介するイヤーブックのWEB版 | 1ページ目

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2020.12.11

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いますぐ聴いてほしい オールジャンル2020 - ワールド・ミュージック
いますぐ聴いてほしい オールジャンル2020 - ワールド・ミュージック

例年どおり今年も再発は含まずに新譜だけでの選出。「これこそが今年を代表する作品だ!」と言い切れる作品はなかったものの、良作ぞろいでランク付けは不可能。上からジャンルごとに今年の10枚を選んでみた。

ブラジルでは絶妙なエレクトロニクス使いでMPBを更新したブルーナ・メンデスが出色。ムーンズ、ディアンジェロ・シルヴァを筆頭にジャズからMPBまで相変わらずミナスは大充実。泣く泣くランク外としたダヴィ・フォンセカ、マルコス・ルファート、ガブリエル・ブルースなどなど新人の台頭も著しい。去年アナ・フランゴが大ブレイクを果たしたリオ新世代もグス・レヴィを筆頭にヴォヴォ・ベベやヒカルド・ヒシャイヂなど、今のリオらしい作品が充実で、来年も目が離せない。アルゼンチンはロドリゴ・カラソ、バンティなどコルドバのアーティストが目立った1年だったが、なかでもアシィは予想以上のセールスでじわじわと人気上昇中。隣国ウルグアイからもこれまでとは明らかに異質のセンスを感じさせるアントニーノ・レストゥシアのような才能が登場。ラテンでは民謡クルセイダーズとコラボしたフレンテ・クンビエロを筆頭とするサイケでオルタナティブな面々が大活躍したが、個人的にはクレイジーな電子音響感も携えたメリディアンがヘビロテだった。アフリカものでは惜しくも4月に他界してしまったトニー・アレンが故ヒュー・マスケラと残した未発表音源が出色。ベテランならではの妙技がたっぷり堪能できる一枚だった。ヨーロッパではリトアニアのプルナマシ・ヨガマヤが記録的なロングセラーに。ジャンルを超えて多くのリスナーに支持される一枚となった。またクルアンビン以降、とでも言えるのか、エキゾでモンドな国籍・ジャンル不詳なバンドが増えているが、スウェーデンのスヴェン・ワンダーはそのなかでも異例の大ヒット。レコードに続き紙ジャケCDもリリースされるなどブレイクの年となった。


■ワールド・ミュージック | 2020 RANKING

    アーティスト タイトル フォーマット レビュー
1 ブルーナ・メンデス / コルポ・ポッシーヴェル ブルーナ・メンデス コルポ・ポッシーヴェル CD フランク・オーシャンやFKJあたりのファンにも推薦のメロウでチルなエレクトリック・ブラジリアンR&Bの大傑作!ジャケットもインパクト大、これはレコードも欲しい!
2 ムーンズ / ドリーミング・フリー・アウェイク ムーンズ ドリーミング・フリー・アウェイク CD ブラジル・ミナスの英詞ロック・バンドによる3RDアルバム。繊細なメロディと音数の少ないアンサンブルで彩られた、真夜中のサイレント・ポップとでも呼びたい大傑作。
3 ディアンジェロ・シルヴァ / HANGOUT ディアンジェロ・シルヴァ ハングアウト CD 同じくミナスから登場した規格外のピアニストによる待望の2NDアルバム。アントニオ・ロウレイロらが参加したフューチャリスティックでブリブリのセッション。「ミナス新世代」のさらにその先を示す作品。
4 GUS LEVY / MAGIA MAGIA GUS LEVY MAGIA MAGIA LP リオ・インディーシーンのキーマンとなりつつあるSSWによる新作。ジョルジ・ベン MEETS コナン・モカシン? 力強さとゆるさのバランスがなんとも絶妙な桃源郷サイケポップ作品!
5 アシィ / ミニマス+コンパルティーダス アシィ ミニマス+コンパルティーダス CD アルゼンチンはコルドバからインディーロックやジャズ、ブラジル音楽すら飲み込んだ破格の作品が登場! スピネッタ的なメロウAORとダーティ・プロジェクターズのようなサウンドプロダクションが融合?! 気になった方は是非聴いてみてください!
6 アントニーノ・レストゥシア / オトロ・カミーノ アントニーノ・レストゥシア オトロ・カミーノ CD 豊かな音楽シーンを持つ南米の小国ウルグアイを代表するベーシストによる最新作。イスラエル・ジャズに通ずる抒情性と伝統音楽に根差したリズミカルなコンポジションが融合した2020年屈指のコンテンポラリー “カンドンべ” ジャズ作品!
7 MERIDIAN BROTHERS / CUMBIA SIGLO XXI MERIDIAN BROTHERS CUMBIA SIGLO XXI LP クンビア×クラウト・ロック?オルタナティブなラテン音楽の最前線を突っ走るメリディアン・ブラザーズによる伝統と都会のカオスが歪に融合した中毒性激高な一枚。
8 TONY ALLEN & HUGH MASEKELA / REJOICE TONY ALLEN & HUGH MASEKELA REJOICE LP 惜しくも他界したアフリカ音楽の偉人2人による極上セッション集。煮えたぎるようなアフロビート/アフロジャズとは異なるクールネスと、ベテランならではのしなやかなグルーヴ。あらためてその偉大さを知る一枚です。
9 PURNAMASI YOGAMAYA / OH MY BELOVED PURNAMASI YOGAMAYA OH MY BELOVED CD リトアニアの女性シンガーソングライター、マルチ奏者による待望の1stアルバム。深いアンビエンスと穏やかなストリングスが背景音のようにささやかに奏でる作風はヴァージニア・アストレイを、現代的な音響はジェイムス・ブレイクを想起。実質今年のベストか?
10 スヴェン・ワンダー / わびさび スヴェン・ワンダー わびさび CD 今年を代表する一枚! 世界中のレコード好き音楽好きを巻き込んで話題となったスウェーデンの謎多き鬼才スヴェン・ワンダーによるドープすぎる民謡×サイケ×ジャズファンクの大傑作!
※許可なく複製・転載することを禁じます。

■いますぐ聴いてほしい オールジャンル2020 - ワールド・ミュージック

  アーティスト タイトル フォーマット レビュー
AJATE アジャテ / ALO / アロ アジャテ アロ CD 世界にもその名を轟かすアフロビート+祭囃子+竹楽器の乱痴気トランス・ダンス・ミュージック・バンドの3rd。ライヴを重ねて成熟した和製アフロ・グルーヴは絶品。
( 営業部 / 森崎 )
CHASSOL / LUDI CHASSOL LUDI LP これ、大好き(笑)。環境音を“音楽”に変えてしまうキーボーディスト&プロデューサー、シャソル様の遊び心とマジック。何気ない日常がちょっぴり楽しくなってしまうかも!?
( JazzTOKYO / 関口 )
EDUARDO GUDIN & LELA SIMOES エドゥアルド・グヂン & レラ・シモインス / EDUARDO GUDIN & LELA SIMOES EDUARDO GUDIN & LELA SIMOES EDUARDO GUDIN & LELA SIMOES CD ボサノヴァにも通じるソフトなスタイルのサンバで知られるSSW エドゥアルド・グヂンによるひさびさの新作。フィーチャアされた女性ヴォーカル、レラ・シモィンスの愁いをおびた声も趣があり、大人向けの上質なMPB作品として大推薦。
( ラテン/ワールド部門 / 藤本 )
FERNANDO BRANT / VENDEDOR DE SONHOS FERNANDO BRANT VENDEDOR DE SONHOS CD ミナス好きであれば全曲号泣レベルのフェルナンド・ブランチ作詞曲集。特にトニーニョの"Travessia"、ローの"Durango Kid"は友情に溢れまくっていてエモいです。
( JazzTOKYO / 山田 )
FERRAN PALAU / KEVIN FERRAN PALAU KEVIN LP まったくいつまでこんな日常を続けなくちゃいけないんだ?できる事なら屋上に逃げ出して、FERRAN PALAUでも聴きながら煙草でも吸っていたい。。。そんな気分にさせてくれる?アルバムです。
( ディスクユニオン新宿 ラテン・ブラジル館 / 西原 )
FERTITA / PASARELA FERTITA PASARELA LP スペイン・バレンシア出身の音楽プロデューサー、ディエゴ・フェルティータによるスペイン産SYNTHPOP~AORの最高傑作!馴染みやすいビートと同じくバレンシア出身の女性アーティスト"SALFUMAN"による優しく吸い込まれそうな歌声がマッチングしたシンセ・ディスコ・チューン!何度聴いても飽きない、色あせない安心◎な逸品!
( ラテン/ワールド部門 / 安達 )
FREDDY Y SUS AFRO LATINOS / FREDDY Y SUS AFRO LATINOS FREDDY Y SUS AFRO LATINOS FREDDY Y SUS AFRO LATINOS LP 耳馴染み良すぎて反則技なヴィンテージ系ヴァイブ入りサルサの名盤新常識に追加決定!これが復刻されるなんて...なんていい時代だ!涙ちょちょ切れるまで踊れ!
( 営業部 / 杉本 )
GABRIEL CHAKARJI  / NEW BEGINNING GABRIEL CHAKARJI NEW BEGINNING CD 冒頭1曲目のクロスリズムなサンバワルツで「うちで踊れるジャズディスク大賞2020」に内定していた本作ですが、めでたく受賞決定です。これで腰が動かない方は腰痛を疑ってください。
( 吉祥寺クラシック館 / 笹山 )
GOLPE DURO / LITTLE JOHNNY RIVERO GOLPE DURO LITTLE JOHNNY RIVERO CD ピケーノ・ジョニーの新作だぁ!コンガ・マナーの素晴らしさも然ることながら、プエルトリコ・サルサの良心を湛えたプロデュース力が心憎い。端々にポンセーニャ魂も!!
( 営業部 / 杉本 )
GUILHERME COUTINHO E O GRUPO STALO / GUILHERME COUTINHO GUILHERME COUTINHO E O GRUPO STALO GUILHERME COUTINHO LP 訳の分からない音楽が大好き!そんなシンプルな欲求を完全に満たしてくれる音楽に2020年に出会うとは。歌心もファンキーさもあるブラジリアン・サイケの傑作。
( 新宿セカンドハンズ店 / 中村 )
KETA RA ケタ・ラ / FRESH PACK LIVE Vol.1 ケタ・ラ FRESH PACK LIVE Vol.1 CD アーティスト自身が愛する空間で、自身と向き合って行う唯一無二のライブ・セット企画『FRESH PACK』の第一弾。スペースギタリスト KETA RA による、極上のチルアウト・アンビエントライブ!!
( DIW / 三河 )
LEO RIBEIRO / PAISAGEM LEO RIBEIRO PAISAGEM CD 80年代PMGを思わせる、空を飛び回るような爽やかさ。発掘から入荷まで半年という苦労を要した価値ある、ミナスのインディー・ジャジーMPB傑作。
( JazzTOKYO / 逆瀬川 )
LISANDRO ARISTIMUNO / CRIPTOGRAMA LISANDRO ARISTIMUNO CRIPTOGRAMA CD アルゼンチン音楽の面白さを伝えてくれたフェイバリットなミュージシャンの一人。少し暗くミステリアスさを残しながらも寄り添ってくれる歌声が今の寂しさの伴侶です。
( ディスクユニオン新宿 ラテン・ブラジル館 / 笹倉 )
MESTIZO BEAT / CANOGA MADNESS MESTIZO BEAT CANOGA MADNESS LP こんなインスト求めてた!!是非聴いてほしい1枚です。そして車好きにはたまらないジャケット!!最高です。
( 町田店 / 神保 )
MIKE HANAPI / マイク・ハナピ / WITH KALAMA'S QUARTET MIKE HANAPI WITH KALAMA'S QUARTET LP 戦前ハワイアン音源が嬉しいリリース!同時代のソル・ホオピイ等の様なアクロバティックさありませんがこのとてつもなくゆったりとしたテンポが堪りません。ジャケットのヴィンテージ楽器にも要注目。
( ディスクユニオン新宿 / 杉山 )
MOONS / DREAMING FULLY AWAKE ムーンズ ドリーミング・フリー・アウェイク CD 様々な局面で良識や倫理観といったものが瓦解しつつあると感じることが多かったためか、ムーンズの音楽から滲み出る、穏やかでラジカルな批評性に強く励まされることの多い一年だった。
( ラテン/ワールド部門 / 江利川 )
PARADISE CINEMA / PARADISE CINEMA PARADISE CINEMA PARADISE CINEMA CD 希望と憂鬱の綯い交ぜになった近未来 SF 映画サントラのごとき壮大なサウンドスケープ。ミニマル、テクノ、アンビエント、アフリカ音楽をも受けて巧みに織り上げた一枚。
( JazzTOKYO / 丸山 )
PINHAS & SONS / ABOUT AN ALBUM PINHAS & SONS ABOUT AN ALBUM CD イスラエル発のグループが2018年にリリースした一枚。ジャズ、ロック、ラテン、ブラジル等様々なジャンルを高い次元でミックスした高品質アルバムです。
( 新宿セカンドハンズ店 / 海田 )
PURNAMASI YOGAMAYA / OH MY BELOVED PURNAMASI YOGAMAYA OH MY BELOVED CD 「これは年間ベスト級! いうなればヴァージニア・アストレイ meets ジェイムス・ブレイク?!」という文言で弊社ワールド部門が発掘し、売り出したプルナマシ・ヨガマヤですが、たくさんの方が実際に聴いてくださり、Quiet Cornerの韓国版ディスクガイドでも選ばれ、Quiet CornerのコンピレーションLPに収録とのことで初ヴァイナル化ともなりました。世界的にも誰も知らない無名のリトアニアの音楽家をそのような結果に結びつくようプッシュできたことを誇りに思いますし、これからも驚きと感動を与えてくれる音楽にまた出会いたいなとも思っています。
( ラテン/ワールド部門 / 宮本 )
RICARDO RICHAID / TRAVESSEIRO FELIZ RICARDO RICHAID TRAVESSEIRO FELIZ LP ANA FRANGO ELETRICO目当てで聴きましたが、全体的に良かったです。今年リリースの作品は、THE DEARS『LOVERS ROCK』を一時期ずっと聴いていましたが、何度も聴き返した作品はこのアルバムだけです。
( 北浦和店 / 入野 )
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