ディスクユニオン ジャズスタッフ 6月度レコメンド・ディスク

ディスクユニオンのジャズ専門館スタッフが新譜の中で一押ししたいオススメ作品をご紹介!
今月リリースされた最新新譜はもちろん、改めて聴いたら良かった準新譜もコッソリと掲載。
最新新譜カタログ的にも、魅力ある作品の発掘的意味合いでも是非ご一読ください!
AMBROSE AKINMUSIRE & MARY HALVORSON / Slo-Mo Neon Luminate Hoverings / 新宿ジャズ館 四浦、JazzTOKYO 東舘、吉祥寺ジャズ館 荒川
https://diskunion.net/detail/1009226032
アンブローズ・アキンムシーレとメアリー・ハルヴォーソンという現代ジャズ・シーンの話題を浚う二人によるデュオ作品。本作でも際立つのは、今まで通りのアキンムシーレの圧倒的な「音楽」偏差値の高さだ。卓越したテクニックをただただ、誇示するのではなく、音の配置、間、呼吸、沈黙までも緻密に設計し、即興でありながら必然性を感じさせるサウンドを構築していく。その深い「音楽」観が作品全体を支配し、演奏は常に高次元で推移する。一方、ハルヴォーソンも独創的なギタリストとして知られるが、本作ではアキンムシーレの描く音世界に寄り添い、その要求に応えようとする献身的姿勢が印象的だ。複雑なハーモニーや独特の音色を駆使しながらも、一音ごとに相手の意図を読み取り、対話を成立させるための集中力と努力が随所に感じられる。その結果、二人は競い合うのではなく、高度な会話を重ねながら唯一無二のサウンドを生み出している。ステレオタイプのジャズとは違う雰囲気故、前衛的という先入観を持たれがちだが、本作は難解さを目的とした作品ではない。静けさの中に宿る緊張感、音が消えた後の余韻までもが意味を持ち、聴くほどに新たな発見を齎してくれる。派手なスイングや超絶技巧よりも、「音楽」そのものの本質が味わえる一枚だ。現代ジャズの知性と美しさを高い次元で結晶化した価値ある傑作である。Ambrose Akinmusire (trumpet, effector, voice on #2) Mary Halvorson (electric guitar, effector)(新宿ジャズ館 四浦)
2009年に出会ってから折に触れて共演を重ねてきたというこのふたり。過去にアルバム共作は二度頓挫しており、今回ようやく納得いく出来に仕上がったという。それはどのような音楽なのだろうか?覇王のようなアキンムシーレを想像してはならない。ここにいるのは『Owl Song』(2023/Nonesuch)で聴いたような、あたたかく、やさしげなブロウをする彼だ。ひと息ひと息に思いをこめながら、しずかにトランペットが鳴らされる。じっくりと耳を傾けたくなる語り口だ。メアリーの方も少々意外ながらストレートな演奏で、エフェクトは控えめながら、単なるアルペジオであっても確信をもって、しかし自然に奏されていく。ここに流れる親密な空気はアンサンブルという営みの根っこにあるものだろう。それは西洋音楽にも通じ、もしかしたら人類最初のセッションにも遡るかもしれない。M2・8では叫び声なんかも聞こえ、気のおけない友人どうしのやり取りをのぞき見るよう。M3のタイトルは「はじめまして、そしてお久しぶり」──ふたりは瞬間ごとにそれぞれの音を聴き、お互いを発見しあう。人との繋がりを忘れそうなとき、このアルバムのことを思い出そうと思った。(JazzTOKYO 東舘)
実はこれまでにも二人はアルバムのレコーディングを試みていたそうだが、今回それが結実。かなり攻めた内容なのではとはじめ身構えたものの、メロディアスであり、空間を生かしたアンビエント的な趣もある。ハルヴォーソンのアルペジオにあわせてトランペットが響き渡る音像はどこか『In A Silent Way』的でもある。インフォに書いてある、「ハルヴォーソンがアキンムシーレに渡した」Line 6とはマルチエフェクターのことで、時々聴こえるディレイなどはアキンムシーレがリアルタイムで操作していると思われる。最近のサム・ゲンデル、ジョッシュ・ジョンソンら、ペダルを踏みながらブロウするプレーヤーもいるが、彼らのようにテクスチャーとして楽曲に取り入れるというよりも、インプロ的に使っているのが本作の緊張感のある理由だろう。それぞれのオリジナルが収録されているのだが、リリカルなアンブローズ曲が好きだ。(吉祥寺ジャズ館 荒川)
渡辺貞夫 / But Beautiful / JazzTOKYO 神尾
https://diskunion.net/detail/1009214707
もう2年も前か~、2024年に発売された『Peace』がロングセラーを続ける中、同じメンバー、ラッセル・フェランテ(p)、ベン・ウィリアムス(b)、竹村一哲(ds)とのシンプルなワンホーンで届けられた新作。多少のアップテンポ曲もあるけど、全体的にはバラードを中心にした、あたたかみに溢れる作品。オープニングのタイトル曲からして、何ともいえない間、にじみ出るトーンの瑞々しさに痺れました。スタンダード、ブラジリアン、イタリアン・オペラに自作曲・・どの曲も明快、時にブルーなメロディがあり、独特なアルトの音色と相まって、ここが国民的人気・知名度を得たジャズマンの核であると思う。そして触れたいのが、フェランテの美しさを引き立てるピアノ、アルトとの阿吽の呼吸はどうでしょう。今年は貞夫さん、活動75周年の節目の年なのだそう。コンスタントに演奏活動も継続し、毎年のように記憶に残る充実作をリリースする孤高の93歳。ちなみに同じ年生まれの方は、ウエイン・ショーター、クインシー・ジョーンズ、そして、上皇昭仁さまだそうです。こんな現役ジャズマンを身近に見て感じられる日本ってすごいかも。
Kurt Elling/ In the Brass Palace / JazzTOKYO 神尾
https://diskunion.net/detail/1009177266
女性が圧倒的なシェアを占めるジャズヴォーカル市場。当店でコーナー仕切りのある数少ない男性現役シンガーの一人がカート・エリングです。今作はボブ・ミンツァーの指揮するWDRビッグバンドとの共演。これがゴージャスでニクイ。1995年にブルーノートからデビューして、早30年・・ジャズだけでなくポピュラー曲に軸を置いた作品もありましたが、本作はストレートなジャズアルバム。ジョン・ヘンドリックスやエディ・ジェファーソンあたりが引き合いに出される、少し鼻にかかったようなコクのある歌声・・ビッグバンドにも映えるように思います。オープニングの「Steppin' Out」からして大きくスイングしていて素直にかっこいい。サド・ジョーンズやウェイン・ショーターの曲に自ら歌詞をつけていたり、ウェザーリポート(ジョー・ザヴヌル作)の隠れた名バラード「Current Affairs」を取り上げていたりと選曲もニクイ。私的一番はアル・ヒブラーに敬意を表したと思われるエリントン曲「I Like the Sunrise」。歌声に貫録を感じました。最近いいヴォーカル盤に出会わないなぁとお思いの方へ・・というか、全ジャズファンへ。
Helen Sung / Oracles / JazzTOKYO 神尾
https://diskunion.net/detail/1009220708
テキサス、ヒューストン出身の中国系ピアニスト、ヘレン・サン。近年でいえば、弦楽四重奏との共演盤、少し前で言えば、シーマス・ブレイクやマーカス・ストリックランドとのコンボだったり・・も独自のスタイルがあり面白かったけど、今回は満を持してのビッグバンド作。もとはクラシックのピアニストだったという彼女。指導を受けた、ジミー・ヒース、ロン・カーターらへのオマージュ作。その指導者の中でも、同じくクラシックから出発し、ジャズピアニストになった、ローランド・ハナの「クラシックのルーツを忘れないように・・」という言葉に触発され作曲したという、組曲「ピアニズムI、II、III」が美しく心に残る。各パート、バリー・ハリス、ケニー・バロン、ハービー・ハンコックに捧げられていて、どことなく、心地よい風が流れ舞うようなピアノで始まり、エレピを使用したり、細かいリズムとキメ、ホーンとの抑制の効いたチェイスなど、組まれた曲流れもいいと思う。コンポーザー、ソリストとしてのバランスの上に成り立つ、間を持ったしなやかさが前面に出ていて、ふとアジアンな旋律も感じたり・・今この編成で表現したい全12曲と聴きました。しかし近年なぜ優秀なラージアンサンブルの女性リーダーが台頭しているのだろう。
Chris Potter / Alive With Ghosts Today / JazzTOKYO 東舘
https://diskunion.net/detail/1009204066
ジョン・ブラウン(1800~59)は白人でありながら奴隷制を「神への罪」と考え、奴隷解放運動へと身を投じた。彼は暴力的手段を辞さなかった。彼の一派は 1856年にカンザスで奴隷制支持派5名を殺害し、59年には現ウェストバージニア州ハーパーズ・フェリーの武器庫を襲撃する。しかしそれは失敗に終わり、ブラウンは絞首刑に処される。刑執行の直前に彼は「この罪深き国の過ちは、血によってしか浄められない」と書き残したが、その言葉は61年に南北戦争が起こったことで現実となった。奴隷解放を唱える北軍は《John Brown's Body》を歌いながら進軍していく。“ブラウンの むくろや墓に朽ちゆけど 魂なおも進み征きたり…”
もはや円熟の境地にあるテナー奏者クリス・ポッターの最新作は、ジョン・ブラウンの記憶を辿り、その軌跡と残像を、矛盾と困難に満ちた現代のアメリカから見つめる。確かな熱と知的な説得力をもって展開していく音楽。重厚な歴史的主題を扱いながらも、近年の彼の作品同様、純粋なジャズとしての強さを持っている。そしてサウンドを形作るメンバーが面白い。共演経験のあるネイト・スミス(ds)にグラスパーと来日したバーニス・トラヴィス(el-b)は現代的なグルーヴを担うが、そこへ米国音楽大百科的重鎮のビル・フリゼール(gt)、エスペランサとも共演歴のあるサラ・キャスウェル(vln)、現代音楽シーンで活躍するレーン・ムーア(cl)、ジャンル横断的アーティストのゼッケリヤ・エル=マグハーベル(trb)と多彩な顔ぶれが集う。ポッター含むこの七重奏団は「小さな町のバンド」的な響きを目指したとのこと。音楽はグイグイと進みながらところどころで民謡やニューオリンズ・ジャズを想起させ、アメリカのさまざまな風景と記憶とが立ち現れる。そこにはこの地で生まれ死んでいった人々の姿が見える。彼らは私たちに、正義と暴力について問いかけるだろう。「それについて簡単に答えることはできない。私はただ、こう感じる。私たちの国というのは、美しく、それゆえに痛ましく、いまなおこうした『亡霊』が私たちと共に生きている場所なのだ」と、ポッターは語る。
Tigran Hamasyan / Manifeste / JazzTOKYO 東舘
https://diskunion.net/detail/1009154194
重厚で深刻で圧倒的なサウンドの応酬はまるで聴く者の精神を試しているかのよう。けれどもときおり出てくる可憐な旋律が軽やかに我々の魂を掠め、そうしてこの世界が厳しさ悲しさだけでなく愛しさ優しさにもあふれているのだと気づく。アルメニアの鬼才、ティグラン・ハマシアンの最新作はプログレやメタルのごとき苛烈さを持つがそれは「自分が何者であるかを見出すために自らを探求し向き合い続けること──それは、おそらくずっとそこに存在しながらも、この世界に顕現するためには掘り起こされなければならない何かを見出すことでもある」という本作の哲学と分かちがたく結びついている。“Manifeste”はマニフェスト(宣言)だが動詞化すれば「顕現する」という意味になる。まさしく本作には、虐殺や離散の記憶を抱えるアルメニア人の歴史を背負うティグランが音楽に託した、切実な希求が顕現している。黙示録的なエレクトロニクスと聖歌のような合唱は、疾走するピアノによって遠くへ未来へ運ばれていく。太古からの祈りが、風に乗って山々を越えていくように。
Jason Moran, BlankFor.ms & Marcus Gilmore / Shards / JazzTOKYO 東舘
https://diskunion.net/detail/1009204363
ジェイソン・モラン(p)とマーカス・ギルモア(ds)のことは説明不要だろうから、BlankFor.ms(ブランクフォー・エムエスと読むのではないか?)について紹介したい。BlankFor.msことタイラー・ギルモアはニューイングランド音楽院でモランに師事し、当初は作曲家としてラージ・アンサンブルによる電子音響の模倣を試みていた。しかしエレクトロニクスへの憧憬やみがたく、さらにカセットテープやアナログシンセなどオールド・メディア特有の滲みや残響に可能性を見出し、ジャズからエレクトロニカへと舵を切る。同メンバーによる前作『Refract』(2023)においてピアノとドラムの即興演奏をライヴ・エレクトロニクスがリアルタイムで変調・再構築する手法を確立、モランは「水中のプリズムをとおしてピアノを聴いているようだった」と語る。本作ではピアノがさらに前景化。繊細なタッチから攻撃的な内部奏法まで縦横無尽にピアノを弾きたおすモランへ、エレクトロニクスが幾重もの変容を施す。千変万化の即興と残像は聴取者を幻惑し不可思議な世界へといざなう。刺激的!
Ben Wolfe / Any Time After Now / JazzTOKYO 東舘
https://diskunion.net/detail/1009238139
最近のコンテンポラリー・ジャズって聴きごたえがあるんだれども、技法とか歴史とか表現意図が複雑に絡み合っているので、ちょっと疲れちゃうよ…と思っているところへこういうアルバムに出くわすとほっとする。ジョエル・ロス(vib)にサリヴァン・フォートナー(p)はバリバリ現代ジャズのプレイヤーだが、ここではオーセンティックなジャズを基盤に据えつつ適度に今風の味付けをした快調なプレイを聴かせる。JLCOのメンバーであるクリス・ルイス(ts)もほどよきブロウで好感触。そして彼らを束ねるベン・ウルフは、ウィントン・マルサリスから「揺るぎない確信をもってスウィングする」と評された知る人ぞ知るベーシスト。近年のレギュラーメンバーであるアーロン・キンメル(ds)とともにがっちりと土台を作り、その上で先の3人がのびのびと羽ばたく。楽曲もウルフのオリジナルで、変拍子も交えつつもポストバップな王道ジャズの語法が息づいてる。M4“Blues”など、ああ!こういうのが聴きたかったんだよ!アンシンの一枚。
Eliane Elias / Ao Vivo / JazzTOKYO 赤尾
https://diskunion.net/detail/1009216471
イリアーヌをUSデビューとなったステップス・アヘッド時代からずっと聴いてきた男がいる。当初からネオ4ビートに馴染むコンテンポラリーなピアノだったが、故郷ブラジルの色彩を強調したランディ・ブレッカーとの夫婦連名カルテットですっかり気に入ってしまった。キミ、ピアノも上手いが歌も上手いネ、結婚しよう! ラッパも上手いが口も上手いNYオヤジはそんな風にうら若きサンパウロ娘を口説いたのだろう。く~っ! 男にはひとつ懸念があった。美貌を前面に押し出したレコード会社の戦略的ビジュアルが、ちゃらちゃらしたオナゴは好かぬという十三代目石川五ェ門の如くストイックな硬派ジャズ求道者を遠去け、結果イリアーヌの評価を歪めているのではないか。きゃつはイリアーヌの容姿にこだわるのう、さては...という単純明快な誤解に対して知性と痴性を混同した論述は避けるのが望ましいが、男の名誉のために擁護すると彼は断じて豊乳派ではないのだった。巨二...いや巨ショー映画作家ラス・メイヤー監督とは流派がちがうのである。イリアーヌの一貫して硬派なピアノは外見から受ける先入観に眩惑されてしまう自称硬派なリスナーには届かないかも知れない。あまりにも天衣無縫にスイングするためうっかりすると耳を素通りしてしまうが、手本とする後進も多い屈指のジャズピアニストである。2年ぶりの新作はポルトガル語のタイトルから祖国凱旋公演かと思いきやサンフランシスコでのライヴ録音。ほぼ全編ブラジル産レパートリーで通したステージで、それを期待して来たと思しき観客の拍手喝采が凄い。低めのハスキーウォームヴォイスを披露しながら自由奔放にピアノを弾きまくる。ソロだけでなくバッキングも高揚感に溢れ、ピアノに専念した7~8曲目では楽曲のよさも相まって歓喜の涙が出そうになる。聴く側も不思議な達成感を得られる満足度の高い傑作である。男は意外に歌の比重が低いイリアーヌ諸作を聴き返してみたが、ジャケットやタイトルが似たものが多く、どれがどれだかわからなかった。ブラジルの焼酎ピンガをジンジャーエールで割ってイリアーヌと名づけたカクテルを飲みまくり、もはや自分が誰なのかもわからなかった。
Carla Bley / Joyful Noise (Live In Hamburg 1984) / JazzTOKYO 赤尾
https://diskunion.net/detail/1009187411
傑作"ヘヴィ・ハート"が話題の新譜だった1984年、イケてる才女最前線を疾走中のカーラ・ブレイとその一味の西ドイツ公演をとらえた未発表ライヴ音源。スタジオ録音で重用されたケニー・カークランドもハイラム・ブロックもここには不在、センチメンタルな目玉曲"Heavy Heart"もなぜかなし。しかしそれらにも終わるまで気づかないほど充実した2時間ステージ。エッジを丸めてアンサンブルに溶け込むことでかえって存在感が浮き出るスティーヴ・スワロウのベース、ソリッドで弾力あるスティーヴ・スレイグルのアルト、最終兵器ゲイリー・ヴァレンテのトロンボーン、ブレッカーマナーとアダムスブロウを兼ね備えたトニー・ダグラディのテナーなど聴きどころ満載。武田和命、林栄一といった強力ソロイストを得て渋谷毅オーケストラが結成されるのは少し後の1986年。ギル、カーラ、シブヤ、破茶滅茶な大人数バンドが凄い時代があった。引き返すには遠くなった20世紀の新鮮な記録。
モンティ・アレキサンダー / ラス! / JazzTOKYO 赤尾
https://diskunion.net/detail/1009208413
アル・グリーンの大ヒット曲"Let's Stay Together"で幕を開けた途端に空気が緩み時間がゆったりと流れ出す。公安ジャズ警察に目を付けられないように口外はしないが、内心これぞモンティ先生の最高傑作と愛して止まない粋人も多いかも知れない。全編メロウなフェンダーローズで通す1974年のスウィートグルーヴジャズ。当時既にジャマイカ音楽界の至宝とされていたであろうアーネスト・ラングリンの体温を感じるギターがカリブの夜風を呼び寄せる。カリビアンジャズと呼ぶのだろうか。スイングでもバップでもソウルでもレゲエでも後のフュージョンでもない不思議なジャズ。円高期にお買得なCD再発盤を逃した人はこれが入手のラストチャンスかも!? ディスク文化の黄昏時代を優しく彩る極上のムードミュージック。文明社会の黄昏時代をまったりと描いた漫画"ヨコハマ買い出し紀行"をパラパラめくりながらビール片手に聴くとサイコー! タイトルのRass!とはジャマイカ流感嘆詞でその意味は、サイコー!
John Taylor / Bauer Session / JazzTOKYO 松本
https://diskunion.net/detail/1009216786
ジャンルを問わず、ソロ・プロジェクトやソロ作品がすきだ。その魅力は、ひとりの表現者から滲み出るものの純度にあるのではないかと思う。個人が表現したい音、気配、あるいは物語や景色は、他者と交わることで増幅していく一方、少なからずその形を変えてゆく。ピアノという楽器を通して、ひとりの人間を垣間見ることができるのがソロ・ピアノなのだと思う。しかし、それは表現者にとっては〝ひとり〟から逃れられないということでもある。逃げも隠れもできない、「これが自分だ」という意志表明だ。故ジョン・テイラーが2014年9月にバウアー・スタジオで行ったソロ・リサイタルは、ピアノを通してひとりきりの自分と対面し、ろ過された水がこちらに染み出すかように語りかけてくる。まったく派手なものではないが、印象派やエヴァンスをも思わせる響きと、複雑ながらも素直な彼だけの透明度がある。彼の真の個性が最も強く表れているのはソロ作品である、という声もある。衝動と同時に纏う静けさに、〝ひとり〟へと下りていった先にある静かな場所を想像する。
Adam O'Farrill / Elephant / JazzTOKYO 松本
https://diskunion.net/detail/1009232518
近年、メアリー・ハルヴォーソンやパトリシア・ブレナンらのリーダー作をはじめ、フリー∼コンテンポラリーの密度の高いアンサンブル作品が光を放っている。コミュニティを同じくするアダム・オファリルの前作も同様だ。しかし本作ではその流れから少し逸れる。ピアニストのイヴォンヌ・ロジャース、ベーシストのウォルター・スティンソン、ドラマーのラッセル・ホルツマンと、メンバーをがらりと変えた新バンドを引き連れた。熱量たっぷりに圧倒的な演奏を聴かせる側面に加えて、静謐でクールなピアノが印象的。巧みに作品の温度感をコントロールしている。広げられたスペース、美しいメロディ、ミニマリズムやアンビエントな要素が交じり合うのも新しく、まさに今、独自の言語を開拓している最中なのだろう。ディレイのかかったトランぺットを音響的に脱力して吹き込む姿も新鮮でかっこいい。意外に思ったラストの坂本龍一「美貌の青空」のカヴァーは、サウンドデザインがどこまでも美しく、同時に彼の現在地がよく分かる。このバンドでどんどん新しい景色が見たい。
ジャスミン・マイラ / ホエア・ライト・セトルズ / JazzTOKYO 松本
https://diskunion.net/detail/1009208393
UKのGondowana Recordsより、ジャスミン・マイラの3作目。レーベルオーナーでもあるマシュー・ハルソールに見出された作曲家/サックス/フルート奏者で、本作はマシューとマイラの共同プロデュース作とのこと。サウンドトラックにも影響を受け、空中を大きな生き物がゆったりと揺蕩うような、アンビエント的で広く荘厳なサウンドが彼女であり、今作はスピリチュアル・ジャズとフォーキーな音世界がより濃密なアンサンブルによって繋がってゆく。管楽器のふくよかな重なりにハープが加わるのが、マイラの代名詞だなあと思う。さらにミックスは、ハニャ・ラニも手掛けたグレッグ・フリーマンが担当したとのことで、クリアかつ音の距離感やバランスも秀逸。空気が流れてゆくように、私たちの体を通り抜ける。押しつけのない包容力は、その見えない形を聴く者の心に自在に合わせるようにして、流れては去ってゆく。音楽療法的な安らぎさえ思わせる。
Tuva Bergenheim / Skärgårdsjazz / JazzTOKYO 松本
https://diskunion.net/detail/1009238687
王道のヴォーカルものは、実をいうと普段は特別に惹かれることがなく、一癖あるものを選びがちだ。ただ、このスウェーデン作品には、なにかピンときてしまった。エマリサ・ハランダーといえば、この間のジャズ批評オーディオディスク大賞に入賞していたヴォーカリストだなあと思い出す。しかし、本作を率いるのは女性ドラマーであり、作曲も作詞もすべて彼女が手がけていることに驚いた。デビュー作とのことだけれど、色彩豊かなヴォーカル作品としても、アンサンブルとしても美学が一貫しており、同国モニカ・ゼタールンドとエヴァンスの「Waltz for Debby」のような親密なノスタルジーが、煌めく波のように迫ってくる。クインテットにバスクラがいるのも個人的には嬉しいポイントで、歌声もクラリネット的なまあるくスモーキーな魅力を感じる。特にM5「Morfars vals」は、哀愁たっぷりで古き良き記憶が心いっぱいに広がるよう。歌謡曲的な歌心が、日本人には特別に響くのかもしれない。
Manuel Linhares / Atlantico / JazzTOKYO 中村
https://diskunion.net/detail/1009231529
2013年のデビュー後着実に実績を積み重ね2022年にリリースした前作『Suspenso』が国内外で大きな話題を呼んだポルトガルのSSWマヌエル・リニャレス。現在はNYに拠点を移しているようですが4年ぶりにリリースした今作でポルトガル・ジャズ界の第一線にふさわしい地位へと躍り出ました。本作にはオル・バレケット(BASS)、グレン・ザレスキー(P)、小川慶太(PERC)、デヴィッド・ビニー(SAX)などNYシーンを代表するミュージシャンたちが参加し大都市の緊迫感と鼓動にポルトガルの静かで美しいサウダーデが加わった「海と時間への賛歌」が収録されています。ところで話が変わりますが、前々からうっすら思っていて本作で顕著に感じ取ったことあります。それは、大西洋という言葉をタイトルや曲名に使うヨーロッパ圏ミュージシャンが多いということ。ヨーロッパの人にとって大西洋とは単に「海」というだけではなく、かつては探検と貿易で富をもたらしアメリカやカナダの建国を経て価値観を共有する「西洋」という共通の精神圏を構築し、そして海の向こう側の国が世界の主導権を握ったことで「親でありながらいまや追う側になってしまった」というアイデンティティの揺らぎを映す鏡になっているのでは、とふと思ってみたりみなかったり。大西洋を挟むポルトガルとアメリカで生活するリニャレスのこれまでの人生そのものが『Atlantico』というタイトルに込められているように感じました。
Ricardo Pinheiro / Songs Of Longing / JazzTOKYO 中村
https://diskunion.net/detail/1009236833
ポルトガルのギターの新星、リカルド・ピニェイロ。彼の魅力はモダンジャズをベースにフュージョン~アコースティックフォーク~ブラジリアン・ジャズ~インプロビゼーション~アンビエントも巧みに扱うその多彩さ。ストレートアヘッドジャズに独自のひねりを加えるそのスタイルは、1990年代初頭に登場したカート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、ブラッド・メルドー、ベン・モンダーらと似た空気を感じます。本作はクリス・チーク、マイケル・フォルマネック、ホルヘ・ロッシーとのカルテット編成で自身のオリジナル曲とスタンダード曲2曲を収録した大充実の1枚。個人的なものであれイメージで作られたものであれどの曲にも魅力とサムシングがあり想像力をかき立てます。草原を駆け抜ける風のように心地いいギター作品です。ぜひ。
Enrico Pieranunzi / Evanscape / JazzTOKYO 中村
https://diskunion.net/detail/1009232627
エンリコ・ピエラヌンツィ(p)とベボ・フェッラ(g)という伊ジャズ界至宝2人によるビル・エヴァンスのトリビュート・アルバム。良くない理由が見つからないです。聴くたびに胸の奥が締め付けられる「Song For Helen」やどことなく知的な雰囲気をまとうワルツ・ナンバー「Very Early」、エヴァンスも愛したスタンダード「Once Upon a Summertime」など全体的にゆったりとしたテンポの曲が選曲されていて、エヴァンスの精神を宿した静謐で美しい音がじんわりじんわり沁み入ります。エヴァンス関連でピアノとギターのデュオというと『Undercurrent』と『Intermodulation』という2大巨頭が存在しているわけですが、そこを意識したのかしていないのか挑む姿も美しいです。ちなみに今回LPとCDが同時入荷しましたがCDの方が3曲収録曲が多いですよ。
ヤン・ハルベック / カンヴァセーション / JazzTOKYO 中村
https://diskunion.net/detail/1009208651
バラードを吹かせりゃ右に出る者なし、のベン・ウェブスターを彷彿とさせる特徴的な静寂や音色の粒感、そして包容力のあるスウィングが魅力のヤン・ハルベック(ts)の新作が入荷しました。長年活動を共にする不動のカルテットによる息の合った極上のメロディと重厚感のある寛ぎテナーが堪能できる極上の1枚です。冒頭の「Passing Clouds」を聴いていただければ言わんとしていることが少しは伝わると思うのですが、ロマンチックで繊細、まるで人間の声のような温かい音で派手というより親しみやすさを感じるオリジナル曲7曲を演奏しています。オーバーダブや収録後の編集作業を一切行わなかったおかげなのか、柔らかい空気と一緒にライヴのような躍動感もパッキングされた作品に仕上がっています。王道テナー作品ファンに全力でおすすめします。
HAKUMBA / Garden / 渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 五十嵐
https://diskunion.net/detail/1009216805
ブダペストではアフロファンク・ジャムセッションが定期的に開催されるほど、ナイトライフに欠かせない音楽ジャンルであるアフロビート。その中でも各国のフェスやオーストラリアツアーを敢行するなど、現在のハンガリーにおけるアフロビートシーンを牽引する11人編成アンサンブル。前作"Message"と比較するといずれもジャズの影響が分かりやすく見受けられます。アフロビートならではのダンサブルな音楽からはかなり離れた、今作収録の"Walk In The Garden"はこれまでの体験やその情緒がジャズを通して色濃く浸透しているように感じます。やはりアフロビートバンドはフェラ・クティからの影響もさることながら大所帯になりやすいのでしょうか。複雑かつ繊細な1人1人の演奏がジャズビッグバンドとはまた違った味わいで、エネルギッシュそして広大で壮大。勇気が生まれてくるようです。4曲のみですが、余すことなく聴き込める良いEPです。
Judith Owen / Suit Yourself / 横浜関内ジャズ館 小林
https://diskunion.net/detail/1009228588
まず歌声が渋くて格好良い。音楽史に残るような名曲をジュディス・オーウェンが職人的に歌い直している印象。タイトルのようにお好きに聞いて良いし、彼女自身も好きに歌っていて、音楽の持つ自由さを感じられて気分良く聞ける。全曲お勧めだが、6.Moanin' - with the J.o. Big Bandから7.Shall We Danceの流れには気持ちよく酔える。これを機会に過去作も遡って聞きたくなる。
STEVE SWALLOW / Winter Songs / 渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 田口
https://diskunion.net/detail/1009240843
スティーヴ・スワロウにとって10年以上ぶりとなる本格的なリーダー作『Winter Songs』。初めて聴いたときは、自分が音楽を好きでよかった、ジャズを好きでよかった、とシンプルに思って嬉しくなりました。ECMだし音的にも内省的な感じなのかなと思いきや、音楽で優しさを伝えるような開けた作品です。緻密に計算された室内楽的アンサンブルがとにかく美しいのと、リラックスした会話のようなインプロビゼーションで心と体がほどけます。メンバー同士の信頼感や、音楽から受け取るエネルギーがナチュラルに伝わってきてとても心地のよい作品です。
ANTOINE LAUDIERE / Rêveries / 渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 田口
https://diskunion.net/detail/1009255289
ジャズ・ギタリスト、アントワーヌ・ローディエールのデビューアルバム。ギター・サックス・ベース・ドラムによるピアノレス・カルテットで、自身のオリジナル曲を中心に、マイルス・デイヴィスのカバーが一曲収録されています。ライブラリーミュージックのような雰囲気と共にしっかり聴かせるソロも楽しめ、アレンジャーやコンポーザー経験のあるギタリストならではの計算された出音と曲の設計だと思いました。フランスの若手サックス奏者のIllyes Ferferaが絶妙なバランスで彩を加えています。日常に寄り添うコンテンポラリージャズです。
SIMONE KOPMAJER / You Wonderful You / 吉祥寺ジャズ館 山田
https://diskunion.net/detail/1009230271
ヴィーナス・レコードからのリリースの影響もあって日本での知名度もまずまずある、オーストリア出身のヴォーカリスト、シモーネ・コップマイヤー。新作はなんと男女混成ヴォーカル・デュオ作品となっている。お相手は同じくオーストリアの俳優兼ミュージシャンのヴィクトル・ゲルノット。本国では有名な方なのだろうか。本作はスタンダード中心のデュエットということでノスタルジックな雰囲気も強いが、それだけには留まらない聴きやすさが魅力だと思う。比較対象として、レイチェル&ヴィルレイがある程度狙って懐古趣味なサウンドに寄せているのに対し、こちらはあえてノスタルジックにしようとしている感がなく、アレンジはあくまでモダンなので、それが相まって丁度よいトラッド感が楽しめる作品になっている。普段ヴォーカルを聴かない方でも、おっと思ってもらえそうな大人な一枚だ。
福居良 / イン・ニューヨーク / 吉祥寺ジャズ館 山田
https://diskunion.net/detail/1009192213
もはや日本人ジャズといえば、で一番に名前があがってきてもおかしくはない、世界を魅了するピアニストとなった福居良。めでたくこれまでの作品が未発表含めピュア・ヴァイナル仕様にて一挙再発となった。これを機に改めて全タイトル聴きなおしてみる。相変わらず『シーナリー』や『メロウ・ドリーム』は日本のジャズの香りをむんむんと感じて、一音目からジャズ喫茶にいるような気分にさせられるし、ソロ・ピアノである『マイ・フェイヴァリット・チューン』はいい曲だらけで唸らされっぱなしである。そんな中、今一番気になった作品がこのニューヨークでのライヴ作品だった。師匠バリー・ハリスのトリオのリズム隊と共演したもので、誤解を恐れずに言えば、演奏がかみ合っていないというか、ちぐはぐ感を感じるのである。それほどまでに福居のタイム感はNYのミュージシャンからすると独特なのだろう。どちらが上手い下手、という話ではない。福居はNYのミュージシャン達とバッチリ合わせられるから魅力的ということではなく、あくまで日本的なグルーヴをもっているからこそ素晴らしいのだということを再確認したのであった。
BYRON COLEY / MATS GUSTAFSSON / THURSTON MOORE / NOW JAZZ NOW - 100 Essential Free Jazz & Improvisation Recordings [1960-80](BOOK) / 商品部 川田
https://diskunion.net/detail/1009125352
サーストン・ムーア(ソニック・ユース)、フリージャズ・フィールドを超えて高い人気を誇るサックス奏者マッツ・グスタフソン、米国の音楽評論家バイロン・コーリーの3名によって選び抜かれた1960~80年発売のフリー・ジャズ及びインプロビゼーション・レコーディングの重要アルバム(LP)を年代順に100枚紹介した書籍が遂に出版された。巻頭の序文によれば10年以上もの歳月を費やした労作とのこと。強力な3人がプライベート・コレクションから選び抜いただけのことはある興味深いアルバムが大きなジャケットやラベル等の写真をフルカラーで掲載して紹介されているすぐれもの。長年に渡ってリスナー、コレクターをされていた方でも再発見や知らなかった作品が見つかること請け合いのグレイトな一冊。無くならないうちにゲットしておきたいものです。
DAN WEISS / EVEN ODDS / 商品部 川村
https://diskunion.net/detail/1008997925
ドラマー、ダン・ウェイスが、サックスのミゲル・ゼノン、ピアノのマット・ミッチェルと組んだ変則トリオ。
私もそれなりに歳を重ね、順調にオッサンになり、頭も身体も衰えてきておりますが、その一方で耳は肥えてきており、あー良い作品だなと感じても、純粋な驚きを覚えることは年々少なくなっています。そんな中、久しぶりに「え!? なにこれ?」となったのが本作。ダン・ウェイスはもともと、ジャズ・ドラマーというより、トリッキーなロックやプログレッシブ・ロック寄りのドラマーという印象が強く、ここ数年の作品でも、その個性が色濃く表れていて、私のお気に入りの一人であります。そんな彼がミゲル・ゼノン、マット・ミッチェルと一体何をやるのだろう...?そう思いながら聴いた冒頭曲「It Is What It Is」は、怒涛のように流れる三者三様のフレーズとリズムに圧倒。まるでライヒのミニマル・ミュージックを思わせるような響きもあり、気がつけばあっという間に終わってしまう。そして終わった瞬間、また最初から聴きたくなる...不思議な魅力を持った楽曲です。一転して、「The Children of Uvalde」では美しいバラードを聴かせます。ただ、その静かな世界の中にも、リズムの仕掛けや遊び心が巧みに織り込まれていて、ドラマーならではの作曲センスが感じられます。じゃんけんジャケットも◎。
MICHAEL GREGORY JACKSON / CLARITY(LP) / 商品部 西川
https://diskunion.net/detail/1009227815
BIJA RECORDS原盤、ESPレーベルからも再発されていた作品。オリヴァー・レイク、デヴィッド・マレイ、レオ・スミスが参加しており荒々しいロフト時代の音を想像されがちだが、前衛性もありながら、個々の楽器が奏でる品やかで美しいフレーズ、素朴なフォーク風サウンドも混ざりあった演奏はECM作品など彷彿とさせます。叙情的なギター、スピリチュアル的な感覚は非常に個性的です。手に抱きかかえたグレゴリー・ジャクソンの飼い猫のポートレートや豪華ブックレットが封入されてます。
エズラ・コレクティヴ / Chapter 7 (10th Anniversary Edition)(LP) / 商品部 池田
https://diskunion.net/detail/1009229365
マーキュリー・プライズやブリット・アワードで、ジャズのミュージシャンとして初のアワード受賞を実現させた今やUKジャズを代表するバンド、エズラ・コレクティヴの初期代表作がリリースから10年を記念してレコードで再発。10月には来日も決まっていますので、予習用にもぜひチェックを。タイニー・デスク出演時の音源や、ザラ・マクファーレンをフィーチャーしたロイヤル・アルバート・ホールでの公演の音源も追加されています!
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