16世紀から18世紀にかけて活躍した8人の作曲家の作品集
- 通販番号
- 1008925610
- 発売日
- 2024年10月20日
- EAN
- 5028421974835
- 組数
- 12
商品詳細情報
【収録内容】
CD1 59'45
ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク [1562-1621]
1. エオリア旋法(第9旋法)によるトッカータ SwWV 297 4:49
2. エコー・ファンタジア SwWV 261 3:03
3. トッカータ SwWV 283 3:28
4. 「宮廷風に」による変奏曲 SwWV 318 3:33
5. ヒポドリア旋法(第2旋法)によるトッカータ SwWV 292 2:34
6. 「私の青春は終わった」による変奏曲 SwWV 324 5:25
7. エオリア旋法(第9旋法)によるトッカータ SwWV 298 1:44
8. 「緑の菩提樹の下で」による変奏曲 SwWV 325 4:53
9. エオリア旋法(第9旋法)によるトッカータ SwWV 296 4:04
10. 「そうでなくては」による変奏曲 SwWV 330 7:26
11. ドリア旋法(第1旋法)によるトッカータ SwWV 286 3:21
12. 「大公の舞踏会」による変奏曲 SwWV 319 4:27
13. トッカータ SwWV 285 2:58
14. エコー・ファンタジア SwWV 253 7:33
アンドレア・ヴィヴァネット(ピアノ)
録音:2023年7月10~27日、ウィーン、トーンシュトゥーディオ・C-アーツ・クラシカル・アーツ・ヴァルデック&ハイエク
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CD2 72'16
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
パルティータ第1番 変ロ調 BWV825
1. プレリュード 1'46
2. アルマンド 3'51
3. クーラント 2'57
4. サラバンド 5'35
5. メヌエット I&II 3'09
6. ジーグ 2'02
パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
7. シンフォニア 4'16
8. アルマンド 4'37
9. クーラント 2'21
10. サラバンド 3'59
11. ロンドー 1'25
12. カプリッチョ 3'34
パルティータ 第4番 ニ調 BWV828
13. 序曲 6'17
14. アルマンド 9'06
15. クーラント 3'40
16. サラバンド 6'08
17. エール 2'13
18. メヌエット 1'26
19. ジーグ 3'35
CD3 72'52
パルティータ 第3番 イ短調 BWV827
1. ファンタジア 2'08
2. アルマンド 2'46
3. クーラント 3'25
4. サラバンド 4'38
5. ブルレスカ 2'17
6. スケルツォ 1'10
7. ジーグ 3'15
パルティータ 第5番 G調 BWV829
8. プレアンブルム 2'38
9. アルマンド 4'20
10. クーラント 1'50
11. サラバンド 5'08
12. テンポ・ディ・メヌエット 1'55
13. パスピエ 1'44
14. ジーグ 3'48
パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
15. トッカータ 6'56
16. アレマンダ 3'06
17. クーラント 4'49
18. サラバンド 6'54
19. エア 1'29
20. テンポ・ディ・ガヴォッタ 2'11
21. ジーグ 6'06
ユアン・シェン(盛原)(ピアノ)
録音:2015年6月2日(CD2)、2015年11月9日(CD3)、北京コンサート・ホール
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CD4 77'27
ヨハン・セバスティアン・バッハ [1685-1750]
ゴルトベルク変奏曲 BWV988
1. アリア 4'29
2. 第1変奏 1'46
3. 第2変奏 1'20
4. 第3変奏 同度のカノン 2'00
5. 第4変奏 1'04
6. 第5変奏 1'29
7. 第6変奏 2度のカノン 1'12
8. 第7変奏 1'43
9. 第8変奏 1'50
10. 第9変奏 3度のカノン 1'31
11. 第10変奏 フゲッタ 1'35
12. 第11変奏 2'07
13. 第12変奏 4度の反行カノン 2'25
14. 第13変奏 5'20
15. 第14変奏 2'08
16. 第15変奏 5度の反行カノン 4'10
17. 第16変奏 序曲 2'47
18. 第17変奏 2'01
19. 第18変奏 6度のカノン 1'29
20. 第19変奏 1'46
21. 第20変奏 1'56
22. 第21変奏 7度のカノン 2'44
23. 第22変奏 1'27
24. 第23変奏 2'06
25. 第24変奏 8度のカノン 2'46
26. 第25変奏 7'59
27. 第26変奏 2'03
28. 第27変奏 9度のカノン 1'50
29. 第28変奏 2'19
30. 第29変奏 2'06
31. 第30変奏 クォドリベット 2'04
32. アリア・ダ・カーポ 4'15
クララ・ヴュルツ(ピアノ
録音:2020年5月28,29日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会
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CD5 69'42
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 13'18
1. [テンポ指定なし]4'10
2. アンダンテ 5'12
3. プレスト 3'56
ユアン・シェン(盛原)(ピアノ)
録音:2014年2月17日、北京コンサート・ホール
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ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
4. トッカータ ホ短調 BWV914 7'12
5. トッカータ 嬰ヘ短調 BWV910 11'10
6. トッカータ ト長調 BWV916 8'59
7. トッカータ ハ短調 BWV911 10'52
アレッサンドロ・デリアヴァン(ピアノ)
録音:2015年8月13~14日、イタリア、バッサーノ・デル・グラッパ、「エリック・ジェームス 」音響室
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ジャン=フィリップ・ラモー [1683-1764]
組曲(第2番) ホ短調 (1724) 18'02
8. アルマンド 3'49
9. クーラント 1'16
10. ロンドー形式の第1ジーグ 1'45
11. ロンドー形式の第2ジーグ 1'47
12. 鳥のさえずり 2'32
13. 第1リゴドン 0'26
14. 第2リゴドン 0'31
15. ドゥーブル(第2リゴドンの変奏) 0'32
16. ロンドー形式のミュゼット 1'36
17. タンブーラン 1'06
18. 村娘 2'42
デニス・プロシャエフ(ピアノ)
録音:2005年12月9日、マインツ、フランクフルター・ホーフ、SWR(ライヴ/拍手あり)
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CD6 56'01
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル [1685-1759]
クラヴサン組曲第2集(1710)
組曲(第1番) 変ロ長調 HWV434 (ロンドン、1710/17年頃) 12'33
1. I. プレリュード 2'18
2. II. ソナタ 2'10
3. III. アリア・コン・ヴァリアツィオーネ 4'16
4. IV. メヌエット 3'49
5. シャコンヌ(組曲第2番/21の変奏曲) ト長調 HWV435 (ロンドン、1705/17年頃) 11'16
組曲(第3番) ニ短調 HWV436 (ロンドン、1721~26年頃) 15'02
6. I. アルマンド 3'33
7. II. アレグロ 1'32
8. III. エール 3'01
9. IV. ジーグ 1'53
10. V. メヌエット 5'03
組曲(第4番) ニ短調 HWV437 (ハンブルク、1703/06年頃) 08'20
11. I. アルマンド 2'25
12. II. クーラント 1'24
13. III. サラバンド・コン・ヴァリアツィオーネ 3'38
14. IV. ジーグ 0'53
組曲(第5番) ホ短調 HWV438 (ロンドン、1710/17年頃) 08'39
15. I. アルマンド 2'53
16. II. サラバンド 3'59
17. III. ジーグ 1'47
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CD7 56'01
組曲(第6番) ト短調 HWV439 (ハンブルク、1703/06年頃) 14'33
1. I. アルマンド 6'23
2. II. クーラント 3'29
3. III. ジーグ 4'41
組曲(第7番) 変ロ長調 HWV440 (ハンブルク、1703/06年頃) 08'17
4. I. アルマンド 2'21
5. II. クーラント 1'30
6. III. サラバンド 2'56
7. IV. ジーグ 1'30
組曲(第8番) ト長調 HWV441 (ハンブルク、1703/06年頃) 19'57
8. I. アルマンド 2'05
9. II. アレグロ 3'50
10. III. クーラント 3'10
11. IV. アリア 1'40
12. V. メヌエット 3'38
13. VI. ガヴォット 2'49
14. VII. ジーグ 2'45
シャコンヌ(組曲第9番/62の変奏曲) ト長調 HWV442 (前奏曲:ロンドン、1717年頃、シャコンヌ:ハンブルク、1703/06年頃) 15'33
ハンブルク、1703/06 年頃)
15. I. プレリュード 1'13
16. II. チャッコーナ・コン・ヴァリアツィオーニ 14'20
シピオーネ・サンジョヴァンニ(ピアノ)
録音:2019年2月2~4日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
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CD8 50'18
ロドヴィコ・ジュスティーニ [1685-1743]
チェンバロ・ディ・ピアノ・エ・フォルテ(通称:マルテレッティ)のための12のソナタ集 Op.1より
ソナタ第1番 ト短調 Op.1-1
1. I. バレエ:スピリトーゾ、マ・ノン・プレスト 3'23
2. II. コッレンテ:アレグロ 1'59
3. III. サラバンド:グラーヴェ 2'48
4. IV. ジーグ:プレスト 1'32
5. V. メヌエット アフェットゥオーゾ 0'58
ソナタ第2番 ハ短調 Op.1-2
6. I. グラーヴェ 4'13
7. II. クーラント:アレグロ 1'50
8. III. ジーグ:グラーヴェ 5'30
9. IV. ジーグ:プレスト 2'04
10. V. メヌエット 1'36
ソナタ第3番 ヘ長調 Op.1-3
11. I. シチリアーナ:アフェットゥオーゾ 4'48
12. II. カンツォーネ 2'18
13. III. アンダンテ、マ・ノン・プレスト 2'51
14. IV. ジーグ:プレスト 2'06
ソナタ第4番 ホ短調 Op.1-4
15. I. プレリュード:ラルゴ 5'48
16. II. プレスト 2'37
17. III. サラバンド:ラルゴ 1'44
18. IV. ジーグ:アレグロ 2'10
パオロ・ゼンティリン(ピアノ)
録音:2018年4月13~15日、イタリア、プラート、ムジカフェリックス=ストゥーディオ・ベネッツリ・モゼル
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CD9 77'40
ドメニコ・スカルラッティ [1685-1757]
1. ソナタ ニ短調 K.1 2'31
2. ソナタ ニ短調 K.32 2'27
3. ソナタ ニ短調 K.33 3'42
4. ソナタ ロ短調 K.87 6'30
5. ソナタ ニ長調 K.29 4'56
6. ソナタ ロ短調 K.27 3'48
7. ソナタ ト短調 K.427 2'10
8. ソナタ ハ長調 K.132 8'36
9. ソナタ ホ短調 K.98 3'19
10. ソナタ ホ短調 K.135 5'03
11. ソナタ ホ短調 K.162 5'25
12. ソナタ イ長調 K.208 5'58
13. ソナタ イ長調 K.39 2'42
14. ソナタ イ長調 K.322 4'10
15. ソナタ ト長調 K.455 3'22
16. ソナタ ハ長調 K.95 3'24
17. ソナタ ヘ短調 K.466 9'28
ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ(ピアノ)
録音 2021年3月3-4日、ドイツ、ザールルイ、フェラインスハウス・ファウテルン
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CD10 75'08
ドメニコ・スカルラッティ [1685-1757]
1. ソナタ イ長調 K.24 4'46
2. ソナタ イ短調 K.532 3'13
3. ソナタ 変ロ短調 K.266 5'08
4. ソナタ 変ロ短調 K.131 3'38
5. ソナタ ロ短調 K.262 4'47
6. ソナタ ロ短調 K.173 4'16
7. ソナタ ハ長調 K.421 3'38
8. ソナタ ハ短調 K.126 7'04
9. ソナタ ニ短調 K.33 3'47
10. ソナタ ニ短調 K.138 3'20
11. ソナタ ホ短調 K.20 3'08
12. ソナタ ホ短調 K.232 5'23
13. ソナタ ヘ長調 K.17 4'00
14. ソナタ ヘ短調 K.184 4'30
15. ソナタ 嬰ヘ長調 K.319 3'53
16. ソナタ 嬰ヘ短調 K.67 1'29
17. ソナタ ト短調 K.425 2'57
18. ソナタ ト短調 K.546 6'01
アンドレア・モルテーニ(ピアノ)
録音:2021年5月14-15日、イタリア、クローベンスタイン、リッテン、レノン、ペピーター・マイール・ザール
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CD11 67'45
バルダッサーレ・ガルッピ [1706-1785]
ピアノ・ソナタ第2番 ハ短調 09'34
1. ラルゲット 2'22
2. アレグロ 4'02
3. アレグロ・アッサイ 3'10
ピアノ・ソナタ第3番 イ長調 07'49
4. アンダンテ 3'00
5. アレグロ 3'27
6. アレグロ 1'22
ピアノ・ソナタ第6番 変ホ長調 09'19
7. スピリトーゾ 3'33
8. アレグロ 3'19
9. メヌエット 2'27
ピアノ・ソナタ第7番 ト短調 09:55
10. ラルゴ 4'02
11. プレスト 1'53
12. アレグレット 4'00
ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 12'19
13. アンダンテ 6'04
14. アレグロ 3'45
15. グラツィオーゾ 2'30
ピアノ・ソナタ第10番 ヘ長調 18'39
16. アンダンティーノ 11'42
17. アレグロ 4'02
18. ジーグ. プレスト 2'55
フェルナンダ・ダミアーノ(ピアノ)
録音 2020年6月26~28日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
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CD12 68'44
マヌエル・エスポナ [1714-1779]
1. ソナタ第1番 ニ短調 4'40
2. ソナタ 第2番 ニ短調 2'27
3. ソナタ 第17番 イ短調 3'36
4. ソナタ 第3番 変ロ短調 5'42
5. ソナタ 第4番 変ロ長調 5'05
6. ソナタ 第5番 ト短調 4'57
7. ソナタ 第6番 ト短調 3'51
8. ソナタ 第16番 ト短調 5'44
9. ソナタ 第11番 変ホ長調 5'58
10. ソナタ第12番 変ホ長調 4'17
11. ソナタ 第7番 ハ短調 6'02
12. ソナタ 第13番 ト短調 5'27
13. ソナタ第24番 ト短調 5'21
14. ソナタ 第9番 ホ長調 5'04
メラニ・メストレ(ピアノ)
録音:2013年9月21日、バルセロナ、サンタ・コロマ・デ・グラメネト、オーディトリ・カン・ロイグ・イ・トーレス
現在ではバロック時代の鍵盤楽曲は当時主流だったチェンバロで演奏することが多いですが、一方で、バッハもスカルラッティもヘンデルも実際には初期ピアノに接していたのだからピアノでも演奏すべきという見解もあり、どちらにも説得力があります。
「作曲家=演奏家」の時代には、編曲・転用がごく当たり前でしたし、楽器指定が無いものも多かったりしたので、結局は慣れや好みの問題ということになるものと考えられます。
たとえば、人気曲「ゴルトベルク変奏曲」のレコーディング数もこれまでにピアノが110種類以上、チェンバロが50種類以上となっており、最近でもピアノの数が優勢です。
チェンバロの全声部型演奏がピアノにも影響
発音機構上、全声部が克明になるチェンバロの演奏スタイルは、ピアノによるバロック演奏にも影響を与えるようになり、現在では、主旋律強調系かつ主情的な演奏はあまり聴かれません。このセットに収められたゴルトベルク変奏曲の演奏も非常に多声的で、この作品が「低音主題による変奏曲」であることを浮き彫りにしています(CD4)。さらにこのセットでは、ゴルトベルク変奏曲の元ネタになったヘンデル若き日のシャコンヌ HWV442(CD7 トラック16)も多声的で情報量の多い演奏で収録していることから、作品の共通要素などもわかりやすく比較できます。
400年前の曲でもピアノが効果的
CD1のスウェーリンク作品集は約400年前の作曲ですが、冒頭の「エオリア旋法によるトッカータ」の後半で次第に高揚して行く様子はピアノならではともいえ、同時代のジョヴァンニ・ガブリエリの華やかさに通じるものも感じさせます。
バロック初期から最後期まで収録
CD12枚に16世紀から18世紀にかけて活躍した8人の作曲家の作品を収録。生まれた世紀別に没年順に並べると以下のようになります。
【16世紀生まれ】
●スウェーリンク [1561-1621 オランダ]:1枚分
【17世紀生まれ】
●ジュスティーニ [1685-1743 イタリア]:1枚分
●バッハ [1685-1750 ドイツ]:3.7枚分
●スカルラッティ [1685-1757 イタリア→ポルトガル→スペイン]:2枚分
●ヘンデル [1685-1759 ドイツ→イタリア→イギリス]:2枚分
●ラモー [1683-1764 フランス]:0.3枚分
【18世紀生まれ】
●エスポナ [1714-1779 スペイン]:1枚分
●ガルッピ [1706-1785 イタリア]:1枚分
ブックレット
12ページ。テキストは英語。作品についての簡潔な解説が掲載されています。
バロックとピアノ、そしてチェンバロからの影響
作曲家=演奏家
バロック時代の作曲家は、チェンバロやオルガンなど、演奏家としての仕事が主な収入源である場合が多く、自作の曲も自身の演奏用というケースが一般的。会場も宮廷のホール(サロン)や大きめの教会が使用されることから楽器の音量は重要で、チェンバロよりもさらに音の小さなクラヴィコードや初期ピアノには非常に不利な状況でした。
チェンバロの進化
17世紀初頭から18世紀なかばにかけての約150年に及ぶバロック時代は、楽器や奏法の進化と、それに伴う作曲技法の導入が目立った時期でもあります。
たとえば16世紀初頭に登場して以来、200年以上も主要な鍵盤楽器であり続けてきたチェンバロは、1730年代には2段階の音の強弱表現が可能な2段鍵盤の楽器が普及するようになり、バッハもそれに触発されて上鍵盤と下鍵盤の指定のある「イタリア協奏曲」や「ゴルトベルク変奏曲」を書いたりしています。
最初期のピアノは小音量
その間、バロック全盛期の1700年には、チェンバロ製作者のクリストフォリ[1655-1731]による最初のピアノが登場し、無段階に音の強弱をコントロールできることから一部で注目されます。しかし、肝心の音量がチェンバロよりもさらに小さかったため、大きめの空間での演奏には向かない楽器でした。
また、1736年頃にゴットフリート・ジルバーマン[1683-1753]のピアノを試奏したバッハは、ジルバーマンに対して、高音域が貧弱でタッチが重く弾きにくいと言っていましたが、1747年に新たに製作された楽器を弾いた際には満足して称賛。最晩年の作曲にはジルバーマンの楽器を使用していることから、ピアノの改良が進んでいる様子が窺えます(バッハは強弱が自由なクラヴィコードの愛好者でもありました)。
鍵盤楽器の主役が交代
その後もピアノの改良は続けられ、18世紀なかば以降には音量も増し、ロココ、ギャラント、古典派と音楽の時代様式が移行する中で出番も増加。18世紀終わりの頃には公演での要求も高まり、発音機構の研究開発もさらに進んで性能が日進月歩で向上。
さらに、フランス革命とナポレオン戦争によってチェンバロが略奪・転売、あるいは破壊・廃棄されて表舞台から姿を消すと、鍵盤楽器の主役は完全にピアノに代わることになります。
バッハの出版事情
過去の作品が演奏によって普及するには、出版されることが前提となりますが、バッハの場合、鍵盤楽曲で生前に出版されていたのはごく僅か。1726年から1730年まで個別に印刷された「パルティータ」は、1731年にまとめられ、「クラヴィーア練習曲集第1巻」と名付けられて出版。
この不思議な名前は、バッハの前任者のクーナウ[1660-1722]の「新クラヴィーア練習曲集」(1692)と似ているので、ライプツィヒ市当局の受けが良かったクーナウにあやかろうとしたものかもしれません。
1735年には「クラヴィーア練習曲集第2巻」として「フランス風序曲」、「イタリア協奏曲」が出版され、1739年の「クラヴィーア練習曲集第3巻」はオルガン曲集として出版。
そして1741年の「クラヴィーア練習曲集第4巻」には「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」が収められていますが、地味なタイトルの長大な作品なので、注目されにくかったようです。なお、この「ゴルトベルク変奏曲」という通称を持つ作品は20世紀に入ってから人気が出てすでに200以上のレコーディングが知られています。
バッハ没後50年
状況が大きく動いたのは没後50周年を迎えた1800年のことで、未出版作品の宝庫だったバッハの作品について需要ありと判断したホフマイスター[1754-1812]らが出版社を興して事業に取り組み始めます。なにしろ鍵盤楽曲だけでも、「平均律クラヴィーア曲集」、「トッカータ集」、「イギリス組曲集」、「フランス組曲集」、「インヴェンションとシンフォニア集」といった大物が未出版だったため、またとない商機でした。
教育には使われていたバッハ
「平均律クラヴィーア曲集」が1801年に出版されると、パリ音楽院での授業に使用されるようになったほか、ベートーヴェンに師事していたチェルニー少年は、自習の際には、バッハやスカルラッティなどに取り組まされてもいます。チェルニーはその後、36歳のときに「平均律クラヴィーア曲集」を自身の注釈つきで出版(1837)してもいるのでよほど気に入っていたのでしょう。
ピアノの進化とレパートリー拡大
ピアノの改良は進み、鍵盤のおおよその規模も、モーツァルト時代の61鍵からベートーヴェン時代には73鍵に増え、ショパン時代に82鍵、リスト晩年に88鍵と大型化。1820年頃に木製フレームを金属部品によって補強し、1840年には鋳物の鉄骨フレームを実現したのが大きな要因です。これによりソロや室内楽でも大きめの会場で演奏できるようになった為、公演を埋める作品数が必要になり、メンデルスゾーンやシューマン、リスト、ショパン、ブラームスらもバッハをアレンジしたり引用展開素材にしたりして関連作品を発表するようになります。
バッハ没後100年
その間、1850年にはバッハ没後100年を記念して、シューマンやモシェレスらにより「バッハ協会」が設立され、バッハの注目度も大きく上昇。膨大な原典版全集の楽譜刊行は1851年に開始され1899年に完結する大事業でした。
専業演奏家の台頭
19世紀に飛躍的に進歩した建築技術のおかげで近代建築が本格化すると大きめのホールも増え、音楽興行の規模も増大したことで、「専業演奏家」が一般化し、実演でのバッハ作品のピアノ演奏も増えていきます。
20世紀初頭のバッハ受容
19世紀後半からバッハ作品が普及するにつれて、チェンバロやクラヴィコードのために書かれた音楽を現代のピアノで演奏するのであれば、適切なアレンジが必要という考え方も登場し、ロマン派的にアレンジされた演奏が人気を博すようになります。特にブゾーニによる校訂や編曲は長い年月をかけてバッハ作品を研究してからおこなわれたため、現在でも愛好者が多くなっています。
チェンバロの復興
20世紀初頭、オリジナル・チェンバロも演奏する楽器コレクターで、著書「古楽」まで出版してチェンバロ音楽を世に広めようとしていたピアニストのランドフスカが、プレイエル社とともに、チェンバロ公演を大ホールでおこなって収益化できる楽器「ランドフスカ・モデル(グラン・モデル・ドゥ・コンセール)」をピアノを改造して開発。
実際に興行的にも大きな成功を収めてチェンバロの存在がメジャーなものとなり、以後、半世紀以上に渡って多くのモダン・チェンバロが製作され、さまざまなバロック鍵盤楽曲を世に広めることに貢献しています。
その後、オリジナル・チェンバロの修復や複製技術の進歩とともに、1980年代からはチェンバロはオリジナル(レプリカ)が主流になり、すでに40年ほど経過していることから、モダン・チェンバロによる時期と合わせると、復興以来すでに100年以上もチェンバロ演奏が実績を積み重ねてきたことになります。
歴史的奏法の影響
チェンバロの全声部が克明な演奏スタイルは、ピアノによるバロック演奏にも影響を与えるようになり、現在では、主旋律強調系で感情移入が濃厚なタイプの演奏はあまり聴かれなくなりました。
また、最近では歴史的奏法に関する知識や技術も広く浸透していることから、音の粒立ちが鮮やかで各声部情報の明確な演奏が多くなっているのも特徴です。そしてそうした知識や技術を踏まえたうえで、ピアノならではの強弱や遠近法、音色変化を繊細に駆使した表現が、チェンバロとは異なる角度から作品の魅力を浮かび上がらせることにも繋がっています。
(日本出版貿易)
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