- 通販番号
- 1006828703
- 発売日
- 2015年09月30日
- EAN
- 2299990070713
商品詳細情報
●怨念の惜別
1938年1月16日、ナチスによるオーストリアのドイツ併合直前の曇天のウイーンで、第2次世界大戦前最後のワルターによるウイーンフィル演奏会が開かれました。数年前にウイーンフィルの実質的な常任指揮者に地位を得て過ごしていた充実した音楽家人生がナチスのユダヤ人迫害によって国外脱出直前にまで追い詰められていた中での事です。演目は師と仰いでいたマーラーの遺作で、初演を託された「交響曲第9番」。マーラーも歳晩年に娘の病死と自らの疾病、そして彼を取り巻く音楽家や評論家との不和の中で作曲し、初演に接する事なく世を去っていて、“彼の過ごした人生の苦難の集大成”を思わせる趣があります。ワルターの演奏は、この曲想に自らの音楽家としての幸せを奪われ親しい人たちとの別れを強いられる事に対する怨念と惜別が乗り移った様な壮絶さがあります。録音には複数の録音機が用いられ、実演が切れ間なく録音されています。そのために会場雑音も多く、マイクロフォン配置やフェーダーの操作に不適切な箇所もありますが、当時としては画期的に周波数レンジが広く、GHAによって雑音を除去した結果、テープ録音に遜色のない高忠実な音で鑑賞することが出来ます。この音源には1943年に発売されたニッチク(日本コロムビアの戦時レーベル)の未通針SPレコードを使いました。
◎収録曲/録音年
マーラー:交響曲曲第9番(1938)
◎ 演奏者
ブルーノ・ワルター指揮:ウイーンフィルハーモニー管弦楽団
◎制作者紹介
村岡輝雄
1967年九州大学大学院を卒業。日本ビクター(株)研究所・音響情報研究室長、武蔵工業大学・教授、東京大学先端科学技術研究センター・客員研究員を歴任し、現在は日本女子大学文学部・客員研究員として音文化の研究に従事、併せて東京大学高齢社会総合研究機構の人間情報工学・伊福部研究室で音響信号処理の研究を行なっている。高校時代よりオーディオに取り組み、大学・大学院で電子通信工学を学んで日本ビクター(株)に入社後はプロ研究者に転向。入社後10年以上に亘って録音スタジオやレコード技術部門と連携して音楽録音技術とアナログレコードの研究に取り組み、4チャンネルレコードCD-4の基本設計とレコードカッティング/トレシング歪みの研究で工学博士を取得。ディジタルオーディオ時代以降は大学時代の音声合成認識研究の延長としてディジタル信号処理研究に取り組み、非調和周波数解析GHAの研究と実用化を行なった。大学時代から吹奏楽とオーケストラに参加し、業務で修得した録音技術を駆使して220枚以上のCDを制作して今日に至っている。
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